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ミニシアター通信平家物語 > (295)一の谷

(295)一の谷

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 一方の平家は、寿永2年(1183年)の冬から、讃岐の国(香川県)の屋島を出て摂津の国の難波に渡り、西の一の谷に城郭を構え、東の生田の森を大手の木戸口と定めました。そして、福原、兵庫、板宿、須磨に籠る軍勢、山陽道8か国、南海道6か国、都合14か国を討ち従えて、平家に10万騎が集まったといわれました。

 一の谷は、北は山で、南は海。入口は狭く奥深い地形。岩肌が高く、屏風を置いたに等しいといわれます。北の山際から南の海の遠浅まで、大石を積み重ね、大木を切って逆茂木にし、深さがある所には大舟を持ってきて、掻楯を並べ、城郭の高櫓には、四国九州の兵が、甲冑弓箭を帯びて、雲霞のごとく満ちていました。櫓の前では、鞍を置いた馬が十重二十重に並んでいます。いつも太鼓を打ちながら、ときの声をあげています、『和漢朗詠集』に、“一張の弓の勢いは、半月胸の前に懸かり、三尺の剣の光は、秋の霜腰の間に横だえたり”とありますが、一の谷では、平家が高い所に赤旗をたくさん立てましたので、赤旗が春風に吹かれ、天に翻るさまは、炎が燃え上がるようでした。

(2012年1月16日)


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