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ミニシアター通信平家物語 > (165)厳島大明神、八幡大菩薩、春日大明神

(165)厳島大明神、八幡大菩薩、春日大明神

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登場人物:藤原成頼

 青侍が見たという不思議な夢について、高野山にいる宰相入道の藤原成頼が伝え聞き、以下のように言いました。

「はやはや、平家の世がようやく末になったかな。

 厳島大明神が平家の味方をするといっても、それには道理がある。ただし、この厳島大明神は、龍王の第3の娘なので、女神といえる。

 八幡大菩薩が節刀を源頼朝に与えると言ったのも道理。

 春日大明神が、『その後はわが孫にも与えたまえ』と言ったのはどういうことだろう。

 それも平家が滅び、次の源氏の世も終わり、大職冠・藤原鎌足の末裔の摂関家の君達が天下の将軍になるということか」

 折節、ある僧が来て言いました。

「それ神明は、まちまちに現れる。仏が衆生済度のために現れて衆生を仏法へ導く和光垂迹の方便がさまざまであるように。ある時は女神ともなり、またある時は、俗世の体に乗り移って現れる。

 まことに、この厳島大明神は、宿命通、天眼通、温尺通の三明に、天耳通、知他心通、身如意通を加えた六通の霊神であるので、浮世を厭い、真(まこと)の道に入り、後世菩提のほかはなにも気にかけないこともある。

 善政を聞いては感心し、世の憂いを聞いて嘆くのは、これ皆人間のなすことだ」

(2011年12月4日)

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