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ミニシアター通信平家物語 > (160)内裏の造営

(160)内裏の造営

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登場人物:邦綱

 この邦綱という人は、比類ない大福長者でしたので、内裏の造営には依存ありませんでしたが、いかにしても、国費の浪費や、民の苦しみが発生してしまいます。

 大嘗会などの差し合たった天下の大事が行われるべきところ、それらを差し置いて、このように世が乱れているときに、遷都や、内裏造営など相応しくありません。

 人々は以下のようにうわさしました。

「昔、賢い帝王の御世では、内裏にかやを吹き、軒すらも整えず、民の炊事の煙が乏しいのを見ては、租税を減免した。これすなわち、民を恵み、国を助けるためだ。

 楚の霊王は章華の台を作って民が離反し、秦の始皇帝は阿房宮を作って天下が乱れたといえる。

 ふいた屋根の茅を切り整えず、たるきを削らず、船や車も飾らず、衣服も、手紙もなかった世もあったものを。

 唐の太宗は、長安の西にあった離宮「り山宮」を造営しておきながら、民の費えをはばかってか、ついに訪れることなく、り山宮では、瓦に松が生え、つたが柿にからみつき、ついに、廃墟となってしまったとか」

(2011年12月2日)


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