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コスプレパフォーマンスとは何か? コスプレサミット世界王者・霜月紫に聞いてみた

2015年6月8日 22時00分 参照回数:


霜月紫

霜月紫 (撮影:竹内みちまろ、2015年6月7日、東京タワースタジオにて)


 日本から世界へ広まったコスプレ。2020年の東京オリンピック開催決定でさらなる注目を浴びているが、日本のコスプレ界で現在、“コスプレパフォーマンス”が盛り上がっているという。

 コスプレと言えば、コスプレイヤーが同人誌即売会などで撮影に応じる姿らがお馴染みになっているかもしれないが、はたして、“コスプレパフォーマンス”とは、そういった撮影モデル的なコスプレとは違うのか。

 2015年6月7日、東京タワースタジオ(東京タワーメディアセンター内)にて、外国人留学生に日本のポップカルチャーを楽しんでもらい、交流を深めるためのイベント「International Event of Cool Japan」が開催され、ステージにて、9組のコスプレパフォーマンス、コスプレをした来場者の飛び入り参加によるコスプレファッションショー、3組の日本で活動中の外国人アイドルによるライブ、2組の日本の伝統芸能のパフォーマンスが披露され、イベントは盛大に盛り上がった。

 当日、コスプレパフォーマンスステージのトップバッターとして、「世界コスプレサミット2012」にてワールドチャンピオンに輝いた霜月紫さん(しもつき・ゆかり、世界コスプレサミット2012には海都さんとのチームで出場)が出演。コスプレイヤーで声優・俳優としても活躍する霜月さんに、“コスプレパフォーマンス”とは何かを聞いてみた。

 霜月さんは、「いわゆるコスプレは、マンガ、アニメ、ゲームのキャラクターの扮装をするわけですが、“コスプレパフォーマンス”は、コスプレをした姿で、寸劇や歌、ダンスなどを行い、ステージ上で動きながら表現することではないかと思います」と話してくれた。

 ただ、「“コスプレパフォーマンス”とあえて言わなくても、“プレイ”には“動く”というニュアンスも含まれますので、本来は、“コスプレ”という言葉はパフォーマンスの意味も含んだ言葉でした」、「海外では、逆に、コスプレパフォーマンスと言わなくても、コスプレ、コスプレイと言えば、みんな動いて遊びます」とも。

「日本は、一時期、コスプレをして動くということがすたれてしまいました。なので、コスプレといっても、日本人がずっとやってきたのは、コスフォトですよね。日本発のコスプレなのに、日本がパフォーマンスにおいては出遅れているなと思います」

 「海外では、写真もメジャーですが、パフォーマンスをするステージも人気で、昔からずっとあるはずです」と話してくれた霜月さんは、「僕がコスプレを始めた頃はコスプレイヤーのためのステージは無かったと記憶しています。僕がコスプレを始めてから1年くらいして、CUREさんというSNSが主催でコスプレファッションショーが始まりました。それから、ウォーキングをするファッションショーに加えて、寸劇などをやるステージが増えました。流行っていると言ってしまうと軽い聞こえ方になってしまうかもしれませんが、コスプレパフォーマンスはここ数年、日本でも流行ってきています。ステージの数はどんどん多くなっています」と日本のコスプレ界の動向を解説。「コスプレパフォーマンスの中には、歌、踊り、殺陣など色々な種類があるのですが、みんなの頭がどんどん柔らかくなってきていて、色々な表現手段を模索してきていますので、今、コスプレパフォーマンスのステージはどんどん面白くなってきています」と声を弾ませた。

 霜月さんは2012年に世界コスプレサミットでチャンピオンになるまでは外国に行ったことがなかったが、コスプレ世界一の栄冠に輝いた後は、「海外のとても大きなアニメやサブカルのイベントなどに招待して頂き、大きなステージを踏ませて頂く機会が増えました」と、自身を取り巻く環境に変化が起きたことを紹介した。

 また、「僕が世界コスプレサミットに出場して経験したことは、22か国の人が名古屋に集結したのですが、会ったこともない外国人と、マンガやアニメという共通の趣味があれば、言葉がなくてもコミュニケーションが取れたということです。同じ作品が好きということを『この作品が好きだよ』、『僕もだよ』とカタコトの英語で伝えて、それだけで仲良くなれました」と世界コスプレサミットでの体験を振り返った。

 今後への期待として、「東京オリンピックへ向けても、“コスプレは国境を超える”という現象がもっと起きてくるといいなと思いますし、今回の『Cool Japan』も国際交流会ですが、その予兆は現れていると思います」と語った。

 インタビューの最後、日本のコスプレイヤーたちへのメッセージをお願いすると、「僕みたいなのがそんな偉そうなことを」と謙遜しつつ、「コスプレは難しく考えずに、プレイして楽しむものです。こだわりを持つのもひとつの楽しみ方ですし、同時に、こだわりを持って突き詰めなければいけないということもありません。10人いれば、10人の楽しみ方がありますので、自分が面白いと思うコスプレをしていってください」と話してくれた。

 この日、霜月さんは、ステージでは、燭台切光忠(刀剣乱舞)のコスプレパフォーマンスを披露した。

 霜月さんがステージに上がると、スクリーンに様々な影が映し出され、霜月さんとの殺陣が始まるというストーリー。スクリーンに映し出される人影も、霜月さん自身が演じており、映像、音響、ストーリーなどはすべて霜月さん自身がアイデアを出して完成させた。ステージに上がる前、「今日は、“コスプレでここまで面白いことができるよ!”というステージを作りました。ぜひ、楽しんで下さい」と笑顔を見せたが、本番では、詰めかけた観衆を圧倒する圧巻のパフォーマンスとなり、終了後は、「メチャメチャ気持ちいいです!」と充実した表情で感想を語った。

 “コスプレパフォーマンス”とは聞き慣れない言葉と感じる人も多いかもしれないが、2020年の東京オリンピックへ向けて、今後、様々な場所で耳にする機会が増えていくかもしれない。ぜひ、注目してみてはいかがだろう。(インタビュー・文=竹内みちまろ)



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