2019年8月21日 2時30分 参照回数:
山村国際高校ダンス部(写真:竹内みちまろ、2019年8月16日、パシフィコ横浜・国立大ホール)
“ダンスタ”の略称で知られる高校ダンス部の日本一を決める大会「第12回日本高校ダンス部選手権 スーパーカップ DANCE STADIUM」の全国大会が2019年8月15日(スモールクラス/2〜12名)と16日(ビッグクラス/13〜40名)に、パシフィコ横浜・国立大ホールにて開催された。15日のスモールクラスでは柳川高等学校(福岡県)が、16日のビッグクラスでは帝塚山学院高等学校が優勝し、高校ダンス部日本一の栄冠を手にした。
インタビュー
2008年から始まった同大会は年々、出場校が増え、今年は、予選を兼ねた地方大会を全国8会場で開催。地方大会には過去最多となる495校がエントリーした。現在、「高校ダンス部ブーム」という言葉も聞こえてくるほどダンス部は人気の部活となっており、特に女子においてはその傾向が強い。
今年のビッグクラスでは、「高校ダンス部ブーム」を受ける形でハイレベルの戦いが繰り広げられた。高校ダンス部の大会では多く言われていることだが、結果を残しているチームにおいては、“ユニゾン(ダンスタの規定では「出場選手の半分以上が同じ振りで踊ること」)は揃っていることが当たり前”というレベルに達している。
そんな中、優勝した帝塚山学院高校は、ユニゾンを揃え、その上で、形や動作やタイミングなどに工夫を凝らし、かつ、ユニゾンを作品のテーマと同調させることで、作品の中に溶け込ませていたように感じた。講評でもユニゾンについての指摘があったが、技術的に文句の付けようがないユニゾン(=ピタリと揃っているということ)であったとしても、何十校も並ぶと多くが同じものに見えてしまうのかもしれない。もちろん規定なので、ユニゾンは“やらなければならない”のだが、“規定で定められているからやっているユニゾン(=審査基準に照らし合わせて技術やチームワークなどを採点してもらうためのユニゾン)”と、“作品を通して何かを表現する際に必要不可欠なパートとして組み込まれているユニゾン(=表現の手段になっているユニゾン)”があるとしたら、後者には、観客に身を乗り出させるだけの力があるように感じた。
また、今大会では、初出場校や、数年ぶりに全国大会に戻ってきた学校が多かった印象を受けた。ダンス部がレベルアップする要因は各校ごとにあるのだろうが、顧問の先生の尽力やコーチの方の指導に加え、学校や、卒業生や、保護者たちのサポートが強いチームは実力を発揮しやすい環境が整っているのかもしれない。「高校ダンス部ブーム」によってダンス部人口が増え、学校サイドや保護者からの関心も高く、無名の学校でも実力を持つチームが結果を残し始めたのだとしたら、いよいよ“戦国時代”の本格的な幕開けか。
そんな中、山村国際高校(埼玉)は、ビッグクラスで3年連続で入賞(ベスト8入り)を達成。関西の強豪校を除くと、唯一の快挙だ。パフォーマンス後(結果発表前)に、「“3年連続ベスト8入り”がかかっていますが、今大会の目標は?」と聞いてみると、「全国優勝です」と即答してくれた。「普段の練習では、前の日よりも、よりよい作品を完成させることを意識して、どんどん上げていくように心掛けています」とも話してくれた。
山村国際高校に話を聞くと、部員の方から「打倒関西」という言葉が普通に出てくるが、目標とモチベーションの高さが、チームとして結果を残し続けている要因のひとつにあるのかもしれない。ぜひ、全国優勝を目指して頑張ってほしい。(竹内みちまろ)
*本記事における写真と動画はすべて大会事務局および顧問の先生の 確認と承諾を得て公開しています。
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