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DCC 2019東京予選、山村国際高校ダンス部が優勝…日大明誠高校&千葉敬愛高校と決勝大会へ進出【DANCE CLUB CHAMPIONSHIP Vol.7】

2019年6月22日 22時00分 参照回数:



山村国際高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)

 「DCC」の略称で知られる「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP Vol.7」(第7回全国高等学校ダンス部選手権)の東京予選が2019年6月16日、日本橋三井ホール(東京・中央区)で開催され、出場した10校が激戦を繰り広げた。

【出場校10校、「」内はテーマ】
・「闘師」(とうぎゅうし)…目黒日本大学高校
・「恋叶」(メルト)…駒澤大学高校
・「時間」(タイム)…日本大学明誠高校
・「踊煌」(サンバ)…豊島岡女子学園高校
・「旗捧」(かくめい)…錦城高校
・「憤怒」(ライジン)…武南高校
・「朱蘭」(アマリリス)…千葉敬愛高校
・「奏狂」(シンフォニー)…山村国際高校
・「五輪」(オリンピック)…日本体育大学荏原高校
・「西域」(ウェッサイ)…埼玉県立杉戸高校

【結果】
・優勝…山村国際高校
(合計:84ポイント/表現力43、技術力25、独創性16)
・準優勝…日本大学明誠高校
(合計:69ポイント/表現力37、技術力18、独創性14)
・3位…千葉敬愛高校
(合計:69ポイント/表現力36、技術力21、独創性12)



優勝インタビュー

 「DCC」は、高校のダンス部(同好会可)もしくは同じ高校の生徒のみで構成されたチーム(10名以上35名以内)が出場でき、漢字二文字のテーマをいかにダンスで表現するかを競う大会。自由な発想を持ち、オリジナル性を追求することが生徒達の心身成長に繋がるとの考えから、審査では、生徒達が自ら考えたテーマをどう表現するのかという「表現力」が最も重視される。次に重視されるのがダンススキルである「技術力」。最後に、審査員が個々に感じたプラスの要素(ファッション要素、エンタメ性、学生らしい明るく元気なパフォーマンスなど)を「独創性」として採点。審査員1人あたり「表現力:10点満点」、「技術力:6点満点」、「独創性:4点満点」の20点満点で、5名の審査員で合計100点満点。

 「DCC」では、昨年は、WEB予選のみで予選大会は開催されなかったが、今年は、WEB予選の他に、東京と大阪で予選大会が開催され、それぞれ上位3校が決勝大会(8月21日/舞浜アンフィシアター)に駒を進める(予選4位以下の学校もWEB予選に参加可能)。

 決勝大会には、予選大会から6校、前回大会の上位3校、WEB予選を通過した27校の合計36校が出場。

【決勝大会出場校(合計:36校)】

シード校:3校
・大阪府立登美丘高校/大阪(前回優勝)
・大阪府立久米田高校/大阪(前回準優勝)
・三重高校/三重(前回3位)

東京予選:3校
・優勝…山村国際高校/埼玉
・準優勝…日本大学明誠高校/山梨
・3位…千葉敬愛高校/千葉

大阪予選:3校
・優勝…同志社香里高校/大阪 「刻韻」(こくいん)
・準優勝…大阪府立柴島高校/大阪 「闘者」(ソルジャー)
・3位…大阪府立三島高校/大阪 「紫炎」(しえん)

WEB予選:上位27校

 今回の予選大会では、得点が各チームのパフォーマンス直後に発表される方式が導入された(フィギュアスケートと同じ方式)。主催者によると、審査の透明性向上を狙ったという。

 東京予選が始まると、まず最初の3校のパフォーマンスが終わった時点で、暫定1位から3位が確定した。4校目からは、得点が発表されると同時に、大スクリーンに表示される3位までの暫定順位が、パフォーマンスを終えた高校の得点によって塗り替えられていくという手に汗を握る展開となった。

 また、合計得点が同点の場合は、表現点が高い方が上位となる。3番目にパフォーマンスをした日本大学明誠高校は69点で暫定1位を走っていたが、7番目にパフォーマンスをした千葉敬愛高校も69点だった。会場にどよめきが走ったが、表現点が高い方が上位になる旨が説明されて、「1位:日本大学明誠高校、2位:千葉敬愛高校」という表示がされると、日本大学明誠高校のメンバーたちから歓声があがった。得点発表のたびに歓声と涙が沸き上がり、会場のボルテージは上がる一方。

 そして、会場が一番沸き上がったのは、千葉敬愛高校の次の演技となった山村国際高校の得点発表。100点満点中84点という高得点で、発表された瞬間、山村国際高校の応援席から大歓声があがり、ステージ上で結果発表を待っていた部員たちも抱き合って喜んだ。

 東京予選の結果は、優勝は山村国際高校、2位は日本大学明誠高校、3位は千葉敬愛高校。

 審査員からは、“指先まで振りが揃っていることが当たり前になってきているので、審査のポイントとしては揃っていることを前提にそこから個性やメッセージ性を見ることになる(今回なら、漢字二文字のテーマと内容がどうリンクしているかなど)。2分半という時間しかないため、衣装などを上手に使えているチームはテーマやメッセージ性が見えてきた”、“振りが揃っていることが前提になってはいるが、ただ振りが揃っているだけではなく、一つの音や、動き、表情などで気持ちが揃っていることが感じられると見ている方はぐっと引き込まれる。インパクトを残すために各チームとも必殺技のようなものを準備してきているが、その必殺技が、本当に必殺技になっているのかを客観的に確認できるとよいのでは”、“せっかくいい構成で、いい衣装で、テーマも設定しているが、それをダンスで見せる大会なので、ダンス技術へのこだわりを持ってほしい”などの講評が出た。

 優勝した山村国際高校は、「満点ではなかったので、そこがすごく悔しいです。私たちの夏は始まったばかりなので、全国大会で100点を出せるように頑張ります」とコメント。2位の日本大学明誠高校は「全国大会でリベンジできるように頑張りたいと思います」と、3位の千葉敬愛高校は「自分たちの改善点や反省点が分かったのでそこを修正して、決勝大会ではもっといい作品を作ることができるように頑張ります」と、意気込みを語った。

 山村国際高校は今回、3年生15人、2年生13人、1年生6人の合計34人で出場。3つの学年でチームを構成して大会に出場することにこだわりを持つ学校で、今年、1年生は27人が入部。現在、部員は合計57人。

 作品については聞いてみると、「ピアノを弾いているところを表現しています。激しく弾いているパートと、優雅に弾いているパートで、しっかり自分たちで“音を奏でる”ことを意識しました。歌詞がなく、ピアノだけを使っているので、曲に表現を乗せることに最後の最後まで苦戦しました」と話してくれた。

 どんな心境で大会に臨んだかを尋ねると、「朝にコーチの先生から、誰か1人でも不安な人がいたら結果はついてこない、という言葉を頂いたので、全員が自信を持ってパフォーマンスできるように、アップのときから自信を持って、緊張している人が声をかけたりなど、お互いにコミュニケーションを持って臨みました」

 「DCC」の決勝大会では関西の学校が圧倒的な強さを誇っているが、「満点を取ることができるように練習して、全国の舞台でしっかり満点を取って優勝したいと思います。東京代表として、しっかり関西の学校と闘って、打倒関西で頑張ります」と意気込みを言葉にした。今回は100点満点中84点だったが、のこりの16点をどう埋めるかを質問すると、「全員で作品に対するイメージを高めて、それぞれのスキルアップも目指して、練習をしていきたいです」と答えてくれた。

 「夏は始まったばかり」と話していたが、山村国際高校ダンス部は、春に行われた大会では、「マイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION 2019」(全日本高校生ダンス部コンペティション)の関東予選(3月16日)で優勝の日本大学明誠高校につぐ2位だった。同大会では、予選の優勝校だけが決勝大会に駒を進めることができたため、山村国際高校ダンス部は同大会の決勝大会(4月21日/両国国技館)には出場することができなかった。

 山村国際高校ダンス部は春に悔しい想いをしたようだが、今回は、春とは違う作品で衣装も一新して出場。足踏みをしてしまったらその時点ですぐに修正に取りかかり、不安要素を取り除いたうえで、闘える状態に仕上げて次の大会に臨むという、バックアップ体制を含めた総合力でも他のチームに水を分けていたように感じた。部員の方々をはじめ、保護者の方々、卒業生の方々、学校関係者の方々、部活関係者の方々、地域の方々などが一丸となってもぎ取った優勝といえるか。

 長距離の移動や宿泊をしなければそもそも全国大会に出場できない西の強豪は有無を言わさずバックアップ体制を固めて総合力を高めることを強いられているが、その西の強豪と対等に闘うために、関東の学校も、技術やメンタルに加えて、総合力でもチーム力アップを図っているのだとしたら、群雄割拠の時代に突入するのかもしれない。(竹内みちまろ)

*本記事では、動画と静止画を、大会事務局および各校の顧問の先生の確認・承諾を得て公開しています。



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山村国際高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



山村国際高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



山村国際高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



日本大学明誠ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



日本大学明誠高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



千葉敬愛高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



千葉敬愛高校ダンス部(写真::竹内みちまろ、2019年6月16日、日本橋三井ホールにて)



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