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(302)鷲尾義久

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登場人物:鷲尾義久、武蔵坊弁慶、源義経

 搦め手の鵯越(ひよどりごえ)に回った源義経率いる3000騎の別動隊は、老馬を先に追い立てて山道を分け入り、陣を取りました。

 そこで、義経部下の武蔵坊弁慶が、一人の老人を連れてきました。義経が「どうした」と尋ねると、弁慶は「この老翁はこの山の猟師なので、山に詳しいです」と答えました。義経は「それなら、これから平家の城郭・一の谷へなだれ込もうと思いが、どうだ」と猟師に問いました。猟師は、「それは無理です。30丈(約900メートル)の谷、15丈(約450メートル)の岩場は、人間がたやすく通れるところではありません。その上、城内では、落とし穴を堀り、菱を植えて待ち受けています。まして、馬など通れるはずがありません」と答えました。

 すると義経は、「さて、そのような場所、鹿は通るか」と尋ねました。老翁の答えは「鹿は通ります。温かくなれば、雪の浅い場所で草を食べようと、丹波の鹿は播磨の印南野へ行きます」。

 義経は、「それでは馬場と同じではないか。鹿の通るところを、馬が通れないわけがない。それならすぐにお前、案内せよ」と告げました。しかし、老猟師は「この身は年老いて、かないません」と告げました。義経は続けて「さて、お前に子はあるか」と尋ねると、「います」といって、熊王という18歳の小冠を連れてきました。

 義経はすぐに、熊王を元服させ、父が鷲尾庄司武久でしたので、鷲尾三郎義久と名乗らせました。義経は鷲尾義久を先導に連れて行きました。

 この鷲尾義久こそ、平家が滅び、源氏の世になった後、義経が兄の源頼朝と仲たがいし、奥州へ下った際、鷲尾三郎義久と名乗り、義経と同じ場所で死んだ強者です。

(2012年1月20日)


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