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(262)平清経

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登場人物:原田種直、山賀秀遠、平清経

 平家一行を迎えるために、兵藤次・山賀秀遠が数千騎で来ました。大夫・原田種直は2000騎で都から平家に従っていた者でしたが、種直は秀遠と犬猿の仲でした。種直は、自分がいては悪いことになるだろうと思い、平家一門の供の路から引き返しました。

 平家一門はさらに、進みました。蘆屋の津という所を過ぎる時に、「ここは、われらが都から福原へ通った時に、朝夕に見慣れた里と同じ名前だ」と、どの里よりも懐かしく思え、今更、あわれを催しました。平家はそのまま、新羅・百済・高麗・契丹の雲のはて、海の終わりまでも落ち行くのかと思われましたが、波風が強くてどうにもならず、秀遠に連れられ、山賀城に籠りました。

 しかし、山賀城にも敵が攻め寄せてくるとうわさされましたので、取る物も取らず、小舟に乗り、夜通しかかって、豊後の国の柳が浦(北九州市の西浦、大里の海岸)に渡りました。平家はここを都と定めて内裏を造ろうと詮議しましたが、場所が狭くて、財力もないので、実行できませんでした。また、長門の国(山口県)から源氏が攻め寄せてくるとうわさされたので、取る物も取らず、再び、漁師たちの小舟を召し上げ、海に浮かびました。

 時候は10月。平重盛の3男・平清経は、何事にも深く思い入れる性格でした。ある月夜、船端に出て、横笛を吹き、朗詠し、遊びましたが、「都は源氏に攻め落とされ、九州では緒方惟義に追い出され、網にかかった魚のようだ。どこへ行こうとも逃れられない。命を流らえるべき身でもない」と、静かに経をよみ、念仏を唱え、海に入りました。男女が皆哀しみましたが、どうにもなりません。

(2012年1月7日)


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