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ミニシアター通信平家物語 > (215)しわがれ声

(215)しわがれ声

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登場人物:城助長

 そうしているうちに、越後の国の住人・城助長が、越後の守に任ぜられました。朝恩に報いるために、木曽追討の兵をあげ、3万騎で信濃の国へ向かうことになりました。

 治承5年(1181年)6月15日、準備を整え、いざ出発という夜半、突然に空が曇り、おびただしい雷が鳴り、大雨が降りました。空が晴れてから、虚空にしわがれ声で「東大寺大仏殿の金銅16丈(約49メートル)の廬舎那仏を焼き滅ぼした平家に味方するものがここにいる。よって、召し取ってしまえ」と、3回叫んで通り過ぎました。

 城助長はじめ、しわがれ声を聞いたものは皆、身の毛がよだちました。郎党たちは、「これほど恐ろしい天の御告げがあったのだから、今は、理をまげて出発を中止しよう」と言いました。しかし、「弓矢取る身が、そんなわけにはいかない」と、軍勢を出しました。しかし、わずか20町(約2.2キロメートル)ばかり行った所で、再び、一郡れの黒雲がやってきて、城助長の上に覆いかぶさったと思ったら、城助長はたちまち身がすくみ、意識を失って、落馬してしまいました。城助長は輿に乗せられて屋敷に帰りました。3時間ほど伏せたのち、死んでしまいました。飛脚でそのことを都へ伝えたので、平家の人々は大いに恐れ、騒ぎました。

(2011年12月23日)


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