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舞羽美海&十碧れいや、元宝塚歌劇団の同期生が重婚の2人の妻役で共演【ロンドンコメディ「Run for your Wife」インタビュー】

2020年2月14日 参照回数:



十碧れいや、舞羽美海(写真:竹内みちまろ、都内にて)

 重婚を隠して暮らし、ウソにウソを重ねて右往左往する男と2人の妻のドタバタを描くロンドンコメディ「Run for your Wife」。2019年7月公演の大好評を受け、2020年3月に東京・三越劇場にて再演される(3月11日~15日)。

 主人公のタクシー運転手・ジョンは前回に引き続き俳優の山本一慶が担当。注目の2人の妻役を、宝塚歌劇団で同期生だった舞羽美海(まいはね・みみ)と十碧れいや(とあ・れいや)が演じる。

 舞羽と十碧は、2005年に宝塚音楽学校に入学(93期生)し、2007年に宝塚歌劇団に入団。お披露目公演では同じステージに立ち、舞羽は娘役として、十碧は男役として活躍。お披露目公演以降は、別々の組に所属し、共演することなく、舞羽は2012年に、十碧は2018年に退団した。

 今回、2007年のお披露目公演以来で、芝居としては初めての共演となる舞羽と十碧にインタビューを行い、同作にかける意気込みを聞いた。

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-舞羽さんは妻のメアリーを演じられますが、役柄にどのような印象を持っているのかを教えてください。

舞羽:メアリーは、純粋にダンナさまを愛しているのですが、愛の深さゆえに感情を出す場面が多いです。なので、感情の出し方を色々と考えていきたいと思います。また、メアリーは、感情を言葉にすることができる女性なので、あふれ出てしまうものを大切にしたいなと思います。愛するがゆえに暴走してしまうところもあるので、演じるのが楽しみです。

-ご自身の性格はメアリーと似ていますか?

舞羽:私は普段、怒らないし、思ったことをその場で言うタイプではないので、今回は体力が必要になるなと思っています。私とまったく違うからこそ、やりがいがあります。また、若い女性のヒステリーではなく、オトナの女としての感情を出したいなと思います。

-今作で挑戦があるとしたら、それは何ですか?

舞羽:今までこんなにテンポのいい会話劇はやったことがないかもしれません。作品を選んでいるわけではないのですが、コメディ作品の経験が少なくて。去年の舞台を観せて頂いたのですが、めちゃめちゃおもしろかったです。セリフのタイミングなど緻密に計算された台本をしっかり読み込んで、その上で繊細に、かつ大胆に演じたいと思います。

-十碧さんは、バーバラにどんな印象を持っていますか?

十碧:バーバラからは、ジョンを愛している気持ちをすごく感じます。バーバラは、マイペースな女性だなと思っていて、そこは自分に似ていると思います。人を疑わないところも自分と似ていると感じます。ただ、バーバラにはオトナっぽいセクシーな部分があるのですが、それはこれまで持ち合わせていなかったので、色々と研究しなきゃなと思っています(笑)

-“女性役”は何回目ですか?

十碧:今回が退団後、3回目の“女性役”です。宝塚歌劇団では、男役でも女性役をやることはあるのですが、私は、お芝居では1回も“女性役”は回ってこなかったです。

-“女性役”は慣れましたか?

十碧:徐々に……という感じです(笑) 今まで、男役をやるときは「男になる!」というスイッチを入れていたのですね。そうしないと、“男”になれなかったので。ただ、退団後、舞台で初めて女性の役をやらせて頂いた際、稽古のときに、「あなた、作ろうとしているよね。何か“入れている”でしょ。そんなことをしなくても、あなたは女性なんだから、そのときの感情で立っているだけでいい。何かを作ろうとしていることが、すごく邪魔をしている」と言われました。女性の役は、男役とは違うのだと思いました。

-立ち振る舞いの面ではどうですか?

十碧:心情の部分では、男でも女でも共通する部分があるので、そこに関しては、自分の感情も使いつつ男役をやっていました。ただ、仕草や立ち振る舞いなど外見的なものは、完全に作り込まないと無理でした。そうしないと、男に見えないので。今は、「大股で歩くな!」とよく注意されます(笑) 実は、「エレガンスマナーインストラクター」という資格を取りました。立ち方から、モノを落としたときの拾い方など、エレガントな女性の仕草を学ぶことができました。

-今作で挑戦があるとしたら、それは何ですか?

十碧:バーバラには、私が今まで一度もやったことがない“男性を誘うシーン”があるので、そこに注目して頂けたらなと思います。

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-芝居での共演は初めてになるとのことですが、お2人は、会うのは何年ぶりになるのですか?

舞羽:私が退団したとき以来なので、7年ぶりです。音楽学校もクラスが別で、宝塚歌劇団では組が別だったのでなかなか話す機会もなかったのですが、「2人の妻役はこの2人でいきます」と聞いたときに、「れなとだったなら嬉しいな」と思いました。

十碧:私も、みっちぃと一緒で嬉しかった!

-2005年に宝塚音楽学校に入学したときの第一印象は?

十碧:みっちぃは、めっちゃかわいいと思いました。なんでこんなに整っているのだろうと。すっぴんでお化粧もしていないのに、「このかわいさは何なのだろう」と思いました。

舞羽:れなは、顔だちも華やかだし、背が高くて、スタイルがよくて、モデルさんみたいだなと思いました。

-十碧さんは、当時は身長がどれくらいあったのですか?

十碧:今、175センチなのですが、入学した高校2年生のときは173センチでした。男役になると決めていたので、入学式では髪は長かったのですが、すぐに短く切りました。

-今回、7年ぶりに会って、印象は変わりましたか?

舞羽:それが不思議なのですが、本当に「何も変わっていない」と思いました。7年、会っていなかったことが信じられないくらいです。音楽学校時代の濃い2年間や初舞台をともに過ごしていたので、どれだけ時間が空いても、すぐに同期生に戻ることができました。

十碧:それは宝塚歌劇団特有なのかもしれません。会えば何もなかったかのように“とき”が戻りますし、上級生で共演したことがなかったり、ほぼ初対面になる方にお会いしても、すぐに受け入れてもらえます。宝塚歌劇団の伝統ともいえますが、ありがたいことだなと思います。

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-2020年にプライベートでやってみたいことはありますか?

舞羽:ずっと言い続けているのですが、バンジージャンプをやりたいです。スカイダイビングはやったことがあるのですが、バンジージャンプはまだなくて。理想は海外で、すてきな景色を見ながらやりたいです。

十碧:やってみたいことは色々あるのですが、お料理をぜんぜんしないので、ちょっとずつお料理が出来るようになったらと思います。実は今、ナチュラルフードコーディネーターの資格取得に向けて勉強を進めています。

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-公演を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

舞羽:同期生と共演することはなかなかないので、楽しみたいです。舞台に登場する女性は私たち2人だけなのですが、舞台の上で、お互いの色で思いっきり花を開かせたいなと思います。

十碧:退団したときは「舞台はもう、お腹いっぱい」と思いましたし、「女優なんてできない」とも感じていたのですが、やり始めたら、自分は舞台に立つことが好きなのだなと再確認しました。今年も、色んな役に出会わせて頂けるので、色んな分野の色んな役に挑戦してみたいと思います。今作では、今までとはまったく違う役をやらせて頂きます。私が最初に舞台に登場したときに、みなさん、恐らく「えっ!?」と驚くと思いますし、アダルトな一面もあります。ぜひ、“新しい私”を観てほしいなと思います。




十碧れいや、舞羽美海(写真:竹内みちまろ、都内にて)


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