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日本高校ダンス部選手権公式選抜大会が開催、光ヶ丘女子・帝塚山学院・堺西はじめ30校が圧巻の演技で魅了

2019年11月5日 

 2019年11月4日、「第1回日本高校ダンス部選手権公式選抜大会 グランプリ決定戦」が横浜アリーナにて開催された。

 今回が初開催となる同大会には、日本高校ダンス部選手権の直近3大会で優秀な成績をおさめ、同大会を主催するストリートダンス協会推薦により選抜された全国のダンス強豪校30校が出場。2019年の年間王者を 決定づける「高校ダンス部頂上決戦」となる大会だ。

 さまざまな高校生を対象としたダンスコンテストが存在する中でも、同大会は演技時間を 2分〜2分30 秒までとし、出演人数を2名以上で上限設定をせず、「ダンスの創造力を追及する」ことがテーマ。部員のチームワー クやユニゾン(揃えて踊る)といったベーシックな要素はすべてクリアしているものとみなされ、芸術性やエンターテイメント性といった審査基準のもと強豪校たちがしのぎを削りあう、高校ダンス部史上最大スケールの大会。

 審査委員長であるストリートダンス協会専務理事の栗原めぐみをはじめ、世界的に活躍するストリート系ダンサー植木豪そしてKITE、バレエ界からは竹田純、AKB48を初めとする振付を手掛ける振付師の牧野アンナらダンスシーンを代表する面々、さらにデザイナーの山本寛斎、女優の三吉彩花という豪華なジャッジ陣が参加。

 さらに会場が横浜アリーナというのも規格外であり、日本が世界に誇るダンサー勢が出演するゲストパフォーマンスも目玉といえる。

 安東弘樹、堀田真由の司会進行により進められた本選では、ヒップホップを中心としたストリート系ダンスからコンテンポラリーやモダンダンスなどさまざまなジャンルのパフォーマンスが繰り広げられた。

 通常ならば 3 年生が引退しているタイミングであるこの大会に最後の勝負を賭けて参加した高校の生徒たちなど、パフォーマンス後のインタビューでは思わず涙してしまう場面も。

 審査員からは、体の使い方に目を向けてアドバイスをした竹田、構成や演出などを丁寧にチェックしていた植木や KITE、生徒を温かく指導するように言葉をかける牧野など、全員からさまざまな形の叱咤激励の声が飛んでいた。

 ゲストパフォーマ―に、まず審査員でもある植木豪プロデュースの公演『WASABEATS』から飛び出したユニット・BREAK FREE(読み:ブレイクフリー)が登場。ヒューマンビートボックスとのコラボによるブレイキンが炸裂。ダイナミックな体の使い方や超絶技巧の応酬に大歓声が上がった。

 続いてはやはり審査員でもあるKITEが参加するUltimate Crew(読み:ウルティメイトクルー)が登場。 RADIO FISHで活躍するFISHBOYらを含むPOPPIN’CREWだが、本大会ではPOPを踊っていた学校も多く、縦横無尽な技を繰り出す8人へ客席から熱いまなざしが注がれていた。

 ゲストのトリには、昨日の『27 時間テレビ』(フジテレビ系)で各地の高校ダンス部とのコラボを繰り広げた、 s**t kingz(読み:シットキングス)が登場。クールなパフォーマンスのイメージが強いが、ここではハードなロックテイストのナンバーにのせ、ギターソロに合わせて各人がソロを踊るなど、パッション溢れるパフォーマンスでアリーナ全体を魅了した。

 厳正なる審査の結果、映えある初代グランプリに輝いたのは光ヶ丘女子高等学校(愛知県)。ストリート系のパフォーマンスが多い中、民族音楽にのせてコンテンポラリー風の情熱的なダンスを披露。ダンス部の枠を超えてダンスカンパニーばりの気迫を感じさせる演技に、審査員の山本寛斎も「クールに感情を抑えて拝見しようと 思っていたが、見ていて興奮が止まらなかった」と、その完成度の高さや美しさを絶賛した。

 そして準グランプリを獲得したのは帝塚山学院高等学校。「核に負けない人間の強さ」をテーマにしたパフォーマンスにはリフトやアクロバティックな技なども盛り込まれ、ダイナミックな演技で魅了した。審査員の竹田純は「限界以上の体の使い方をしていると感じた」と評価。同校はこの日の「視聴者賞」 (U-NEXT ライブ配信 の視聴者投票によるもの)、会場の観客投票による「オーディエンス賞」(会場の観客投票によるもの)も獲得し トリプル受賞となった。

 3位は「旋律」をテーマに高速ユニゾンなどレベルの高さを見せつけた大阪府立堺西高等学校。審査員の植木 は「審査員も『おぉ!』と唸るほど、意表をつく構成がすばらしかった」と評価した。

 その他の受賞は以下の通りとなった。

横浜市長賞=山村国際高等学校(埼玉県)
ストリートダンス協会賞=桜丘高等学校(愛知県)

 最後に審査委員長の栗原から「初めての選抜大会ということで、みなさんどのように戦えばいいのか?と試行錯誤されたのではないかと感じました。試行錯誤した結果、得られた力がみなさんの作品力を底上げして、みなさん自身の成長にもつながったのではないかと思います。これからも後輩の皆さんにその熱いスピリットと各校のハイレベルなパフォーマンスを伝えていって、唯一無二のダンスをこれからも続けていってもらえたら」と総評を述べ、初の試みが満載となった同大会が締めくくられた。

【囲み取材登壇者コメント】

<グランプリ校> 光ヶ丘女子高等学校・多賀茉彩希(たがまさき)部長(16歳・2年生)「今日までOGの先輩方や家族、友達などほんとうにたくさんの方に支えていただいてここまで来ることができました。仲間と一緒に頑張ってきたすべてを出しきって光ヶ丘らしい色で会場全体を染めることができたので、グランプリを獲れて嬉しく思っています」

<準グランプリ校> 帝塚山学院高等学校・森本純生(もりもとあつみ)キャプテン(18歳・3年生) 「グランプリには一歩及ばなかったのですが、準グランプリというすばらしい賞をいただいて、とても光栄に思います。そして今まで私たちが作品についてたくさん悩んだり、話し合いながら作品を作り上げていったことが 見ているみなさんにも伝わったと感じて、それもとても嬉しかったです」

【第1回日本高校ダンス部選手権公式選抜大会 グランプリ決定戦】
出場校数:30校(出場順はオープニングで抽選を行い決定)
上宮高等学校、大阪府立柴島高等学校、大阪府立久米田高等学校、大阪府立堺西高等学校、大阪府立泉陽高等学校、大阪府立東百舌鳥高等学校、大阪府立箕面高等学校、神奈川県立市ケ尾高等学校、神奈川県立川崎北高等学 校、神奈川県立百合丘高等学校、京都府立山城高等学校、群馬県立伊勢崎清明高等学校、駒澤大学高等学校、 桜丘高等学校、樟蔭高等学校、精華女子高等学校、千葉敬愛高等学校、鎮西高等学校、帝塚山学院高等学校、 東京都立狛江高等学校、同志社香里高等学校、奈良市立一条高等学校、二松學舍大学附属高等学校、初芝立命館高等学校、光ヶ丘女子高等学校、三重高等学校、目黒日本大学高等学校、山村学園高等学校、山村国際高等学校、 横浜創英高等学校(五十音順)

出演者数=963 名

出場資格:
・直近の日本高校ダンス部選手権3大会で優秀な成績を収めた学校(対象の大会:2018 年冬の公式大会、2019 年春の公式大会、2019 年夏の公式全国大会)
・ストリートダンス協会が推薦する学校 (推薦内容:近年の日本高校ダンス部選手権の結果や連続出場などを考慮して推薦)

【結果】
グランプリ:愛知・光ヶ丘女子高等学校
準グランプリ:大阪・帝塚山学院高等学校
第3位:大阪・大阪府立堺西高等学校
オーディエンス賞:大阪・帝塚山学院高等学校
視聴者賞:大阪・帝塚山学院高等学校
ストリートダンス協会賞:愛知・桜丘高等学校
横浜市長賞:埼玉・山村国際高等学校
NIKE賞:東京・駒澤大学高等学校
G-SHOCK賞:三重・三重高等学校


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