2015年8月8日に本店が入るミツワビル(東京都千代田区外神田1−11−4)の5階に新店舗をオープンした東京・秋葉原の老舗メイドカフェ「@ほぉ〜むカフェ」。@ほぉ〜むカフェはこの夏に創業11周年を迎え、新店舗は、増え続ける女性客のために“お姫様ルーム”のイメージで内装が整えられている。
@ほぉ〜むカフェの創設期から現在に至るまでメイドさんとして活躍し、2005年に「萌え〜」でユーキャンの新語・流行語大賞を受賞したメイドユニット・完全メイド宣言のメンバーでもあるhitomiに、この10年間でメイドカフェを取り巻く環境がどう変わったのかを振り返ってもらい、“メイドカフェ文化”の現状と今後について、話を聞いた。
hitomiは、「10年前は“メイドカフェ=コアな場所”でした。秋葉原自体が“コアな場所”でもありました」と振り返った。「その後、秋葉原のブーム、萌えのブーム、メイドカフェのブームなどが何回かありました。ブームをキッカケにして、観光客の方や、海外の方が増えました。現在は、東京オリンピックの開催も決定し、さらに増え続けています」と秋葉原の現在の様子を紹介。
そんな中、hitomi自身は、メイドさんとして海外に行く機会も多いという。「メキシコやロシアをはじめ、イベントで4か国くらいに行かせてもらいました。どこの国に行ってもメイドカフェがあって、私たちのようにメイド服を着たメイドさんたちがご奉仕するというお店がありました。外国には、メイドカフェを好きだと思ってくれている方がたくさんいます。かわいいと感じてくれる方もたくさんいて、メイドカフェを自分で開店している方もいます。メイドのコスプレを楽しんでくれている方もいます」と、海外で“メイドカフェ文化”や“メイド文化”が浸透しているエピソードを語った。
「この10年間やってきたことが、日本だけではなくて海外にも発信されているということはとても嬉しいです。もちろん私たちだけでできたことではありません。秋葉原と一緒に盛り上げて来たんだなと実感してきます」
hitomiは、“メイドカフェ文化”をさらに発信して行きたいと意欲を燃やす。
「海外の方はメイドを日本の独特の文化として捉え、すごく興味を持ってくれています。でも、インターネットで調べても、ある程度の情報しか得ることができないというのが現状です。なので、私が少しでも興味を持ってくれている方たちがいる海外の場所に行くなどして、メイドカフェというものを、日本の文化として、海外に発信していきたいと思います」
一方で、国内でも、メイドカフェをテレビや新聞で目にしたことはあるものの、利用したことがないという人が多いことも予想される。秋葉原のメイドカフェは、ビルの中にあったり、外から見える場所にあったとしても窓にカーテンが掛かっているなどして中の様子が分からない店舗も多く、初めての人が気軽に入ることができる雰囲気とはいえない面もある。
「メイドカフェを入りやすい場所にするという点では、メイドが外に出ていくよりは、お店をオープンにした方がいいなと思っています。色々な都合があってのことなのですが、今は、メイドカフェはビルの中に入っていることが多いです。初めての人や、お店のことを知らない人には、ビルの中というだけで敷居が高くなってしまうのかなと思います」と話す。
「例えば、ガラス張りのオープンなメイドカフェなどができたらいいなと思います」と語るhitomiは、「これまで、メイドカフェに来る方の中には、メイドカフェを利用する姿をあまり見られたくないという方も多かったです。“メイドカフェ=コアな世界”というイメージがありましたので、人目を忍ぶ傾向もありました。でも、@ほぉ〜むカフェでは、家族連れの方、女性の方、海外の方も多く来店して下さっています」とメイドカフェへの思いを言葉にした。
続けて、「メイドカフェはこういう場所なんだよということをもっとよく知ってもらうことが必要だと思います。もっとよく知ってもらうためには、店内を実際に見てもらうことが大事になると思います。そのためにも、オープンな店舗ができたらいいなと思っています」と期待を膨らませた。
「@ほぉ〜むカフェでは、1階の入り口を、もっと入りやすいように、オープンな空間にできたらいいなと考えています。近い未来に実現させたいです」と具体的な構想があるとも取れる言葉も出た。
メイドカフェに興味があるものの入ったことがないという人へ、「メイドカフェは敷居が高いなと感じている方もいるかもしれませんが、私たちメイドはおもてなしのプロとしてお店に立っていますので、心配する必要はまったくありません。メイドカフェを、日本の新たなおもてなしとして、そして、新しい文化として受け入れてもらえたら嬉しいです。受け入れて頂くためには、まずは体験してもらうことが大切だと思いますので、ぜひ、秋葉原に来て、@ほぉ〜むカフェを楽しんでほしいなと思ます」とメッセージを送った。(インタビュー・文=竹内みちまろ)
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