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ユニドル優勝のTomboys☆(東洋大学)、なぜ強い?

2017年2月20日 13時40分 参照回数:


Tomboys☆

Tomboys☆ (撮影:竹内みちまろ、2017年2月16日、新木場STUDIO COASTにて)



 女子学生によるアイドルコピーダンスパフォーマンスの日本一を決定する「UNIDOL2016-17 Winter」の決勝戦が2017年2月16日、新木場Studio Coastにて開催され、東洋大学朝霞キャンパスのダンスサークル「Tomboys☆」が全国優勝に輝いた。

 2012年に第1回大会が行われたUNIDOL(ユニドル)は、近年は夏と冬という年に2回の全国大会が開催されるスケジュールで定着している。9回目の開催となった今回は、史上初めて全国5都市で予選大会を実施。関東39チーム、関西12チーム、東海7チーム、九州6チーム、北海道8チームの58大学72チームが参加し、13チームが決勝戦へ駒を進めた。当日決定した敗者復活戦の勝者2チームと、スペシャル枠の1チームを加えた16チームが8分間の持ち時間を使って熱戦を繰り広げた。

 2010年設立のTomboys☆は、メンバーが全員、東洋大学の学生で、川越キャンパス・白山キャンパスのメンバーを含めて20名以上で活動している。今回の決勝戦には、1年生から4年生までの有志メンバー16名で出場。Tomboys☆は1年前の冬大会となる「UNIDOL2015-16 Winter」にて初優勝を飾っており、2度目の栄冠となった。

 2016年秋に行われた新人戦「UNIDOL2016 Fresh WEST」でも優勝しており、向かうところ敵無しのTomboys☆だが、強さの秘密はどこにあるのか。決勝戦当日、会場でメンバー6人に話を聞いた(4年生、3期、かすみん/4年生、3期、しおりん/4年生、3期、のんちゃん/2年生、5期、かっか/2年生、5期、ちゃんるみ/1年生、6期、えりか)。

−Tomboys☆は初出場の第4回大会(2014年夏)で3位入賞し、優勝を狙った第5回大会(2015年冬)も大人数を揃えたパワフルなパフォーマンスで存在感を発揮しました。3回目の出場となった第6回大会では関東予選を11名(当時3年生6人、2年生5人)で突破し、本選には9名(当時3年生2人、2年生4人、1年生3人)で臨みましたが、第6回大会の本選を迎えたときの心境は?

かすみん:1番上の学年が私ともう1人しかいなくて、不安が大きかったです。

しおりん:私がダンスリーダーをやらせてもらっているのですが、あの時は実習と重なって出場することができませんでした。予選だけ出場できるケースはあったりするのですが、どうしても出場することができないときは他の子に任せることになり、全部を通してダンスリーダーとして責任を持って見れないことが悔しいです。

のんちゃん:予選は出場できたのですが、本選は出場できませんでした。出場できないと分かったときは、めちゃくちゃ悔しかったです。どうにかして出ようと考えたのですが、どうにもできませんでした。本選は、その時に出場できたメンバーをサポートしようと思いました。

−本選出場を見合わせようとは思わなかった?

かすみん:そういう気持ちはまったく無かったです。出場できるメンバーで出ようという思いがありました。予選にはいなかった1年生のメンバーを本選では加えて、予選とは違う形のTomboys☆として出ようと思い、あの夏は取り組みました。

−当時1年生で出場したときの気持ちは?

かっか:学祭も出ていなかったので、本当の初ステージでした。予選は見に行った側でした。先輩たちがキラキラしていて、こんなすごいステージに私たちが出てもいいのかなという思いが大きかったです。ダンス初心者でしたので、まだそれほど上手に踊ることはできないと思っていましたし、先輩たちが掴んだ本選のステージに、こんな私が出てもいいのかなという気持ちがすごく大きかったです。それでも、「いっしょに頑張ろうよ」と優しく声を掛けて下さり、出場することになりました。私は本当に、最初はステップも踏めませんでした。「本当に、出てもいいのかな?」と思いながら、1か月、毎日練習をしました。

−当時の1年生の目から、人数が揃わない中、頑張っている先輩たちの背中を見てどう思った?

ちゃんるみ:引っ張ってくれる先輩だったので、心強いなと思いました。私も本当に不安だったのですが、いけないところを全て指摘してくれて、そのうえで、「大丈夫だよ。頑張ろう」と言って下さって、それで「頑張って直さなきゃ」と思いました。自信を持って踊れるようになって先輩たちに付いていこうと思いました。

−第6回大会の本選に出場してチームとして成長した?

かすみん:私の中では、すごく成長できたなと思っています。メンバー自身の個々の技術やチームとしてのレベルアップもそうなのですが、あの大会では、入賞することができなくて、そこでの悔しい気持ちが、次の大会の優勝に繋がりました。出場できないメンバーや、OGである先輩方、いつも応援して下さる方々があの時は本当に支えて下さりました。

−それで第7回大会での優勝に繋がったわけですが、第7回大会の関東予選では、ステージに、いきなり巨大な箱を持って来ましたね。

かすみん:あれですか(笑) 私達は「踊るおもちゃ箱〜愛と希望を弾ませて〜」をコンセプトに活動しています。色々な個性が集まっているという意味を込めているのですが、あのときはタオルを回す曲をやりました。曲の中で使ったタオルを投げたりするのではなくて、パフォーマンスのひとつとしてテーマを持ってきれいに仕舞おうと思いました。実は、あのおもちゃ箱は、本番の3日前に作ったのです(笑)

のんちゃん:本当はタオルを持ったままはける予定だったのですが、「それだと微妙だよね」という話になって、どうしようと考えた結果、「回しながらタオルを仕舞うおもちゃ箱を作ろう」ということになりました(笑)

−おもちゃ箱を作ってコンセプトが明確化した?

しおりん:「おもちゃ箱」というコンセプトはその前からあり、言葉では伝えていたのですが、みなさんにしっかりと伝わってはいませんでした。あのときに、実際に、目に見える大きなおもちゃ箱を作ったことで、コンセプトが伝わったのではないかなと思います(笑)

−2015-16の冬大会で優勝して、周りからの反応は変わりましたか?

かすみん・しおりん・のんちゃん:「日本一のチームなんだね、すごいことやっているのだね」と言われるようになりました。ユニドルを知らない人からも「すごい活動をしているのだね」と言ってもらえるようになりました。

−現在の1年生のえりかさんは、ユニドルの大会出場は何回目?

えりか:本大会は夏に続いて2回目です。学祭やフレッシュ大会にも出場しています。

−ここまでユニドルの大会に出場してみた感想を

えりか:最初は、アイドルのことがぜんぜん分からなくて、でもダンスをやりたくて、先輩たちの雰囲気を見てTomboys☆に入りたいと思いました。「ユニドルの大会に出ない?」と誘われた時に、ひとつの経験として出場しておいた方がいいなと思いまして、夏の本選に出場しました。結果は残せなかったのですが、フレッシュ大会のときは、その悔しさがありましたし、先輩達を超えたいという気持ちもありました。8人で上手く踊ることができて優勝することができました。

えりか:今回、出るとなったときに、すごく迷いました。去年の冬大会の優勝チームがまた冬大会に出るということで、すごくプレッシャーもありました。でも、この先輩たちがいたから出ようと思いました。ここまで数回しかステージを踏んでいませんが、Tomboys☆に入っていたからステージに立てたし、今の自分があるのだなと思います。

 ***

 辞書で「Tomboy」を引くと「おてんば娘」と出てくるが、ステージ上のTomboys☆は、弾けるパフォーマンスで観客を魅了する。しかし、インタビューに応えてくれた6人は気さくで礼儀正しい普通の女の子。4年生の3人は、来月には大学を卒業し、4月からは保育業界などそれぞれの道で働き始めるそうだ。

 柔道であれば先に相手を倒せば勝てるし、サッカーなら相手のゴールを破って自陣のゴールを守れば勝てるのだが、ユニドルはフィギュアスケートやシンクロナイズドスイミング等と同じように点数を相対的に競うコンテスト。ユニドルでの戦いは、突き詰めれば、自分との戦いとなるようにも思える。

 仮に、そういった戦いに臨むに当たって頼りになるのは「経験」と「自信」であるとするならば、メンバーが揃わずに不安が大きい中でも出場を続けていればいつか道が開けることをチームとして結果を伴って経験している(=「成功体験」として蓄積している)Tomboys☆は強いのだろうし、あきらめずに戦う姿を後輩たちに見せていることも見逃せない。悔しさが大きい分、勝負を掛ける大会に対する集中力がすごい。「このチームにいる限り私は輝ける!」という自信は、運をも呼び寄せる。SPH mellmuse(上智大学)を除くと、ディフェンディングチャンピオン不在の大会が続く中、優勝チームとしてのプレッシャーと戦い続けている経験でも優勝未経験チームの追従を許さない。

 Tomboys☆はメンバーの学部や専攻のカリキュラムの関係で、どうしても、どの大会にも多くのメンバーで出場できるというチームではないそうだが、一度、ユニドル最多優勝チームのCopia(明治大学)と、共に最高の状態で、「結局どっちが強いのか?」をガチで決めてほしいという(勝手な)希望はあるものの、今大会のTomboys☆のパフォーマンスは際立っていたように見えた。(竹内みちまろ)


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