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ICUメルティングぽっと、ユニドルは「ダンスが上手ければ勝てると思っていました」

2016年9月3日 1時20分 参照回数:


ICUメルティングぽっと

ICUメルティングぽっと (写真:竹内みちまろ、2016年8月30日、新木場Studio Coastにて)


 2012年から始まった女子大生によるアイドルコピーダンスサークル日本一を決定する「UNIDOL」(ユニドル)が盛り上がりを見せている。2016年8月30日には、「UNIDOL2016 Summer supported by スマートライフ」の決勝戦と敗者復活戦が2000名以上を収容できる都内最大級のライブハウス・新木場Studio Coastにて開催され、熱戦を繰り広げた。

 女子大生たちがステージ上で日本のアイドルのコピーダンスを行い、優勝サークルを決定するユニドル。その魅力がどこにあり、出場サークルはどんなことを考えながらステージに立っているのか。

 「UNIDOL2016 Summer supported by スマートライフ」の会場にて、敗者復活戦に出場した「ICUメルティングぽっと」(国際基督教大学)のメンバーに、敗者復活戦のパフォーマンス終了後、話を聞いた。

 “メルぽ”の愛称で親しまれる「ICUメルティングぽっと」は、メンバー全員が国際基督教大学の学部生によって構成されている。中学と高校時代をアメリカで過ごしたキャプテンの「いずみん」(1年生/18歳/帰国子女のため国際基督教大学には2015年9月に入学)が立ち上げたサークル「アイドル文化研究会」の中にあるチームだ。

 「ICUメルティングぽっと」の結成は2015年のクリスマスの頃で、「ICUには、K-POPや洋楽などのダンスをするサークルがたくさんあるのですが、私達は日本独自のアイドル文化としてダンスを踊りたいという気持ちがありました。その気持ちをシェアして、ユニドルに出場するためにICUメルティングぽっとをゼロから立ち上げました」という。小さな頃からアイドルが好きだった「いずみん」は、「高校生の時にユニドルのステージの動画をYouTubeで見つけて、そこから憧れていました。大学生になったらユニドルをしてみたいと思っていました」と笑顔を見せた。

 「ICUメルティングぽっと」は、ユニドルでは、2016年6月15日に開催された関東予選の3日目で初ステージを経験した。「いずみん」は、「“メルティングぽっと”は世界中の文化や人種が集まっているという意味なのですが、世界中の人たちを“ぽっ”とさせるという意味も込められています」と紹介。

 3日間に渡り開催された関東予選では、各日ごとに審査員票と観客投票を合わせた総合順位が発表され、3位までのサークルが決勝戦に進出することができた。「ICUメルティングぽっと」は予選3日目の総合順位5位(審査員票2位、観客投票7位)という結果に終わった。

 敗者復活戦でのパフォーマンス終了後、「ICUメルティングぽっと」のメンバーたちに、フリートーク形式で「関東予選出場前に、ユニドルにどんな印象を持っていた?」と尋ねると、「振りコピの大会だと思っていました」、「ダンスが上手ければ勝てると思っていました」などの言葉が返ってきた。「そうしたら、ユニドルはダンスだけの大会ではありませんでした。出場してみてはじめて分かりました。それが予選での私達の敗因です」、「ダンスだけでは勝てないと悟りました」とも。

 「ユニドルで総合順位を上げるには何が必要だと思った?」の質問には、「コンセプトがしっかりしていること」、「アイドル性」、「かわいらしさ」、「適度に頑張っているところを見せることも必要なのかな」、「自分たちがステージの上で楽しむのではなく、お客さんと一緒に楽しんでユニドルなのだと思いました」などと思いを聞かせてくれた。

 メンバーたちは、敗者復活戦のステージには、予選での反省を踏まえ、「会場との一体感を意識しました」という。「衣装もグローバル性を意識しました。ひとりひとりがアメリカだったり、フランスだったり、イギリスだったりを表現しています。衣装をひと目見て、ICUメルティングぽっとというコンセプトを出したかったので、可視化できるようにしました」とも。

 「ICUメルティングぽっと」は、持ち時間が短い敗者復活戦のステージでは、衣装でコンセプトを表し、楽曲では、ファンにダンスや一体感を心おきなく楽しんでもらえるお馴染みのナンバーをセレクト。暗転させたステージ上でシルエットを見せることからパフォーマンスに入り、最後は全員で手を繋いであいさつをするという、今大会で優勝した明治大学の「Copia」や優勝経験チームである上智大学の「SPH mellmuse」が新木場Studio Coastクラスの大ステージで開催される決勝大会で用いることが多い手法を試みた。結果、決勝大会に勝ち進むことはできなかったものの、「ICUメルティングぽっと」のパフォーマンスはユニドルファンに受け入れられ、大きな声援を浴びた。

 今回の大会で8回目を迎えたユニドルだが、まだまだ始まったばかりで、どのチームも試行錯誤しながらしのぎを削っているように見える。何がよくてどうあるべきかということに対してはそれぞれの出演者がそれぞれの思いを胸に秘めているのであろうが、ユニドルには「これだ!」という「正解」がないのかもしれない。誤解を恐れずに言えば、出演者たちがステージ上で痛い思いをしながら学んだことだけが「正解」と言えるのであろう。

 コンテストでは、失敗から学び、目標を達成するために精神面も含めて軌道修正することができるチームは、回を追うごとにパフォーマンスの精度があがる。やるべきことをやるために、やりたいことや、できることを捨てることができるチームは強い。

 そういった、チームの進化や成長を見守ることができる点も、ユニドルの魅力のひとつなのかもしれない。(竹内みちまろ)

【敗者復活戦を終えた心境】

いずみん(1年生、18歳、キャプテン):予選落ちをしてしまって悔しい思いをしました。7月、8月とみんなで練習をしてきましたので、今は、ほっとしている気持ちと清々しい気持ちでいっぱいです。いつも応援して下さってありがとうございます。この敗者復活戦では私達の全力をお見せできたと思います。これからも応援をよろしくお願いします。

まゆしぃ(3年生、20歳):関東予選で飲んだ悔し涙をバネにしてこれまで努力してきました。絶対に勝ち上がってやるのだという熱い思いをぶつけて完全燃焼したつもりですので、今は凄く清々しい気持ちです。

りなぴょん(3年生、21歳):夏休み中だったため、関東予選の時よりも全員が揃う機会が少なかったのですが、心をひとつにして、やりきったという気持ちが大きいです。みんなと一緒にステージに立てて幸せだし、感謝したいなと思っています。

ゆーか(2年生、19歳):人前で踊ることはめったにないので、みんなに支えられてここまで頑張ってこれたし、楽しかったし、本当によかったなと思います。

ひろみーる(2年生、19歳):(今回で引退する3年生がいるため)この10人で踊れる本選が最初で最後でしたので、踊っている最中も色々なことを思い出して、何とも言えない気持ちになりました。ユニドルって特別な大会だなと思いました。大学生が青春できる場所をもらえて有難かったです。

りさぴ(2年生、19歳):この夏をかけて努力をしてきたのですが、ステージに立ってみて、私達の努力の結果って、ただ自分たちが踊る楽しさを感じるだけではなくて、ステージから見た景色なのだなと思いました。お客さんがめちゃくちゃはじけていて、色んな人に元気になってもらえたのだなと思いました。仕事や勉強など人生には色々と大変なことがあるのですが、それを忘れるくらいの楽しさがお客さんから伝わってきましたので、ステージに立ってよかったなと思いました。

ゆかち(3年生、20歳):結成から携わっているのですが、大学の中にはアイドルが好きな人が少なくて、最初はメンバーが3人くらいしかいませんでした。今は10人も集まりました。みんなで予選に出て、今回の敗者復活戦にも出場することができたことは凄いなと思いました。ステージに立った時に、長かったなという気持ちもありましたし、やり切ったという気持ちもありました。とても楽しかったです。

ゆきりん(3年生、19歳):このメンバーでユニドルに向けて頑張ることができて本当に幸せでした。

しーたん(3年生、21歳):6月の予選で初出場だったのですが5位という順位を頂き、夏休みの間に、ファンの方から期待されていることを感じました。私達には、期待外れにならない責任があると思いました。それは絶対に越えなければならないパフォーマンスのレベルだと意識して練習をしました。そのうえで、狙っているのは優勝なので、期待を越えるパフォーマンスをしなければならないと思いました。本番のステージはやり切ったなと思います。

りりぃ(1年生):6月から入った新メンバーで関東予選には出場しておらず、今回が初めての出場でした。予選の時は、先輩方のステージを一番前で観ていました。本当にキラキラしていて、そんな舞台に自分が出演者として立てることが嬉しくて、本当に楽しいステージでした。まだまだ先輩には及ばないのですが、これからも存在感を出して頑張っていきたいと思います。




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