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ミニシアター通信平家物語 > (23)西光の讒言

(23)西光の讒言

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 遠流となり、いったんは流刑地の伊豆へ向けて出発した前天台座主・明雲ですが、おしよせた比叡山延暦寺の大衆の勢いに負けて、山に連れ戻されたことが語られました。ここからまた、不穏な動きに発展します。

 そうこうしているうちに、山門の大衆が前座主・明雲を取り返したことを聞き知り、後白河法皇は苦々しく思っていました。そこに西光法師が、「昔から山門の大衆が無理やりの訴えを起こすことは珍しいことではありませんでしたが、今後のことはもってのほかで、許しがたい。よくよくお取り計らいなさるべきです。こんなことを許していたら、世は乱れ放題になってしまいます」と奏上しました。まさにわが身が滅びようとしていることも顧みず、山王大師の神慮もはばからず、このように進言して法皇の心を悩ますとは、まさに讒臣は国を乱すと言わざるを得ません。『叢蘭(そうらん)茂からんとすれども、秋の風これを破り、讒臣これを闇(くろ)うすとも、かようの事をや申すべき』とは、まことにこのことでしょう。

 後白河法皇が新大納言・藤原成親卿以下の近習の者たちへ命じて山門を攻めるといううわさが立つと、大衆は、王地に生まれ、王命にたびたびそむくのも恐れ多いため、心の内では院宣に従う衆徒もいるなどと聞こえ、南谷の妙光坊にいる前座主・明雲は、大衆が2つに分かれていると聞き知り、「これはどのような憂き目に遭うのだろうか」と心細げに口にしました。しかし、再び、流罪の沙汰はありませんでした。

(2011年10月8日)


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