2014年の夏に活動を開始したアイドルグループが、アイドルファンの間で話題となっている。
そのグループとは、ハコイリムスメ。女優のレッスンを受けていた13歳から16歳まで(当時)の7名の少女が「アイドルグループとしてデビューすること」との課題を与えられ、結成されたグループだ。
ハコイリムスメは、秋葉原を代表するアイドル専用劇場・AKIBAカルチャーズ劇場で開催されたデビュー前の新人アイドル発掘企画「デビュー直前アイドル5組新人公演 〜真夏のシンデレラたち〜」(新人公演/7月21日から8月29日まで)で、他の4組と共に日替わりで合計6回の公演を行った。総合得点で2位となり、この秋、AKIBAカルチャーズ劇場で月に1回の定期公演を行う権利を獲得した(ハコイリムスメの初回公演は10月25日)。
ハコイリムスメは僅か19ポイント差で「シンデレラユニット」(1位)には選出されなかったものの、何色にも染まっていない純真無垢な7名の少女たちが「アイドルとは何か?」を学びながら、成長してく姿が、ファンの心を掴んだ。
ハコイリムスメへの加入と同時に芸能活動をスタートさせた菅沼もにか(14歳/中2)にとっては、新人公演が行われた2014年の夏が忘れられない夏になったようだ。
ハコイリムスメでの活動と同時に、菅沼は、ガールズ演劇カンパニー・アリスインプロジェクトの8月公演「エデンの空に降りゆく星唄」(8月13日〜17日/品川・六行会ホール)で舞台女優デビューも果たしている。アリスインプロジェクトの11月公演「戦国降臨ガール・ReBirth」(11月29日〜11月3日/品川・六行会ホール)にも出演。さらに、映画「ひ・き・こ降臨」(11月29日〜12月4日/シネ・リーブル池袋にて)でのスクリーンデビューも決定している。
菅沼の芸能活動への道はスカウトから始まった。今年4月、都内の映画館に友人と映画「アナと雪の女王」を見に行った帰りに、声を掛けられたのだ。それまでは、バスケットボールに打ち込む部活少女で、ファッション雑誌を見ることは好きだったものの、お化粧をしたことは一度もなく、食べて、走って、筋トレという生活を繰り返していた。アイドルはテレビのスクリーンを通して眺めるもので、自分が芸能活動を始めるなど、自身も、周りの人間たちも、誰一人、想像すらしていなかったという。
菅沼はどんな少女なのか。「戦国降臨ガール・ReBirth」のパンフレット撮影が行われたスタジオで、話を聞いた。(インタビュー・文=竹内みちまろ/取材協力=アリスインプロジェクト)
−スカウトされた際、どう思った?
びっくりしました。自分が芸能活動をするなど考えたこともありませんでしたので。でも、スカウトの後に、面接があると言われました。私は極度のあがり症なのですが、お母さんに相談したら、「事務所の面接で色々な方とお話することに少しでも慣れることができたらいいね」と言われ、面接に行ってみることにしました。「何がなんでも、アイドルになるんだ!」というような気持ちはまったくなくて、あがり症を治すために面接に行ってみたという感じです。
−ハコイリムスメが初仕事?
そうです。夏の新人公演が始まる前にハコイリムスメのメンバーと会ったのですが、私以外のメンバーはすでに芸能活動をしていて、事務所のレッスンで顔を合わせていたようです。私は事務所のレッスンにもまだ参加していなかったので、誰も知りませんでした。みんな知り合いなんだなと思いつつ、話しかけづらいなと思って、おとなしくしていました。
−不安だった?
はい。私はダンスも、歌も、やったことがなくて、ハコイリムスメのメンバーの中で、一人だけ、できないことが多くて、どうしようという気持ちばかりでした。
1回目のハコイリムスメのレッスンのときに、一人だけ振りが分からなくて、でも分からないと言えなくて、一人だけ置いていかれました。家に帰ってから、他の子はできているから、聞けばいいのだと思って、まずは聞くことから始めました。
−どんなふうに?
自分がアイドルをやることになったときに、他のアイドルの方の動画を色々と見ました。年齢とかが違くても、みんなタメ口で色んなことを言い合って、ファンの方はその様子を見て笑っていました。なので、芸歴とかもぜんぜん違うけどハコイリムスメというグループでは同じ立場なのだと思って、本当は敬わなきゃいけないなと思いながらも、わざと友達みたいな感じでフレンドリーに声を掛けてみました。でも、実は、周りのみんなの反応が怖かった面もあります。
−みんなの反応は?
みんな、普通に、友達みたいに返してくれました。それまでは、ありちゃん(門前亜里・かどまえあり/高2)は、名前も呼べずに、「あの、ねーねー」という感じで話していたのですが、思い切って、「ありちゃん!」と呼んでみました。そうしたら、「もにー!」って言って、友達みたいに返してくれました。それから、打ち解けて仲良くなりました。
−アイドルにはどんなイメージを持っていた?
かわいいけど体を張っているなと思っていました。アイドルさんがやっている中で一番印象に残っているのが「顔面パイ」です。パイを顔に投げられるやつです。そんなの本当は嫌じゃないですか。だけどみんな、それを笑いにしているから、アイドルって、歌って、踊るだけじゃなく、そういうこともするんだと思っていました。
−実際にアイドルとして活動を始めてみて、どうだった?
新人公演が始まった当初は、ハコイリムスメは、本当にボロボロでした。でも、2回目くらいからみんなの気持ちが変わって、もっとお客さんに来てほしいとか、もっと歌もダンスも上手になってみんなの前に立ちたいと、お互いに言うようになりました。
本番のステージで、みなさんの前で歌うと、みなさんが笑顔になってくださるので、この笑顔をもっと笑顔にしたいと思いました。それには練習するしかないと思い、みんなで、自主的に練習をするようになりました。学校も違ったりと、みんなでスケジュールを合わせることが大変なのですが、それでもみんなで集まって練習したり、カラオケに行ったりするようになりました。
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