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バクステ七海とろろ「アイドルはプロの職業」…誰でも成れるわけじゃない!

2016年5月14日 1時40分 参照回数:


七海とろろ

七海とろろ (提供写真)


 舞台・HIROSE PROJECT LIVE vol.20「アシタボシ〜明日行きの列車は今宵、満天の星の海を〜」が2016年5月25日から29日まで、神奈川・川崎市のラゾーナ川崎プラザソルにて上演される。個性的なキャラクターたちがパワフルに織り成す全6話のオムニバス・ストーリーで、たくさん笑えて、ちょっぴり切ない、子どもから大人まで楽しめるジュブナイル・エンターテイメントだ。

 同作で注目は、Wキャストの「チーム星」にて主役の空野リンを演じる七海とろろ(23)。空野リンは人気急上昇中のアイドルグループのセンターで、七海自身も、東京・秋葉原のアイドル育成型エンターテインメントカフェ「AKIHABARAバックステージpass」(バクステ)のキャストで構成されるアイドルグループ「バクステ外神田一丁目」のメンバーとして活躍している。

 七海に、同作に掛ける意気込みと、アイドルの極意を聞いた。

 七海は、「AKIHABARAバックステージpass」の1期生で、舞台出演は同作で10回目。

 「アシタボシ」では、アイドルグループたちが歌って、踊る場面もある。「空野リンちゃんは、5人組のユニットの中にいるのですが、センターの役なのです。バクステだと私は1列目の端で盛り上げたりすることが多く、センターに収まるという経験は初めてで、最初、違和感がありました。でも、みんながフォーメーション移動をする中で、自分1人だけセンターに居続けるというのが新鮮です」と同作に参加して思わぬ体験をしているエピソードを語った。

 「リンちゃんは、同じアイドルなのですが私とはぜんぜん違って、正統派タイプです」という。「でも、空野リンとして生きていく姿が、七海とろろとしての人生に繋がる部分が多いので、お芝居の時間の中でそれを投影し、観て下さる方が少しでも感じ取ってくれたらいいなと思います」と見所を紹介。

 「今までの舞台では、キャリアも、年齢も、下から数えた方が早かったのですが、今回は自分が引っ張っていかなければいけない現場だなと感じています」と意気込み十分の様子だ。

 七海は、もともと役者志望だった。バクステに入る前には2年間、声優の養成所に通った。声優としての芝居や、吹替え、ナレーションなどにも魅力を感じたものの、「それ以上に自分の全身を使ってお芝居をする方が今の自分に合っているのではないかなという気持ちを持っていました」と回顧。「18歳、19歳のころ、働きながら役者も目指すことができ、アイドルをやってみたいという憧れも持っていましたので、『これしかない!』と思ってバクステに入りました」と経緯を紹介した。

 こうしてアイドルとしてのキャリアをスタートさせた七海だが、「最初の1、2年は、右も左も分からず、苦戦しました」と苦笑い。歌とダンスは未経験で、外見に自信がなく、プライドは高かったという。

 「バクステのオーディションのときは、人数がたくさんいましたので、普通のことをしても勝ち残れないのではないかと思い、オタ芸をしました。それで合格したのだと思います(笑)」、「入店してからも最初のころはずっとオタ芸ばかりをやっていました。みんなも『オタ芸をやっている賑やかな奴』という感じで、アイドルというよりはお笑い芸人を目指しているのかなという印象だったと思います」と振り返った。

 続けて、「でも、『それでもいいから記憶に残らないと消えてしまうのではないか』という気持ちで、がむしゃらにやっていました。歌って、踊って、キラキラしたいという気持ちはもちろんありましたし、認めてもらいたいとか、愛されたいという気持ちもある中で、バランスがうまく取れませんでした」と苦しかった時代の心境を告白。

 バクステでは、ファン投票によってランキングが付けられる。「最初は本当にピリピリしていました。休憩中もみんな、同じ空間にいながらずっとランキングを更新しながら見ていました。『また順位が1つ下がった』と言って泣いちゃう子もいたりと、すごくシビアでした」という。「私は、順位をいちいち気にするのはカッコ悪いと思っていたので、『気にしていません!』というふりをしていました。それで、家に帰ってから傷付いたり。初めの頃は自分の存在価値をランキングの順位でしか感じられなかったので」とも。

 毎月結果が発表されるランキングで初めて表彰されたのは「9か月目か10か月目くらいで、すごく遅かったんです」とのこと。「それでも、ランキングなんかぜんぜん気にしていないふりを続けながら、他の子と違うことをするために、毎日賑やかなことばかりをしていました。今、思えは、『よく頑張ったな、自分!』という感じです(笑)」と笑顔を見せた。

 そんな七海に「アイドルのミッションとは何?」と聞いてみた。

 「私は魂だと思います。アイドルは、ただ歌い、踊ればよいわけではありません。熱い気持ちを持っていても、がむしゃらにただ伝えようとするだけでは自己満足になってしまいます。観て下さる人たちあってこその自分たちなので、そこを分かったうえで、どれだけ感謝の気持ちを持ちながら目の前のパフォーマンスに向き合えるのか、だと思います」と目を輝かせた。

 続けて、「もちろん、外見上のかわいさも大事なのですが、かわいさだけではダメだと思います。アイドルは、そのかわいさを存分にみんなに届けるために、陰でもの凄い努力をしています。何も考えなくてもダンスが踊れちゃうくらいに練習しないと、ステージで色んな人と視線を合わせたり、手を振ったりという余裕は生まれてきませんし、歌をいっぱい練習しないと歌唱に精一杯になってしまって笑顔になれません」とアイドルの陰の努力に言及。

 「アイドルは、しっかり土台を作ったからこそ人に笑顔を届けられる1人の表現者になれるのだと思います。魂と魂のぶつかり合いではないのですけれど、アイドルがそこまでやってはじめて、お客様が思わず手拍子をしたくなったり、掛け声をしたくなったりして下さり、いい汗をかいて、『明日も頑張れる!』と言って下さるのだと思います」

 「もしかしたら、『アイドルって誰でも成れて、ただ歌って踊るだけで、とりあえずかわいければそれでいいんでしょ』と思っている人もいるのかもしれませんが、それだけでは収まらないドラマがあって、そこがアイドルの奥深さなのかなと思います。アイドルはプロの職業です。プロフェッショナルですので、アイドルに成ったら成ったで、そこはスタート地点でしかありませんし」と熱く語った。

 アイドルとして、役者として、表現者として、七海とろろがどう成長していくのかに注目したい。

(インタビュー・文=竹内みちまろ)

【HIROSE PROJECT LIVE vol.20「アシタボシ〜明日行きの列車は今宵、満天の星の海を〜」】

会場:ラゾーナ川崎プラザソル(川崎市幸区堀川町72-1ラゾーナ川崎プラザ5F)
日程:5月25日(水)〜 5月29日(日)
作・演出:ヒロセヤスタカ


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