2019年3月15日 22時10分 参照回数:
出演者たち(撮影:竹内みちまろ)
お笑い芸人の若井おさむが座長を務める「劇団アニメ座」の新プロジェクト第2弾「劇団アニメ座ハイブリッド〜めぐりあい・舞台〜」が、2019年3月21日から3月26日まで、東京・渋谷の「CBGKシブゲキ!!」にて上演される(全7公演)。
2018年4月に第1弾公演を行った「劇団アニメ座ハイブリッド」は、アニメキャラクターのモノマネを得意とする芸人たちのユニット「劇団アニメ座」に俳優たちが加わった舞台作品。第2弾でも、芸人では、若井座長、脚本と演出も担当する天津の向をはじめ、キャベツ確認中、石川ことみ、こりゃめでてーな伊藤、セブンbyセブン玉城、R藤本、桜 稲垣早希、ガーリィレコード、アイデンティティが出演。俳優では、陳内将、久保田秀敏、寿里、井深克彦、富永勇也がレギュラー出演し、ゲスト出演は溝口琢矢(3/23、24のみ出演)。それぞれの分野で活躍し、生き様(?)もまったく違う芸人と俳優の化学反応が、新しいエンタテインメントを生み出す。
「〜めぐりあい・舞台〜」と副題を付けられた今作。「ヤマトジャポネ」という日本の江戸時代そっくりの星が舞台だ。俳優陣は、剣に生きる男たちを演じ、アニメキャラクターたちに扮する「アニメ座」のメンバーたちが、「ヤマトジャポネ」にたどり着くことで、ストーリーが展開する。
「〜めぐりあい・舞台〜」の開幕を前に、若井座長、天津・向、陳内将、久保田秀敏、寿里、井深克彦、富永勇也にインタビューを行った。昨今、芸人と俳優の垣根がなくなりつつあり、俳優が芸人としてお笑いに挑戦したり、芸人が俳優として映画に出演するケースも多く見かける。が、芸人として舞台に立つ芸人と、俳優として舞台に立つ俳優が、同じステージの上でひとつの作品を作り上げるケースは少ないだろう。そんな中、新しい試みとして登場した。「劇団アニメ座ハイブリッド」の醍醐味について話を聞いた。
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―前回の手応えからお願いします。
若井座長:前回は、“目からうろこ”くらいのことがありました。それまで、我々アニメ座は、いってしまえば、芸人だけで、“アニメごっこ”みたいなコメディをやっていました。そこに役者の方が入ることによって、「舞台になったな」と感じました。
役者の方の振る舞いで驚いたことのひとつに、“動き”があります。僕ら芸人たちは、棒立ちでセリフを言うだけというくらいの感じだったのですが、役者の方たちは、人と人との距離感だったり、『この人がこう動くから、自分はこう動くのだ』という呼吸を考えていました。セリフがない部分での動きなども、教えてもらいました。役者の方からすれば、それは当たり前のことなのかもしれませんが、僕たち芸人からしたら驚きの連続です。たくさんのことを勉強させて頂きました。
―第2弾となる今作「〜めぐりあい・舞台〜」では、第1弾よりも、さらに進化した舞台が出来上がりそうですね。
向:役者の方にとっての舞台は、完成した脚本が存在して、演出家の意図があり、そのうえで稽古をするものだと思います。ただ、アニメ座は、舞台の作り方として、途中でどんどん意見をもらって、内容もどんどん変えていく方法でやりたいです。なので、現時点での内容と、実際に上演される内容、さらに、初日と千秋楽の内容では、変わっている可能性があります。お芝居のところを役者さんにしっかりと演じて頂き、そのうえで、お客さんに笑って頂けるものにしたいなと思っています。あと、今回は、“棒立ちでしゃべらない芸人”を観てください(笑)
―芸人と役者では、そもそも、舞台に立つまでの過程を含めて、舞台上でやることに違いがあるようですね。第1弾にレギュラー出演された寿里さんは、役者と芸人の違いをどう感じましたか。
寿里:芸人さんは“短時間集中型”といいますか、稽古中は、本質を出さないと感じました。ただ、板に立ってからの集中力はみなさん恐ろしかったです。芸人さんは、自由に生きているように見えましたし、それはすごいことだと思います。“芝居をしていて自由に見える”というのは役者にとっての課題でもあり、そうなりたいという願望でもあります。学ぶことが多かったです。
―前回、ゲスト出演された井深さんは、どう感じましたか?
井深克彦:1日だけの出演だったのですが、芸人さんたちとひとつの作品を作りあげる現場に入らせてもらい、役者と芸人の“仕事の仕方の違い”とでもいうものを感じました。僕たち役者は、何週間もしっかりと稽古をして、決められたセリフをしっかり練習するということをやっているのですが、芸人さんたちは、瞬発力や、アドリブ力や、度胸などがものすごいなと思いました。本当に羨ましいです。
寿里:井深さんは、日替わりゲストだったのですが、実は、ゲストというポジションでは考えられないくらいのセリフ量でした。
井深克彦:そうなんです。尋常じゃない量のセリフが数日前に来て、「カンペみたいなもの、ありますか?」と聞いたら、「なしで」と言われました。それで、ひと悶着ありました(笑)
でも、芸人さんたちは、そういうときもすぐに覚えて舞台に立つという話を聞きました。お笑いの方たちは、そもそも頭がよくて、それで面白くやっているのだなということが目からうろこでした。今は、芸人の方たちを尊敬しています。
役者としては“稽古したことをやること”に慣れていたのですが、芸人さんがみんな、面白いことを生み出す能力がすごくて、よくなるようにというアドリブをたくさん取り入れてきたので、まったく同じ公演がひとつもなかったです。毎回、新鮮でした。前回、たくさんのことを勉強させて頂いたので、今回も、学ばせて頂きます。
―初参加となる、陳内さん、久保田さん、富永さんは、楽しみにしていることは?
陳内:楽しみなのは、“飲みニュケーション”です。先日、顔合わせがあったのですが、あいさつのときから、芸人さんたちは面白すぎました。最初に芸人さんたちのあいさつがあって、その次に俳優たちのあいさつだったのですが、「では、俳優のみなさん、お願いします!」と言われたときに絶望感が漂いました(笑) 「せめて、逆にしてくれよ!」と(笑)
向:芸人も普通のあいさつでいいのに、みんな気合いを入れちゃってました(笑)
陳内:あいさつも含めて、芸人のみなさんとおしゃべりをしている中で、僕にも“掴みの必殺技”みたいなものができたらいいなと思っています。
向:役者さんたちも、“笑いを取る方”もすぐに分かってくださると思います。前回も、稽古中に、寿里さんが「こうした方がよいのではないでしょうか?」と提案してくださりました。僕らは大感激でした。
寿里:補足なのですが、僕がしたのは、笑いについてではなく、あくまでも芝居的な観点からの提案です。芸人さんたちが色々な角度から攻められますし、そこが「ハイブリット」の面白いところなのですが、役者として考えた場合、「お芝居としてお客さんに観て頂く際に、こうした方がお客さんに分かりやすいのでは」と感じたことがありました。そこを提案させて頂きました。決して、「この方が面白いだろう!」ということではありませんので、誤解のないようにお願いします(笑)
富永勇也:お笑い芸人さんと一緒に作品を作るのは初めてなので、どうなるのか、今の段階では想像ができないのですが、僕も、“飲みにケーション”がすごく楽しみです。僕の周りでは、普段、役者と飲むとき、芝居の話をあまりしないのです。ですが、さきほど楽屋でお話を聞いたら、前回、稽古が終わったあとに、作品の話を6時間ずっとしていたそうです。そういうお話が出来ることも楽しみにしています。
また、脚本の読み合わせをしていて、芸人さんは、どのセリフも面白いなと感じました。突っ込みだったり、間(ま)だったり。そのつど笑いながら、さすがだなと感じていました。
久保田秀敏:最近、芸人さんと役者の垣根がない仕事が増えてきました。僕も、芸人さんと一緒にお仕事をさせて頂く機会が多いです。今回も、相乗効果で面白いものが出来たらいいなと思っています。
ただ、僕ら役者もついつい笑いを取りに行こうとしてしまいがちなのですね。でも、役者はお笑いの基本的なことを知らないので、そこは役者としての役割をまっとうして、作品のスパイスになれたらと思っています。
個人的に楽しみなのは、実は、僕にも、アムロ・レイのモノマネが、個人的なレパートリーとしてあり、「アムロ・レイのモノマネをする若井おさむさんのモノマネ」をやっています。
ご本人を目の前にして、恐縮なのです、今ここで、やってみたいと思います
「殴ったね。オヤジにもぶたれたことないのに」(アムロ・レイのセリフのひとつ)
一同:おお〜!(拍手)
向:久保田さんがそんなレパートリーを持っていたとは知らなかったです。
―第2弾では、久保田さんの活躍も楽しみですね。最後に、「劇団アニメ座ハイブリッド〜めぐりあい・舞台〜」を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
寿里:「めぐりあい、舞台」という副題が気になります(笑) ぜひ、劇場に来て色々なことを目撃して頂ければ嬉しいなと思います
井深克彦:今回も参加することが出来て嬉しいです。僕たちも楽しみながら出演します。お客様もそれを観て、楽しんで頂けたらと思います
久保田秀敏:初参加なのですが、アムロ・レイの衣装をもらえるようにがんばりたいと思います!
富永勇也:僕も今回、初参加なのですが、先輩方も多いので、いいところをたくさん吸収したいなと思っています。全力で楽しんで公演に臨んでいきたいなと思っています。
陳内将:読み合わせですでに思ったのですが、芸人さんは“居かた”が異なるといいますか。僕らは役者として役になってお芝居をするのですが、若井さんは、普段もアムロで生きていらっしゃいます。そういうところでも、観たことがないものをお客様に観てもらえるのだなと思います。そのピースのひとつになれるようにがんばります。
若井座長:今まで舞台をたくさん観て来られた方、お笑いをたくさん観て来られた方は「ああ、こんな感じになるのだろうな」と何となく想像されると思います。が、その想像を超えたはるかに超えて、観に来た方が、それこそ目からうろこになるようなものができあがると思っています。みなさんがハードルを上げても大丈夫だと自負していますので、楽しみに観に来て頂けたらと思います。
向:役者さんと芸人さんは、それぞれで舞台に立っているとはいえ、ルールが違います。その中で、役者さんと芸人さんが一緒になったときに、最大公約数の小さな数字を取りに行くのではなく、お互いの最小公倍数の大きな数字を舞台で生むことが第1回はできました。今回もできると思います。ぜひ、今まで観たことがないエンタメの舞台を体感して頂けたらと思っています。
役者一同:かっこいい。“大きな数字”、真似しよう!
【「劇団アニメ座ハイブリッド 〜めぐりあい・舞台〜」】
場所:CBGK シブゲキ!!(東京・渋谷)
出演:若井おさむ、天津向、キャベツ確認中、石川ことみ、こりゃめでてーな伊藤、セブンbyセブン玉城、R藤本、桜 稲垣早希、アイデンティティ、陳内将、久保田秀敏、寿里、井深克彦、富永勇也
ゲスト出演:溝口琢矢(3/23、24のみ出演)
日程:
2019年3月21日(木祝)17:00公演
2019年3月22日(金)19:00公演
2019年3月23日(土)(1)13:00公演/(2)17:00公演
2019年3月24日(日)18:30公演
2019年3月25日(月)19:00公演
2019年3月26日(火)17:00公演
※石川ことみ:3/21(木祝)公演の出演はございません。
※こりゃめでてーな伊藤:3/25(月)公演の出演はございません。
※アイデンティティ:3/21(木祝)、25(月)、26(火)公演のみ出演します。
公演詳細 → 公式HPにて
(取材対象者の方のお名前の表記に一部、間違いがございましたので、修正させて頂きました。謹んでお詫び申し上げます。ミニシアター通信編集部/2019年3月16日13:00)
→ 寿里、田中稔彦、眞嶋秀斗、溝口琢矢、井深克彦ら若手俳優が劇団アニメ座とコラボ「劇団アニメ座ハイブリッド」
→ 寿里、田中稔彦、眞嶋秀斗、溝口琢矢、井深克彦ら若手俳優が劇団アニメ座とコラボ「劇団アニメ座ハイブリッド」
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