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治承3年(1179年、史実は翌年か)5月12日の午(うま)の刻くらい(正午ころ)に、京中に、非常に強いつむじ風(=塵旋風/じんせんぷう、渦巻き状に立ち上がる強風、突風。旋風、辻風とも)が吹きました。たくさんの家屋が崩壊しました。
つむじ風は、東西の中御門(なかみかど)通りと、都の東端の京極通りとが交わる辺りで起きました。坤(ひつじさる、西南)の方へ向かい、棟門・平門の作りの家々を吹き抜け、4、5町から10町(約440メートルから1100メートル)ほど進みました。
つむじ風が通ると、建物の桁(けた)、長押(なげし)、柱などが空に巻き上げられ、家に貼り付けてなどしていたヒノキの皮や、屋根の板などは、さながら、木枯らしに巻かれる木の葉のようでした。ひどく鳴りよどむ音は、かの地獄の業風(悪風)でもここまではすさまじくないと思えるほど。
家を失うだけでなく、命も失った人が多く、牛馬などの家畜は、数えきれないほど死にました。
「これはただ事ではない。占いをしてみるべきだ」ということになり、神祇官にて執り行われました。神祇官と、そして、太政官の北の中務省の東隣にあった天文暦を司る役所・陰陽寮での占いの結果はどちらも、「これから100日のうち、高禄の大臣は謹慎するべき。別しては、天下の大事が起こるだろう。仏法・王法が共に傾き、合わせて、天下に戦乱が続くだろう」というものでした。
(2011年11月7日)
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