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そうしているうちに、後白河法皇は三井寺座主・公顕(こうけん)僧正を、受戒の阿闍梨である御師範として、真言の秘宝を伝授されました。大日経、金剛頂経、蘇恣地公羯羅経の3部の秘教を受け、9月4日に、三井寺にて、受戒の時に水を頭頂に灌(そそ)ぐ厳重な秘宝である御灌頂が行われるといわれました。
山門の大衆は怒り、言いました。
「昔より、御灌頂の御受戒は皆、当山にて遂げることになっている。ましてや、山王権現が当山に化導を垂れて、強化し導いているのは、受戒・灌頂のためである。それなのに、三井寺にてなさるというのなら、三井寺を一切、焼き払ってしまおう」
後白河法皇は「そうなっては無益になってしまう」と、受戒灌頂の修行を取りやめて、御灌頂を中止しました。しかし、本意だからと、公顕僧正を連れて天王寺へ行き、五智光院を建て、境内の井戸を、灌頂の時に受者の頂に灌ぐ香水を盛った五箇の水瓶である五瓶の智水と定め、仏教最初の霊地にて、伝法灌頂を遂げられました。
(2011年10月17日)
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