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(288)河原合戦

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登場人物:源義仲、越後中太家光、那波広純

 宇治橋、勢田橋が破られたので、源義仲は、最期のいとまごいをしようと、院の御所・六条西洞院に駆け付けました。しかし、義仲は門前まで来て、さして述べる言葉もなく、とって返しました。義仲は、六条高倉にいた、見初めた女房の所へ行きました。最期のなごりを惜しんでいたのでしょうか、なかなか出てきません。

 新参の家来の越後中太家光が、「御敵はすでに河原まで攻め入って来ています。どうしてそんなにゆっくりなさっているのですか。軍兵を犬死させる気ですか。早く、早く、出てきて下さい」と言いましたが、それでもなお出てきませんでした。家光は、「それなら、家光がまず先立ちます。死出の山でお待ちしています」と腹を切って死にました。義仲は、「これは私を励ます自害か」と、すぐに立ち上がりました。

 義仲の軍勢は、上野の国の住人の太郎・那波広純をはじめ僅か100騎ばかり。六条河原に出てみると、東国勢と見える30騎ばかりが出てきました。30騎の先頭を2騎が駆けていました。

 一騎は、塩屋維広。もう一騎は、勅使河原有直。共に、武蔵七党の丹の党のものでした。塩屋は、「後陣を待つべき」と言いましたが、勅使河原は、「先陣が敗れれば全軍が敗れるのが常。ただ、駆けよや」とて、わめきながら馬を進めました。義仲は今日が最後と戦い、東国の軍勢は、その義仲を取り巻いて、自分が義仲を討ってやろうと戦いました。

(2012年1月14日)


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