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(116)イタチの沙汰、安倍泰親の占い

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 後白河法皇は、自分も藤原成親や俊寛らのように遥か遠い国の島へ流されるのだろうかと心配していました。しかし、遠流はなく、鳥羽殿にて、治承4年(1180年)まで過ごしていました。

 その治承4年5月12日の午の刻(正午)ほどに、鳥羽殿で、おびただしい数のイタチが走り騒ぎました。

 後白河法皇は占状をつくり、その時はまだ鶴蔵人だった、河内の守源光遠の子で近江の守の源仲兼を呼び出し、「これを持って、陰陽頭・安倍泰親のもとへ行き、しかと占いを見させて、勘状を取って参れ」と命じました。

 源仲兼は、占いを賜って安倍泰親のもとへ行きました。しかし、タイミングが悪く、泰親は屋敷にいませんでした。白川という場所へ行っていますとのことでしたので、白川へ訪ね行きました。

 仲兼が後白河法皇の仰せを伝えると、泰親はすぐに勘状をしたためました。

 仲兼は勘状をもらって鳥羽殿へ馳せかえりました。門から入ろうとすると、護衛の武士が許しませんでした。

 仲兼は鳥羽殿は勝手知ったる場所だったので、築地を乗り越え、大床の下をはって進み、御前にある「切板」(床下から中へ入るための抜け道のようなものか)からあがり、後白河法皇に、泰親の勘状を渡しました。

 後白河法皇が勘状を見ると、「3日のうちに、よろこびのこと、ならびに、なげきのことがあります」と示されていました。

 後白河法皇は、「この有り様でも、よろこびのことはたのもしい。しかし、またどのような憂き目にあうのだろうか」と言いました。

(2011年11月17日)


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