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日比美思、戸島花、加藤雅美らが魅せる海賊劇「PIRATES OF THE DESERT2」を堪能した!

2014年10月3日 1時02分 参照回数:


パイレーツ・オブ・ザ・デザート2

パイレーツ・オブ・ザ・デザート2 (撮影:竹内みちまろ 2014年10月1日 シアターグリーンにて)


 1日に初日を迎えた舞台「パイレーツ・オブ・ザ・デザート2」のゲネプロを観てきた。

【PIRATES OF THE DESERT2〜アカツキ国の牢獄〜】

日時:2014年10月1日から5日まで
場所:池袋・シアターグリーン
脚本:川手ふきの
演出:戸田彬弘
出演:日比美思(Dream5)、倉田瑠夏(アイドリング!!!)、斎藤夢愛、桑原みずき、浜田由梨、栞菜、沢辺りおん(東京CLEAR’S)、軽辺るか(東京CLEAR’S)、時乃真央(昭和浪漫プロジェクト)、百合香、長島実咲、椎名つかさ、いろは、朝倉都、森和輝、岡田旺久、角畑良幸(フロアトポロジー)、仲村大輔(劇団BOOGIE★WOOGIE)、戸島花、加藤雅美
日替わりキャスト:
・1日:伊藤祐奈(アイドリング!!!)
・2日:永井里菜(ミスFLASH2013)
・3日:秦瑞穂
・4日:みさお
・5日:ホームランなみち


 海賊ものといえば、ニヒルな男たちが、派手な海賊衣裳に身を包み、カッコよく立ち居振る舞い、戦い、時には無謀なことをしちゃったりするけれど、最後は勝利し、女子たちがそれにきゃあきゃあいって喜ぶのである。なのにこの作品は真逆! 海賊をすべて女子が演じるという、なかなか変わった世界観の舞台なのだ。

 まず、チラシがとてもかっこいい。主演のDream5のメンバー、日比美思がクールなまなざしで正面を見つめている。思わず惹きつけられる。大人びた印象だが、実際はまだ16歳というから驚き!! ええ! 98年生まれなんて! 私が劇団を旗揚げした年よ……。いろいろ胸にくるわ!(笑)

 会場のシアターグリーンに入ると、迫力あるセットが組まれていた。この劇場は前方の席はまっすぐ目の高さでステージを見ることができるが、後方の席は見下ろすような形となっている。ステージの天井が高いのが特徴だ。その高さをうまく生かさないと、すかすかした印象を受けてしまうが、今回の美術はすべてにおいて無駄がなく、むしろチラシのイメージを裏切らない世界観が広がっていた。

 こういうのって、とても大切だと思う。お客さんはある程度、チラシやホームページなどで作品のイメージを膨らませてくる。劇場に入ったときにそのイメージをプラス(期待)にさせるか、マイナス(イメージ違い)にさせるかで、作品の見方がだいぶ違ってくるのだ。

 ちなみに、美術担当は、小劇場から大劇場まで幅広く活躍されている福田暢秀さん(FAT STADIO)。いつも印象的なセンスある美術を作ってらっしゃる方だ。さすがの美術に期待が高まる!

 作品は、「砂漠の海賊物語三部作」と銘打たれた、第二弾。舞台は近未来。戦争や汚染により、世界の7割は砂漠と化してしまった世界。生き残った人々は各地でコロニーを形成し、わずかな水を確保して、身を守り生きている。女海賊アザリー・ワルドに憧れ、海賊になることを夢見ていた主人公・ラナー(日比美思)は、仲間たちと(倉田瑠夏、齊藤夢愛、桑原みずき、浜田由梨)海賊ジャイード・ワルド団(5つの薔薇)を結成し、伝説の海、ハバルを目指している。その途中、アカツキ国に迷い込んでしまい、ラナーたちは囚われの身となってしまう……。

 ハラハラドキドキの設定だ。どんな試練が彼女たちに待っているのか……。ファンにはたまらないだろう。

 海賊ものらしい雰囲気で芝居が始まる。殺陣のシーンは激しく、海賊たちが囚われた情景はダンスで表現したりと視覚的に楽しめる演出が多かった。

 出演者も、はつらつとしていてよかった。主演の日比美思は、大人しそうなキャラクターに見えながらも、どんな状況におかれても、仲間を信じるんだ、という芯の強さを見せていたのが好印象だった。

 もうひとつの海賊団・メリージェーン団のリーダー・MJを演じていた戸島花は、ここのところ舞台に多数出演しているだけあって、声もよく通り、迫力抜群の女海賊を演じていた。

 また、クジャクを演じていた加藤雅美は、国を守ろうとする女帝の心の葛藤を、緊張感あふれる凛とした演技で見せてくれた。

 戦いのシーンなどが多いSFタッチな作品は、派手な演出をする舞台が多いが、この作品は派手に見せる部分と、その場に流れる空気を重視した部分をうまく構成していた。なんでもかんでも賑やかにやればいいってものではないから、そういった意味では新鮮でよかった。三部作ということだが、十分この作品だけでも楽しめるし、次回作に期待をかける終わり方もなかなか心憎い!

 芸術の秋! ちょっと日常を離れて、もしかしたら、これから起きるかもしれない近未来を垣間見てみたい方にはおすすめの舞台だ。(文=スギ タクミ

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