オタクの街として知られる秋葉原(東京千代田区)。メイド喫茶が軒を並べ、メイドファンにもお馴染みの場所となっている。2020年の東京オリンピック開催決定後、秋葉原を訪れる外国人観光客の数も増え、賑わっている。
アニメの街、オタクの街、“萌え文化”の街など様々な顔を持つアキバだが、2020年に向けてどんな街になっていくのか。また、アキバのメイド喫茶で働くメイドさんたちは、どんな街になってほしいと願っているのか。
2015年8月23日に、アキバのメイド喫茶の店員が多数出演した「メイドフェス+1」がベルサール秋葉原で開催され、2002年開店のメイド喫茶「Cafe Mai:lish」(メイリッシュ)のまほれ店長と、人気メイドのまゆみさんが出演し、バラエティ番組仕立てのステージを行った。パフォーマンス終了後、話を聞いた。
ーメイドフェス+1の感想からお願いします。
まほれ:ステージ直前は緊張しましたけど、2回目の出演なので、前回よりはちょっとだけ余裕があったのかなと思います。前回以上に温かい拍手が増えてやりやすかったです。声援も3倍くらい大きかったです。
まゆみ:まほれさんが最後にメイリッシュのオリジナルソングを歌ったのですが、私がメイド服にお色直しをしてから出るべきか“タガモリ”のまま出るべきかギリギリまで相談したのですが、“タガモリ”のまま出ました。最後の方だけ、酔っぱらっている人が絡んできたみたいな感じで出ました(笑)
ー2020年のアキバにどんな街になっていてほしい?
まほれ:今、アキバでは外国人の方がすごく増えています。メイリッシュにも、海外の方は毎日、必ずいらっしゃいます。2人や4人で来る方が多く、お一人で来る方もいます。特定のウエイトレス(=メイドさん)のファンの方もいます。
外国人の方には、アキバには、日本にある第2のホーム的な感覚で来てほしいですし、海外の方とコミュニケーションを取って行きたいと思います。国の違いを取り払って仲良くコミュニケーションが取れる街といいますか、インターナショナルな街になってほしいです。
まゆみ:私はアニメオタクなのですが、アニメ好きの海外の方は日本のアニメをリアルタイムで見ていることが多いので、「本場の街に来た!」と喜んでいただける街でありたいです。アニメのネタを振られたら、対応できるような街であってほしいなと思います。電気の街という点でも。
ー店舗の垣根を越えて、アキバのメイドさんとしてやってみたいことは?
まほれ:色々やってみたいことはあります。コラボイベントなどはやったりしています。
まゆみ:ここ数年、10周年を迎えたお店も多いので、10年を超えたメイドカフェを集めてイベントをやりたいです。昔からやっているお店は、お酒を出し始めたお店とか、“萌え!萌え!”を始めたお店とか、何かしらの元祖だと思います。
例えば、「萌え!萌え!きゅん!」というのは、@ほぉ〜むカフェのhitomiちゃんが考えたのですが、今やどこのお店でもやっています。たまに、「“萌え!萌え!きゅん!”はhitomiちゃんが考えたんだよ!」と言いたくなることもあるのですが、10年やっていればそういうこともみんな分かっているじゃないですか。そういうお店のメンバーが、それぞれのお店が始めたモノをもう一度振り返ったり、アキバのメイドカフェの代表としてサブカルチャー情報を発信できるようなイベントがあったらいいなと思っています。
まほれ:やりたいですね。10年くらい経って、それぞれのお店がキャリアを積んで、「いっしょにやりませんか?」というのも増えてきていますし。
まゆみ:2005年、06年の頃は自分たちのお店を回すので精一杯でした。
まほれ:昔だったら、他店同士で一緒にやることなど考えられませんでした。
まゆみ:メイドカフェ全盛期のころは、毎週のようにメイドカフェの本が出たりしていました。なので、“このお店に行けばこの子”というような、それぞれのお店に看板のような子がいました。今は、メイドさんもけっこう入れ変わってしまっています。“このお店に行けばこの子”というのがまた定着して、制服図鑑みたいなものが出てほしいなと思います。あと、10年を超えたお店の制服を並べて写真を撮りたいです。
まほれ:確かに、メイドカフェに安心感が欲しいですよね。次に来たときに、お気に入りの子が卒業しちゃっていたりすると、せっかく遠方から来てくださったのに寂しいなと思います。「前にいた子がいた!」というのがあると嬉しいなと思います。
色んなご縁があるので、色々やりたいです。いっときのメイドカフェブームも落ち着いたので、個々のお店だけで盛り上がるよりも、お店同士がお互いに協力し合った方がメイドカフェ業界は大きくなると思います。みんなで盛り上げていかないと、秋葉原という街全体も難しいかなと思います。
まゆみ:もちろん、メイリッシュにも来てほしいのですが、色んなお店に通って、自分のお気に入りを見つけて、メイドカフェ全体のお客さんが増えてくれるといいなと思います。
(インタビュー・文=竹内みちまろ)
ミニシアター通信