人気の超高速ギャクアニメ「てーきゅう」の舞台化第2弾「てーきゅう 〜先輩とめぐりあう時間たち〜ディレクターズカット」が2016年3月16日から21日まで、東京・大田区の「日本芸術専門学校 大森校劇場」にて上演される(全10公演)。
「てーきゅう」は、テニス部に所属する女子高校生4人の日常を描く。舞台化第1弾が2015年夏に上演され話題を呼んだ。早くも舞台化第2弾が決定した同作で、注目は、高宮なすの役を演じる主演の中田美優(17歳・高校2年生)。
中田はNHK大河ドラマ「平清盛」やAKB ShortShorts project映画「9つの窓」の『レミューテック』などに出演し、2016年1月には、人気ゲームの舞台化作品『アルカナ・ファミリア Valentino(バレンティーノ)』で初主演に挑んだ。
『アルカナ・ファミリア』に続き、2.5次元舞台で主演を務めることになった中田美優とは、はたしてどんな少女なのか。舞台に掛ける意気込みと、女優を目指したキッカケを聞いた。
ー「てーきゅう」舞台化第2弾ですが、どんな役柄?
高宮なすのちゃんは、お父さんが世界的大富豪で、お金に対しての執着心が半端ない女の子です。色気よりもお金だと私は思っています(笑) 何でもお金で解決する、ゆがみのないご令嬢だと思います。
舞台の本編でもお金にものをいわせて何でも解決しようとする姿がたくさん見られると思いますので、ぜひ、本編を御覧頂ける方は、お金でどういうことを解決しようとするのかを見て頂けたらと思います。お嬢様に欠かせない高笑いが何か所も出て来るので、そこにも注目して頂けたらなと思います。
アニメやマンガを見て頂くと分かると思うのですが、タイトルが「てーきゅう」ですので、テニスをするのかなと思いきや、「ん?」というところもあります。果たして舞台でテニスをやるのかも注目です。
ー早口のセリフとテンポの良さもアニメ版の人気ですが、滑舌に自信は?
事務所に入りたての頃はひたすら滑舌の練習をしていました。自分で言うのもなんですけど、結構できていた方でした。ただ、台本を頂いて、アニメを見た時に、『早っ! これを舞台でやるのか!』と思いました。初演の映像を見せて頂いたのですが、初演のなすのさんを演じたのがアニメ版の声優も担当している鳴海杏子さんで、すごく早かったです。加えて、ほかのキャストさんも鳴海さんに負けず劣らず、すごく早くて。『これを私たちがやるのか!』と思いました。
自分にできるのかドキドキしていて、最初の稽古の時は、『滑舌やばいな』と思っていたのですが、稽古が進むにつれてスラスラと言えるようになってきたので、本番で噛まないように気を付けながら頑張っていきたいなと思います。
ー役作りで難しいと感じたところは?
なすのちゃんは、ボケかツッコミかというとボケなのですが、自分で理解していないボケというのを演じることはすごく難しいです。自分ではこれが当たり前と思いつつも、『それは違うだろう』というツッコミがどんどん入ってくるので、そこをうまく表現することに取り組んでいます。
あと、高笑いって、普段はしないので、苦戦しながら稽古に挑んでいます。本番でどういうふうに観て頂けるのか、ドキドキしながら稽古に励んでいます。
ー2.5次元の舞台に挑む心境は?
2.5次元の舞台は前回の『アルカナ・ファミリア』に続いて2回目です。2.5次元舞台は原作ファンの方がいるからこそできる作品だと思いますので、原作ファンの方のお声を大事にしたいと思います。
私もアニメやゲームが大好きなので、『これを舞台化するの?』という不安はあると思うのですが、原作のイメージを崩さずにさらに魅力的にしていくことが私達の仕事だと思います。原作の『てーきゅう』ファンの方のイメージを崩さずに、でも、中田美優らしいオリジナリティーも出して、なすのちゃんをさらに素敵なものに出来たらと思います。
ー主演は2回目ですね。
前回は、初の2.5次元で初の主演でしたので、ドキドキ、バクバクでした。舞台に1回出るだけでも緊張度が半端ではないのに、主演となると、みんなをうまく引っ張っていかないといけないという責任もあるし、プレッシャーもすごいです。
ただ、やはり、舞台はみんながいてできることなので、自分だけを見るのではなくみんなを見て、みんなで色々なことを取り入れていくことが大事だなと前回、思いました。
今回は、主演と言われても実感がなくて、みんなが主演だなと思っています。みんなでいい作品を作り上げていけたらなと思っています。
ー元々、女優志望だった?
スカウトされたのが中学校1年生の夏だったのですが、それまでは、タレントさんになりたいとか、アイドルさんになりたいというようなことは考えたことがなかったです。
事務所のレッスンを受ける間に、お芝居って、違う自分になれるし、色々な面を発見することができて、それがとにかく楽しいです。中3くらいの頃に「私がやりたいのは女優さんなんだ」と気が付きました。色んな人だったり、色んな出会いがあるのも素敵だなと思って、女優の道を目指すようになりました。
ーどんな女優になりたい?
オールマイティな女優さんになりたいという気持ちはあるのですが、憧れている俳優さんがいて、伊藤淳史さんです。小さな時から見させて頂いているのですが、「電車男」の時と「チーム・バチスタシリーズ」の時の役の変わり方がすごいなと思いました。「電車男」の時はなよなよした人だったのに、「チーム・バチスタシリーズ」では、ちょっと弱いのだけれども芯が通っている強い方、というのが私の中で輝いて見えました。微妙なニュアンスの違いでもまったく違う人になれるってすごいなと思いました。自分で言ってしまうとおこがましいかもしれませんが、見ている人に「あっ、すごい!」って言わせられるような女優さんになりたいです。また、とにかく楽しんで頂けるような人になりたいなと思っています。
ー舞台上では、別人になりきるもの?
役の切り替えは最初は難しかったのですが、役に入ってしまえば人前に立つことも恥ずかしくないなと思うようになりました。舞台に立って、本編が始まると、自分のことは忘れてしまって、気付いたらキャラが変わっています。自分でも驚きです。役によって感じ方は違うのですが、一歩舞台の中に入ったら、中田美優は完全に消え去ると思います。
ー素のご自身は、どんな性格?
初対面の人でも普通にしゃべることができます。慣れるとグイ、グイ行くタイプです。あと、私はアニメが好きなので、明らかにアニメ好きと分かると、『○○が好きなんですね!』といきなり気合いが入った接し方になります(笑) アニメとゲームが好きというオタク要素が無ければ普通の女子高生です。
ーご自身は、オタクだと思いますか?
オタクです(笑) 休みになるとゲーム機を握り締めてゲームをしたり、電車の中でもスマホでゲームをしています。ゲームをしているか、アニメを見るか、マンガを読むかの生活です。休みの日はゲームセンターで遊んでいます。
ー4月に高校3年生になりますが、高校生の間にやっておきたいことは?
通っている高校が、私服でもOKという学校です。学校の行事があったり、オーディションがあるときは制服を着たりはするのですが、基本的に私服で通っています。
高校生といえば制服なので、“なんちゃって”でもいいので着れるうちに制服をガンガン着たいなと思っています。
あと、高校生のうちに、青春をしてみたいです。好きな男の子にバレンタインチョコをあげたりとか、帰り道に、「手、繋いでいい?」「うん」、みたいな。そういうことが今までなかったので。少女マンガとかアニメを見ていると、高校生くらいの年齢が舞台になっていることが多いので。
ー舞台版「てーきゅう」を楽しみにしているファンへメッセージを
今回の舞台は、去年の夏頃にやった舞台の再演なのですが、メインキャストが一新しています。話の流れはそれほど変わらないのですが、キャストやセリフが変わるだけで違った作品になり、一度観た方もすごく楽しめます。終わった頃には笑い泣きするくらいの面白い作品になっていると思いますので、ぜひ、楽しんでほしいです。
あと、私達も聞き取れるように頑張るのですが、早口なので、ぜひハイテンションペースに遅れないように付いて来て下さい!
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インタビューに気さくに答えてくれた中田は、ゲームとアニメとマンガが大好きで、「青春をしてみたいです」と願うチャーミングな女の子だった。そんな中田が舞台上で、どう高宮なすのを演じるのか、そして、今後、どんな女優に成長していくのか。ぜひ、注目してみてはいかがだろう。
(インタビュー・文=竹内みちまろ)
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