男子大学生によるアイドルコピーダンスグループ日本一を決定する「UNIBOY(ユニボーイ)2016 Second」が2016年11月21日、ライブハウス・新宿ReNY(東京)にて開催された。今年5月に行われた初回大会に続き、2回目の開催となった今回のユニボーイでは、出場チームが9チームから11チームに増え、ステージには客席に乗り出したランウェイも出現。観戦に来ていた女子大生を中心に、熱狂的な盛り上がりを見せた。
今年から始まったユニボーイだが、出場者はどんな大学生たちなのか。ステージを終えた4人組「A-SRY」(エースリュー/青山学院大学)に話を聞いた。
【「A-SRY」メンバー】
リーダー・ゆうき(19歳)
副リーダー・たくや(20歳)
メインボーカル・りょう(19歳)
しょう(20歳)
A-SRYは、「UNIBOY2016 Second」に出場するために、リーダーのゆうきが学校の仲間やダンス仲間に声を掛けて今年10月25日に結成された。ゆうき、たくや、りょうの3人はライブやミュージカルなどへの出演経験があり、個性が集まった実力派チームだ。ゆうきの高校の先輩がユニボーイのお姉さんイベントとなる女子大生版の大会「UNIDOL」(ユニドル)に出場しており、その繋がりから、ゆうきはユニボーイの存在を知った。
産声を上げたばかりのユニボーイは、コンセプトや方向性が回を重ねながら固まっていく。A-SRYの4人にとっては、コンテストとしてどのようなパフォーマンスが評価されるのかや、観客が何を求めているのかなど、すべてが手探りの状態で挑んだステージとなった。当日は、「恋音と雨空」(AAA)、「Ultra Music Power」(Hey! Say! JUMP)、「逢いたい理由」(AAA)、「勇気100パーセント」(NYC)というジャニーズアイドルとAAAの楽曲から4曲を使ってパフォーマンスを構成。3位以内に入賞することはできなかったものの、ダンスはもちろん、歌、アクロバット、MCでも全力のパフォーマンスを披露して、ユニボーイファンに鮮やかな印象を残した。
−ステージを終えた感想を
ゆうき:ステージが始まる前は、この大会ではどういうダンスをしたら受け入れられるのかや、どういう曲をやったらよいのかなどすごく心配でした。でも、自分なりに考えて楽曲を選び、ステージに立ったらメンバーを信じて最後までやり切ることができました。とても楽しいステージになりました。楽曲は、アイドル性を持たせつつダンスもしっかり見せることができる曲を選びました。歌もメインボーカルのりょうがしっかり歌えるので、歌でも魅せられる曲を選びました。
たくや:知らないお客さんが多かったのですが、名前を呼んでもらえて、伸び伸びと踊れました。楽しかったです。お客さんは楽しそうに盛り上がってくれていました。
りょう:最初は色々な不安があり、緊張していたのですが、お客さんがたくさん声援をくださりました。楽しく踊ることができました。ステージから、お客さんの顔はひとり、ひとりまで全員ちゃんと見えました。
しょう:ものすごく緊張していたのですが、ステージが始まる前のA-SRYの紹介動画が流れたときに、すごい歓声が聞こえました。それで緊張が一気に吹き飛んで、ホームの感じで楽しく踊れました。観客の前でステージに立ち、スポットライトを浴びながらパフォーマンスをしたのは初めてでした。気持ちよかったです。
−今後、ユニボーイにどんな大会になってほしい?
ゆうき:世の中では、女性アイドルグループだけではなく、例えはジャニーズをはじめたくさんの男性アイドルグループが活躍しています。でも、女子大生にはユニドルがある一方で、ユニドルの男子大学生バージョンはこれまでなくて、そういった大会があれば出たいなと思っていました。なので、このユニボーイという大会はすごく嬉しいです。もちろん、もっと規模も、大会数も拡大していってくれたらいいなと思うのですが、個人的には、各チームから代表者が1人ずつ集結し、選抜チームのようなイメージでチームを作って、ゲスト的にパフォーマンスができる企画があったらいいなと思います。
たくや:ユニドルは大会やイベントが年に何回もあるのですが、ユニボーイは開催回数が少ないので、男の子が輝ける場所がもっと広がっていってくれたらいいなと思います。
りょう:ユニボーイは開催間隔が開いているので、年に何回もやりたいです。人前で歌って踊ることがすごく好きなので。
しょう:「ユニボーイで優勝したら、ほんとうにすごい!」と言われるくらいの大きな大会になったらいいなと思います。
−同世代の男子大学生にメッセージを
ゆうき:このように何百人の前でパフォーマンスをするという機会はそうはないと思いますので、こういう機会があったら、ぜひ、出てほしいなと思います。「出たいけど1人だから…」と思っている人はけっこう、たくさんいると思います。なので、例えば振り付けを担当するリーダーを1人決めて、「出たいけど1人だから…」と思っている人がどんどん集まることができるような仕組みがあったら、出演者も増えて、ユニボーイが広がるのではと思います。
たくや:今回、ユニボーイのステージに立って自信になりましたし、自分の可能性を広げるいい機会になると思います。なので、たとえ自信が持てなくても、「やってみたいな」と思っていたら、ぜひ、参加してほしいです。
りょう:ダンスや歌を少しでもやりたいと思っている方がいたら、ユニボーイをはじめ色々な大会に出場してみたら楽しいと思います。ぜひ、出ることをお勧めします。
しょう:プロのアーティストや、ユニボーイのような大会に出ている人を見て、「すごいな」と思う人はたくさんいると思います。僕も、その中の1人でした。でも、今日、「すごいな」と思っていた場所に初めて出てみました。とても楽しかったです。なので、「『すごいな』と思うことを自分もやってみよう」と思ってくれたらと思います。ユニボーイの次回大会があれば、また、出てみたいです。
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インタビューに気さくに答えてくれた4人。りょうは小学生のころからスクールでHIP HOPを中心にダンスを習っていたものの、義務教育の中では男の子がダンスをすることはあまりなかったとのこと。「世代的には、義務教育では男はダンスをやらない、という空気がありました。義務教育の体育の授業では、男は柔道で女がダンスで、それの男女入れ替えで、一度だけダンスをやったことがあるくらいです」(ゆうき)。
大学については、ゆうきに聞いてみると、「ストリートダンスのサークルには男の子がいたりするのですが、歌って踊るというダンス&ボーカルのくくりで活動している男の子のサークルは、自分は聞いたことがないです。女の子だと、アイドル愛好会があってその中からユニドルに出場している子がいて、という話はけっこう聞きます。男の子だとそういう話は聞かないです」とのこと。
A-SRYは「UNIBOY2016 Second」に出場するために作られたグループであるため、今後の活動は白紙とのことだが、ゆうきは、「もし、何らかのお話がいただけるなら、例えばメンバーを1人増やして5人組としてまたやってみたりしたいです」と目を輝かせた。
“普通の男の子たちがスポットライトを浴びる場所に立って踊る”ことは、まだまだ一般的なことではないのかもしれないが、そんな時代に始まったユニボーイと、A-SRYをはじめとするグループたちが、これからどんな活躍をして、どのようなムーブメントを作り上げていくのかに注目したい。(インタビュー・文:竹内みちまろ)
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東京アイドル通信