現在、ライブ会場に通う現場のアイドルファンの間で、広島出身の3人組「まなみのりさ」(谷野愛美・まなみ、岡山みのり、松前吏紗・りさ)の評価が、再び急上昇している。「再び」というのは、「まなみのりさ」は「ご当地アイドル」という言葉がなかった2007年に広島でデビューし、2011年にはご当地アイドル日本一を決定する「U.M.U. AWARD2011」でグランプリを受賞するなど活躍を重ね、昨年12月に放送された、全国から集結したアイドル10組がパフォーマンスを競う「日本全国アイドル大集合スペシャル 〜お宝カヴァーしNIGHT〜」では、わずか1曲のステージで来場者の心を掴み、共演の9組(アップアップガールズ(仮)、HR、Especia、さんみゅ〜、GEM、しず風&絆〜KIZUNA〜、Negicco、palet、WHY@DOLL)を抑えて優勝するという貫禄を見せつけるなど、すでに、名前と実力が全国的に知られているからだ。
その「まなみのりさ」は2014年4月、地元広島から上京した。現在は、東京を活動拠点とし、定期的に広島でもライブを行っている。2015年1月10日には、1年3か月ぶりとなる東京でのワンマンライブ「まなみのりさ 3rd ワンマンLIVE in TOKYO "MMRe:start"」(六本木・Morph-Tokyo)を開催し、チケットは早々にソールドアウト。当日は、地元広島から駆け付けたファンに加え、2014年になって初めて「まなみのりさ」のライブを見たファンや、初めて「まなみのりさ」のライブに来たファンとともに、熱狂のステージを繰り広げた。
地元広島では圧倒的な人気と知名度を誇る「まなみのりさ」だが、なぜ、活動拠点を東京に移したのか。1月10日、Morph-Tokyoを訪れて、リハーサル前の3人に話を聞いた。
−何のために東京に来た?
りさ:「まなみのりさ」として7年間、広島で活動してきました。広島はとても大切なのですが、夢を叶えるために、このままでは終われないと思いました。東京に出て挑戦したいという気持ちが3人で固まりました。日本武道館でライブを行うという夢を叶えるために、東京に来ました。
みのり:日本武道館の夢にプラスして、広島で応援して下さるたくさんの方々に恩返しがしたいと思いました、東京で大きくなって、いい報告を持って帰ることが一つの恩返しになるのかなと思います。だからこそ、東京に出て、もっと、もっと大きくなりたいと思いました。
まなみ:広島で7年間、「まなみのりさ」として育てて頂き、広島のアイドルといえば「まなみのりさ」だよねと言って頂けるようになりました。そこまで大きくしてくれた広島に、しっかりと恩返しするためにはどうしたらいいのだろうと考えたときに、広島で愛されるアイドルとして活動を続けることも一つの選択肢だと思いましたが、私たちは、それは違うと思いました。東京をはじめ全国の方に広島に足を運んで頂けるようになることが一番の恩返しになるのではと思いました。そのためにはまず、自分たちが、もっと大きくならなきゃと思いました。
***
上京してから精力的にライブに出演している「まなみのりさ」だが、東京に来てからしばらくは、慣れない暮らしもあり、思い悩んだ日々が続いた。ライブ中のMCで、みのりは「4月からは本当に辛くて……」と唇を噛み締めた。しかし、「夢を叶えるまでは(広島に)帰れない」と心の内をファンに告げ、大声援を浴びた。
ライブでは、東京での4thワンマンライブが発表されるというサプライズもあった。日程は、今年7月4日で、会場はshibuya-duo(東京・渋谷区/キャパ700名)。発表するなり、りさは「おっきいよ!」とファンに呼びかけたが、まなみは、「会場を決めるときに話し合いをしました。ほかの選択肢かいくつかありました」と明かした。しかし、みのりから、「やらないで後悔するよりも、挑戦したいという結論に達しました!」と3人の心がすでに決まっていることが報告された。みのりの「みんなで最高の景色を見に行こう!」との言葉で、ライブ会場の興奮は頂点に達した。
今回のワンマンのタイトルとなった「MMRe:start」には、東京でのワンマンライブを待ちわびたファンへ、「ま(M)なみ(M)のり(R)さ」から恩返し(Re:=返信)をするという他に、この日からリスタートを切るという意味が込められていた。今回のワンマンでの声援と熱狂ぶりが、東京でも確実にファンを増やし始めた「まなみのりさ」の躍進を予感させる。(インタビュー・文・写真=竹内みちまろ)