2025年10月31日

舞台『ヘブンバーンズレッド』(提供写真)
大人気ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』を原作とした舞台『ヘブンバーンズレッド』が2025年11月1日(土)~9日(日)に東京ドームシティ シアターGロッソにて上演される。10月31日(金)にはゲネプロとプレビュー公演が行われた。
『ヘブンバーンズレッド』は『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』『Angel Beats!』など数々の名作を世に送り出してきたKeyが『アナザーエデン 時空を超える猫』や『消滅都市』などを開発してきたライトフライヤースタジオとタッグを組み、麻枝 准 15年ぶりの完全新作ゲームとして「最後の希望を託された少女たちの物語」を描くドラマチックRPG。
2025年2月2日(日)に開催された「ヘブンバーンズレッド3rd Anniversary Party!」にて舞台化が発表され、8月3日(日)に開催された「ヘブンバーンズレッド3.5th フェス」にて続報が解禁された。
そして本日10月31日、東京ドームシティ シアターGロッソにてプレビュー公演が開催され、記者会見と公開ゲネプロが同日行われた。
記者会見では、第31A部隊メンバーである茅森月歌役の結那、和泉ユキ役の中野あいみ、逢川めぐみ役の込山榛香、東城つかさ役の星波、朝倉可憐役の太田夢莉、國見タマ役の早川渚紗、そして、第31B部隊 部隊長 蒼井えりか役の河内美里が登壇し、それぞれの役柄や舞台への思いを厚く語り、観客に対する期待を膨らませた。
結那と河内に「『ヘブンバーンズレッド』初の舞台化だが、初めて台本を読んだとき感じたことは?」という質問が飛ぶ。
結那は「原作のゲームでは月歌が選択肢で選ぶ内容によって会話のルートが異なる部分もあるので、その部分が1つの台本として舞台になることが想像できなかったです。でも、台本を読んでみたら、ヘブバンの面白さが全て詰まっていて、初めて読んだときは泣いてしまったり、声を出して笑ったりと、絶対に面白くなると感じました。」と答え、河内も「クライマックスのシーンでは思わず涙がこぼれました。もちろん原作プレイヤーの方にも面白いと思ってもらえる作品になっていて、舞台化をきっかけにヘブバンに触れた方も、舞台を観ればヘブバンをプレイしたいと感じてもらえる作品になっていると感じました。」と語った。
次に本作の見どころやアピールポイントを聞かれたキャスト陣。
中野「見どころはありすぎてキリがないですが、それぞれが扱う“セラフ”という武器の扱い方や戦闘シーンは舞台化ならではの見どころがぎゅっと詰まっているので注目してほしいです。私が演じる“和泉ユキ”は突っ込みまくっておりますので、何回突っ込んでいるか、是非数えてみてください!私も分かりません!」
込山「普段、それぞれのキャラの絡みが魅力的だなと思って原作をプレイしていて、ゲームでは画面上で話しているキャラクター達の魅力がより良く見ることができますが、舞台では登場している全キャラクターを観ることができます!ゲームの中では見れなかった自身の推しがどんな風に生きているのかを全て見ることができるので、1回目は全体を観ていただき、2回目以降はそれぞれのキャラクターを観ていただき、是非何回もお越しいただきたいです!」
早川「ちょうどこのメンバーということで、生歌唱と生演奏、そして込山さん演じる“めぐみん”のサイキックだったりと、初心者の方もいる中で、みんなで頑張って練習をして、31Aと蒼井の絆も深まったので、そんな感動シーンが舞台上でどのように表現されるのか注目してほしいです!」
星波「本当に役者の表情や動きはもちろんですが、劇場に入って場当たりをする中で、照明や映像など舞台を構成する全てをこだわっていて、ゲームの鮮やかな画面や繊細な世界観をスタッフ全員で作り上げているので、空間全てが魅力になっています!」
太田「今回、私だけ二面性があるキャラクターということで、どういう風に演じ分けていくのかなと気になっていました。今は“かれりん”なのですが、“カレンちゃん”になった時はフードやしっぽなどが違うので、その違いや切り替えも楽しみにしていただきたいです。“かれりん”と“カレンちゃん”が好きなお客様にもご満足いただけるように精進します!」
最後に、河内は「いよいよ公演が始まりますが、ここにいるメンバー以外にも素敵なキャストがいて、ワールドパフォーマーの皆さんも少ないメンバーで沢山走り回って、舞台を支えてくださっています。そして素敵なスタッフさんも含めて全員で創り上げている舞台ですので、本日お越しいただくお客様が観劇くださって本当に舞台が完成すると思っています。千秋楽まで一人でも多くのお客様にご観劇いただけるように頑張ります。」と挨拶。
結那は「緊張していますが、今まで稽古で創り上げてきたからこその緊張なので、その緊張感も舞台上で生かして、大事にしていきたいです。それぞれのキャストが自身のキャラクターと向き合い続けて、やっとお客様にお見せできると思うと、とても嬉しい気持ちです。皆様をヘブバンの世界に連れていきたいという気持ちでここまでやってきたので、このGロッソの端っこの端っこのお客様まで全部届けられるように頑張ってまいります。是非最後まで楽しんでいただきたいです!千秋楽まで全力で走りますので、どうぞよろしくお願いいたします!」と締めくくった。
【ゲネプロレポート】
物語は、謎の生命体「キャンサー」に支配された地球を舞台に、最後の希望として結成されたセラフ部隊に所属する少女たちの戦いを軸に展開する。
日常と戦場が入り混じる中で、彼女たちがどのように互いの絆を深め、失われつつある世界で“希望”を抱き続けるのかが丁寧に描かれている。舞台ならではの表現で描かれるセラフによるバトルシーンは、緊張感と迫力を併せ持ち、見た目以上に“本気”で戦っていることが伝わってくる。笑いとドラマが同居するのは、キャストたちの演技力の賜物だ。
また、本作の見どころの一つは、戦場だけでなく日常の会話劇においてもキャラクターたちの個性が存分に発揮されている点だ。茅森月歌の元気で前向きなリーダー気質、和泉ユキのクールで芯のある優しさ、蒼井えりかの儚くも知的な空気感、そしてセラフ部隊の仲間たちそれぞれが持つ個性的な魅力。どの少女も“自分なりの戦う理由”や“希望の形”を抱えており、それがぶつかり合い、重なり合うことで絆が深まっていく様子が描かれる。キャストたちの繊細な表情の変化、目線の使い方、間の取り方など、舞台ならではの「生の演技」に引き込まれる瞬間が何度もあった。
後半に進むにつれ、戦いは激しさを増し、生の舞台だからこそダイレクトに伝わる熱量がそこにはある。
本作の目玉の一つはキャスト自身による生演奏・生歌唱のライブであることは間違い無いだろう。舞台という枠を飛び越えた“観客参加型のスペシャルライブ”が始まり、会場全体が一体となる。このシーンは、本作ならではの体験と言えるだろう。戦場では激しい戦闘を見せる彼女達が、歌では真っ直ぐな想いをぶつける姿に胸を打たれた。ライブシーンは、まるで物語の世界の中に入り込んだかのような臨場感があった。
ライブが終わった後、最後に心に残るのは“希望”の尊さだったのではないだろうか。
衣装や舞台セットの再現度も非常に高く、原作ファンから舞台ファンまで満足できるクオリティとなっていた。全体を通して、キャスト陣の息の合った芝居と、それぞれの少女たちが抱く信念や魅力がぶつかり合う物語、そして観客と一体となって盛り上がるライブシーンが見事に融合し、ゲームとは違うキャラクターやストーリーとの出会い、心に残る一瞬一瞬で満たされる感覚は、2.5次元舞台の枠を超えたエンターテイメントへと昇華していた。
そんな時間をくれたこの舞台を、ぜひ多くの人に体感してほしい。









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