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ステージセットを一挙紹介、客席が360度回転する「ウエスト・サイド・ストーリー」来日版がいよいよ最終週!

2019年10月21日



ドレスショップの壁/セットに使われている写真やポスターは全て、厳密な時代考証を経て当時のものを忠実に再現している。
(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)

 8月にIHIステージアラウンド東京(東京・豊洲)にて開幕したブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」来日版(2019年8月19日〜10月27日)がいよいよ最終週を迎える。

 世界に2つしかない客席が360度回転する同劇場で公演されている「ウエスト・サイド・ストーリー」は、初演から62年、世界中で愛され続けられている名作中の名作。1961年公開の映画版は空前のヒットを記録し、アカデミー賞をはじめとした10部門の賞を獲得。2020年にはスティーヴン・スピルバーグ監督が映画リメイク版を手掛けることでも話題となっている。

 日本で初めてブロードウェイのキャストによって同作が公演されたのは東京オリンピックが開催された1964年。55年の月日が流れ、ドーナツと呼ばれる円形の客席が回転する同劇場にて、現在、世界初演となる新演出で公演されている。

 同作が最終週を迎えるにあたり、ステージセットが報道陣に公開された。

 今回は取材会で明かされた「ウエスト・サイド・ストーリー」来日版の裏舞台を写真とともにお届けする。(取材協力:IHIステージアラウンド東京)



ドラッグストア/細部にまでこだわり、新聞なども時代考証済、「通常の舞台ではここまでこだわることはない」とはIHIステージアラウンド東京の加藤雅拡副支配人

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



ドラッグストア/カウンターの裏には、さげたお皿や空の瓶もある

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



たばこのパッケージも当時のものを忠実に再現

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



ハドソン川/ハドソン川の水は2日に1回取り替える。キャストが飛び込む際は電熱器などで温めておくそう

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



生演奏をする部屋/メインステージ上手奥の観客からは見えない場所にある

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



メインステージ奥から客席を見渡すとこうなる/演奏室は写真に向かって左奥にある

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



天井には演出のため紗幕が掛けられている/観客が客席が回転していることや、どのくらいの角度にいるのかを気にせず、作品に没入するための工夫だ

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



CAMELの巨大看板は、当時と同じ完成品を綺麗な状態で一度作り上げ、そこから破損させて行った

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



屋根は、時代考証の結果、当時をより忠実に再現するため、映画版よりも、さらに汚れた仕上がりになっている

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



細部にまでこだわったドレスショップ/同作の総製作費はなんと35億円!

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



ドレスショップ

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



ドレスショップ/ミシンの先の糸や、針箱の中のピンまで細かく仕上げてある

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



せり出すバルコニー/下部にレールが取り付けてある。今回は、オランダの劇場よりもさらに新しいテクノロジーが採用されており、「アナログは指揮者だけでは」(IHIステージアラウンド東京の加藤雅拡副支配人)というほど機械化、自動化が進んでいるそう

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)



コンテナで壊れた自動車やマットレスが次々と運び込まれた際は劇場中が“ガラクタ”だらけになったとか/セットか運び込まれてから完成するまで2ヶ月ほどかかり、アメリカではさらに1年ほど前から準備がスタートしていたそう

(写真:竹内みちまろ、2019年10月21日、IHIステージアラウンド東京にて)

【「ウエスト・サイド・ストーリー」ストーリー】

 シェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」に着想を得て、敵対するグループの一員と恋に落ちてしまった若者の淡く切ない恋を描いた作品。
 舞台は、1950年のニューヨーク、マンハッタンのウエストサイド。セントラルパークを挟んで、イーストサイドが高級住宅街で、ウエストサイドには多くの移民が住んでいた時代の物語。
 1950 年代のニューヨークは、世界中から多くの移民が夢と富を求めて集まってきた時代だった。最初はヨーロッパから来た白人の移民、そして、後からはカリブ海諸国からのヒスパニック系移民。彼らはそれぞれグループを作り、お互いに敵対し合う。しかし、ヨーロッパ系移民のトニーと、ヒスパニック系移民のマリアは偶然出会い、激しい恋に落ちてしまう。許されない愛は多くの人を巻き込み、悲劇の連鎖を生む。
 シェイクスピアとは違う、この作品ならではのエンディングには、どんなに絶望しても立ち上がる若者の姿が描かれ、観る人に大きな感動を与える。

【ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」】
※生演奏/英語上演/日本語字幕あり

原案:ジェローム・ロビンス
脚本:アーサー・ローレンツ
音楽:レナード・バーンスタイン
作詞:スティーブン・ソンドハイム
初演時演出&振付:ジェローム・ロビンス
演出:デイヴィッド・セイント
振付リステージング:フリオ・モンゲ
エグゼクティブ・プロデューサー:ケヴィン・マッコロム(Alchemation)、ロビン・デ・レビータ(Imagine Nation)、吉井久美子(John Gore Organization)

【日程】
2019年8月19日(月)〜10月27日(日)
※8月19日・20日はプレビュー公演

【IHI ステージアラウンド東京とは?】

 この劇場システムは、2010 年 10 月、オランダのアムステルダム郊外の飛行場跡地にある格納庫で誕生。発明者は、欧米で著名なエンターテインメントカンパニーの「Imagine Nation」のロビン・デ・レヴィータ。決してアクセスが良いとは言えない、アムステルダム郊外に建設されたにもかかわらず、オープン以来上演されている演目”Soldaat van Oranje”(邦題:「女王陛下の戦士」)は、のべ 200万人を超える動員を記録。9年目に突入した今なお(2019年1月現在)チケットは連日完売が続き、記録的なロングラン公演になっている。

 そんなステージアラウンドの劇場システムは世界各国のトップクリエイターたちからのオファーが相次ぐなか、TBS テレビが日本でのシステム使用独占権を獲得。世界で2番目、アジアでは初のオープンとなった。円形の客席をスクリーンとステージが取り囲み、客席が360°回転することで、全方向のステージを見ることができる。客席を取り囲むスクリーンが開くと、大きく広がるステージが現れる。


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