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ミニシアター通信平家物語 > (284)佐々木高綱

(284)佐々木高綱

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登場人物:梶原景季、佐々木高綱、生食(名馬)、磨墨(名馬)、源頼朝

 佐々木高綱は、梶原景季が高綱を殺そうと待ち構えていることも知らずに、馬に乗ってやってきました。梶原景季は、横に並んで組み合おうか、真正面から突き当たって落とそうかと思いましたが、まずは言葉を掛けました。

「なんでも、佐々木殿は、生食を賜って上洛するとか」

 高綱は、「ああ、たしか、この御仁も、生食を所望したとか」と思い、答えました。

「そうではありません。今度の大事ないくさでは、定めて、宇治・勢多の橋が壊されているでしょう。しかし、私には乗って川を渡るべき馬がありません。生食を所望したいと思いましたが、あなたが所望してさえ与えられなかったと聞き、まして、自分などが賜ることはないと思いました。そこで、あとでどのようなおとがめを受けようともと覚悟して、夜のうちに、馬番と通じて、秘蔵の生食を盗み、このように上洛しているのです、梶原殿」

 景季は、高綱の言葉で腹の虫が収まり、「それは、くやしい。景季も、生食を盗めばよかった」と大笑いして、去っていきました。

 佐々木高綱が源頼朝から賜った生食は、黒栗毛で、極めて太く、そばに寄る者は馬でも人でも喰いついたので、生食と名づけられました。4尺8寸の巨漢。梶原景季が与えられた磨墨は、黒々としていたので、磨墨と名づけられました。いずれも劣らぬ名馬です。

(2012年1月11日)


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