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(272)室山合戦

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登場人物:源義仲、源行家、樋口兼光、平知盛、平重衡、越中次郎兵衛盛嗣、上総五郎兵衛忠光、悪七兵衛景清、伊賀平内左衛門家長、紀七衛門、紀八衛門、紀九郎

 源義仲は、備中の国の万寿の庄に軍勢を集結させました。今にも屋島へ攻め込もうとしています。しかし、留守居として都にいた樋口兼光から使者が来て、「義仲殿の不在の間に、源行家殿が、院を取り仕切った顔をして、さまざまに讒訴しています。西国のいくさをしばらくさし置き、急ぎ、都へ帰らせたまえ」と伝えてきました。義仲は「それならば」と、昼夜いとわず馬を駆けさせ、都へ向かいました。その間、行家は、義仲と仲たがいしてはまずいと思ったのか、500騎の軍を連れ、丹波路を行き、播磨の国へ落ちました。義仲は、摂津の国をへて、都へ帰りました。

 平家は義仲を討つために、播磨の国に渡って、室山に陣を構えました。

大将軍:平知盛、平重衡
侍大将:越中次郎兵衛盛嗣、上総五郎兵衛忠光、悪七兵衛景清、伊賀平内左衛門家長
軍勢:2万騎

 源行家は、平家と戦って義仲と仲直りしようと思ったのか、その勢500騎で、平家の室山の陣へいくさを仕掛けました。

 平家は陣を5つに分けました。

一陣:伊賀平内左衛門家長(2000騎)
二陣:越中次郎兵衛盛嗣(2000騎)
三陣:上総五郎兵衛忠光、悪七兵衛景清(3000騎)
四陣:平重衡(3000騎)
五陣:平知盛(1万騎)

 まず、一陣の家長がしばらく相手をするふりをしてから中を開けて通しました。二陣から四陣までも同じように中を通しました。一陣から五陣までが作戦通りに源氏を包囲して、一斉に攻めかかりました。

 行家ははめられたことに気が付いたのでしょう、わき目もくれず、命を惜しまず、ここを最期と定めて戦いました。知盛が要と頼りにしていた紀七衛門、紀八衛門、紀九郎などの一騎当千の強者たちは皆、行家に討ち取られました。

 かくして、500騎馬は30騎になるまで討ち取られ、雲霞のごとく連なる敵の中を割って出て、行家はわが身は傷を負わず、27騎はたいてい手傷を負って、播磨の国の高砂から船に乗り、和泉の国の吹飯の浦へ渡り、そこから、河内国の長野の城に立て籠もりました。

 平家は、室山と水島の2つのいくさに勝ち、いよいよ、勢いづきました。

(2012年1月10日)


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