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(247)平頼盛の離脱

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登場人物:平頼盛、盛嗣、平宗盛、平知盛、宰相殿、八条の女院

 平清盛の4番目の弟の池大納言・平頼盛も、池殿に火を掛けて都を出ました。しかし、鳥羽離宮の南門で「忘れた事がある」といって、鎧に付けた平家の赤しるしをかなぐり捨てて、300騎を引き連れて都へ帰りました。

 平家の侍・越中次郎兵衛盛嗣は弓を脇に挟み、平宗盛の御前に馳せ参じ、急ぎ馬から飛び降りて、畏まり、「あれご覧なれ。池殿が都に留まります。多くの侍が付き従うことが奇怪。さすがに池殿ははばかられますが、侍どもには矢のひとつも射掛けたい」と進言しました。平宗盛は、「今、平家がこれほどの有り様になっているのに、平家を見捨てようという不埒者など放っておけ」と告げました。盛嗣は力及ばず、追撃をあきらめました。

 宗盛は、「さて、小松殿・維盛の君達らはどうした」と問うと、「いまだ見えません」との返事。宗盛のすぐ下の弟・平知盛は、「行く末が頼りないので、いかようになろうとも都の内にとどまっておりましょうと、あれ程言ったのに」と、宗盛へ恨めしげな視線を送りました。

 そもそも、平頼盛が都に留まった訳は、源頼朝が頼盛に情けを掛けて、「けっして頼盛殿は粗末にはしません。自分の命を救ってくれた頼盛殿の母・故池の禅尼の代わりと思っている。八幡大菩薩に誓う」などと、度々誓紙を送っていたといわれます。また、平家追討の軍勢の使者が出るたびに、「絶対に、池殿の侍には弓を引くな」などと、事につけ、好意を示していました。なので、平頼盛は、「平家の運は尽き、一門は都を落ちる。今は、頼朝殿を頼ろう」と、都に留まったと言われています。頼盛は、八条の女院が都での戦乱を恐れて常磐谷の山荘に隠れていましたが、そこに隠れました。

 頼盛は、宰相殿という、女院の乳母の子を妻にしていました。宰相殿は「もしものことがあったら、頼盛を助けて下さい」と告げすと、女院は「今は世が世ですから…」と頼りなく答えました。たとえ頼朝が快く思っていても、他の源氏はそうな思っていないでしょう。なまじっか、一門から離れて京に留まったので、浪にも磯にもつかない(=中途半端な)心地がしていました。

(2011年12月30日)


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