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(223)平家軍の北国下向

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登場人物:平維盛、平通盛、平忠度、平経正、平清房、平知盛、越中次郎兵衛盛嗣、上総大夫判官忠綱、飛騨大夫判官景高、河内判官秀国、高橋判官長綱、武蔵三郎左衛門有国

 頼朝に嫡子の義重を人質として差し出し頼朝との確執をといた源義仲は、東山道、北陸道を討ち従えて、すぐにも都へなだれ込むといううわさが流れました。

 平家では、去年の冬から、「来年は馬に青草を飼葉に与える4月ころ、いくさがある」と触れを出していたので、山陰、山陽、南海(四国)、西海(九州)の兵たちが大挙して馳せ集まりました。東山道からは近江、美濃、飛騨の兵が集まりました。しかし、東海道は遠江(静岡県)から西の兵は皆来ましたが、東の兵は一人も来ませんでした。北陸道では若狭以北の兵が一人も来ません。

 平家では、まず、木曽の義仲を討ち、その後、源頼朝を討つべしと公卿詮議があり、北国へ討っ手を下向させることにしました。

【大将軍】

平維盛(小松三位中将、清盛孫、重盛子)
平通盛(越前三位、清盛四弟の教盛の長男)

【副将軍】

平忠度(薩摩守、清盛の六弟)
平経正(皇后宮亮、清盛次弟の経盛の長男)
平清房(淡路守、清盛の八男)
平知盛(三河守、清盛の四男)

【侍大将】

越中次郎兵衛盛嗣
上総大夫判官忠綱
飛騨大夫判官景高
河内判官秀国
高橋判官長綱
武蔵三郎左衛門有国

 将軍6名、しかるべき侍340人あまり、都合10万騎、寿永2年(1183年)4月17日辰の刻(午前8時)に都を出発し、北国へ下向しました。

 軍費として往路では国や郡の租税貢物の徴発が許されていましたので、逢坂の関からはじまり、途上にある権門勢家の朝廷へ治める正税・田租や庸調の官物を含め、すべてが略奪されました。

 平家の大軍は、志賀、唐崎、三川尻、真野、高島、塩津、貝津の沿道などを次々と徴発して通ったので、人民は耐えきれなくなって、山野に逃散してしまいました。

(2011年12月25日)


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