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ミニシアター通信平家物語 > (207)八条の二位殿(平時子)の夢

(207)八条の二位殿(平時子)の夢

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登場人物:平時子

 また、平清盛が重体に陥った際に、清盛の北の方(正妻)の八条の二位殿・平時子(八条大宮に住んでいた従二位、平時子)が見た夢はまことに恐ろしいものでした。

 たとえば、猛火がおびただしく燃え、主のない車が門の中へ入ったのを見ると、前後には、牛の顔をしたような者や、馬の顔をしたよう者がついていました。また、車の前には、「無」という文字だけが記された黒金の札が打ち付けてありました。

 二位殿・平時子は、夢の中で、「これは、どこからどこへ、行くものだ」と問いました。答えは、「平家大納言入道清盛殿の悪行が過ぎたるゆえ、閻魔大王の王宮からの迎えの車なり」。平時子が続けて、「それなら、あの札はどういうことか」と問えば、「現世にある奈良の金銅16丈(約49メートル)の廬舎那仏を焼き滅ぼした罪によって、無限地獄の底に沈めるべき由、閻魔の庁にて沙汰があった。無限の「無」の字だけ記されていて、いまだ「間」の字は記されていない」とのこと。

 平時子は夢からさめ、汗だくになりながら、夢の話を人にすると、聞く人は皆、身の毛が立ちました。霊仏、霊社へ金銀七宝を納め、馬、鞍、鎧、甲、弓矢にいたるまで運び出して祈りましたが、叶うようには見えません。男女の公達は、ただ、枕元と足元に集まり、嘆き悲しみました。

(2011年12月20日)


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