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ミニシアター通信平家物語 > (201)小督の出家、高倉上皇の死

(201)小督の出家、高倉上皇の死

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登場人物:仲国、平清盛、平清盛、小督

 小督から文を受け取り内裏に戻った仲国は、すぐに、小督から受け取った女房の装束を障子にたてかけました。もう、高倉天皇は寝てしまっただろうと思いましたが、紫宸殿の方へ向かうと、高倉天皇が昨夜いたのと同じ場所に座っていました。

 高倉天皇が、『南にかげり北に結ぶ。寒温を秋の雁に付け難し。東に出て西に流る、ただせん望を暁の月に寄す』と心細げに読んでいました。そこに仲国が帰ってきて、小督の返事を渡してきました。

 高倉天皇はひとかたならずよろこび、「ならばお前、夕暮に、連れてこい」と命じました。仲国は、平清盛の耳に入ったらと考えると恐ろしかったのですが、天皇の命令なので逆らうことができず、嵯峨へ行き、小督に内裏に来るように伝え、車などを整え、車に乗せ、内裏に来ました。高倉天皇は小督を目立たぬ場所に隠し、夜な夜な、呼び出しました。そのうちに、姫君が一人生まれました。坊門の女院・範子(のりこ)内親王とはその姫君のことです。

 平清盛は、「小督が行方をくらませたというのは、うそだ。なんとしても、亡きものにしてやろう」と、小督を捕らえ、尼にして、追放してしまいました。小督は23歳。出家はもとからの希望でしたが、無残なことです。高倉上皇はこのような事がくりかえされ、ついに死んでしまったのでした。

(2011年12月19日)


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