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ミニシアター通信平家物語 > (171)秦の始皇帝暗殺、その4

(171)秦の始皇帝暗殺、その4

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登場人物:樊於期(はんよき)、荊軻(けいか)、秦舞陽(しんぶよう)、秦の始皇帝、花陽夫人

 始皇帝には3000人の后がいました。その中に、花陽夫人という比類なき琴の名手がいました。およそ花陽夫人の琴を聞けば、たけり狂った武士の怒れる心も和らぎ、飛ぶ鳥も地に落ち、草木も揺るぎました。ましてや、花陽夫人は琴を聞かせるのはこれが最後と、泣く泣く弾きました。神妙な演奏となりました。

 すると、琴の音に耳をすませた荊軻が首を垂れて、始皇帝暗殺というミッションを忘れかけました。

 その時、花陽夫人は追加でさらに一曲、演奏しました。「7尺の屏風は高くても、躍り上がればどうして越えられないことがあろうか。一重の薄い衣は、どうして引けば引きちぎることができないであろうか」と弾きました。

 荊軻は歌詞に込められた意味を見逃して、始皇帝は察しました。始皇帝は袖(そで)を引きちぎって、躍り上がって7尺の屏風を越え、銅の柱の陰に隠れました。

 怒り狂った荊軻は、剣を投げかけました。折節、御前に、当番の医者がいて、薬の袋を剣に向かって投げつけました。薬の袋を巻いた剣は、口径が6尺の銅の柱を半ばまで切りました。しかし、剣は一太刀しか帯刀していませんでしたので、続いて剣を投げることはできませんでした。

 始皇帝は荊軻のもとにとって返し、御剣をとって、荊軻を八つ裂きにしました。秦舞陽も討たれました。やがて、始皇帝は官軍を派遣して、燕を滅ぼしました。

 『蒼天ゆるしたまわねば、白虹日を貫いて通らず』といわれます。秦の始皇帝は難を逃れ、燕丹はついに滅びました。「なので、今の頼朝も、いずれ亡ぶのだろう」と平家に追従する人もいたとか。

(2011年12月8日)


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