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(136)平等院の戦い、その1 〜以仁親王の休息〜

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 三井寺を脱出した以仁親王は、三井寺から宇治までの間に、6度も落馬しました。これは、昨夜寝ていないためと思われ、宇治橋の橋柱間にある3間の板を引きはがして、以仁親王を平等院に入れ、しばらく休息を取らせました。

 六波羅では、「すわ、以仁親王が奈良へ逃げ延びたぞ。追っかけて、討ち取れや」となりました。

 大将軍に、左兵衛督・平知盛、頭中将・平重衡、薩摩の守・平忠度。

 侍大将に、上総の守・忠清、その子の上総太郎判官・忠綱、飛騨の守・影家、その子の飛騨の太郎判官影高、高橋判官長綱、河内判官秀国、武蔵三郎左衛門有国、越中次郎兵衛盛嗣、忠綱の弟で上総五郎兵衛忠光、忠光の弟の悪七兵衛景清。

 それらを先方に、都合28000騎あまり、山城の国宇治郡にある山で奈良への通路になっている「木幡山」をうち越えて、宇治橋の橋の際まで押し寄せました。

 平家方は、敵は平等院にある、と見てとり、3度にわたり、ときの声をあげました。平等院に籠る以仁親王方も、ときの声をあげて応じました。

 平家の先陣が、「敵は橋板をはがしたぞ。むやみに進むな。橋板をはがしたぞ。むやみに進むな」とどなりましたしかし、後陣はその声を聞きつけず、われ先に、われ先にと進むうちに、先陣200騎あまりが、川に落とされ、溺れてしまいました。

 そのようにして、橋の両側の際に両陣が対峙し、矢合わせがはじまりました。

 以仁親王方、大矢の俊長、五智院の但馬、渡辺省(はぶく)、授(さずく)、続源太(つづくのげんた)が射る矢は、楯で防ぐこともできず、鎧も貫きました。

(2011年11月24日)


(137)平等院の戦い、その2 〜橋合戦〜

(138)平等院の戦い、その3 〜橋合戦〜

(139)平等院の戦い、その4 〜足利忠綱の先駆け〜


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