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「平家物語 巻の三」のあらすじと概要

2011年11月10日  参照回数:

 「平家物語 巻の三」の冒頭すぐで、ほうき星(彗星)が天に現れた様子が語られます。化学が発達した現代とは違い、当時の人々は、彗星をどう見たのでしょうか。「巻の一」では、大火災が都を襲った様子も語られています。末法思想と呼ばれる、終末思想も流行っていたようです。世は平家の天下ですが、平家物語の語り手は、清盛の行いを“悪行”として認識することがたびたびあります。そんな、先入観(?)も手伝ってか、ほうき星は、不吉の前兆とも思えます。

 そんな中、18歳の高倉天皇と、22歳の建礼門院(后、清盛の娘)の間に子どもができました。建礼門院は陣痛に苦しみますが、死霊、生霊、もののけを封じ込めるためにありとあらゆる手段がとられ、また、次の天皇となるべく男子の誕生が強く願われます。その一環として、特赦が行われ、鬼界が島へ流罪となっていた藤原成経、平康頼、俊寛の3人のうち、成経と康頼だけが赦されて都へ帰ります。俊寛は清盛の覚えが悪く依然として鬼界が島での暮らしを続けます。「巻の三」では、その俊寛を慕う有王が登場し、有王が俊寛に会いに行く場面も語られます。平家物語の語りの視点が有王に移り、有王を通して、俊寛の最期が語られます。

 加持祈祷のかいがあったからでしょうか、後の安徳天皇が誕生しました。いっぽうで、清盛の嫡子・平重盛が病死します。重盛は、才覚・人望にすぐれ、清盛からも、後白河法皇からも一目をおかれており、平家に従う者たちが皆、清盛の命令よりも、重盛の命令に従う様子も「巻の三」では語られます。

 その重盛を失った平家。嫡子は清盛の次男・平宗盛となりましたが、後白河法皇のせりふを通して、宗盛が重盛にははるかに及ばない人物であることも語られます。重盛を失った悲しみもあり、清盛は、関白や太政大臣を含め、快く思っていない43人を一気に罷免して、後白河法皇を鳥羽殿に幽閉するという「暴挙」に出ました。

 また、「巻の三」では、つむじ風(=塵旋風/じんせんぷう、渦巻き状に立ち上がる強風、突風。旋風、辻風とも)や大地震で、都が大きな被害を受ける様子も語られます。

 不穏な空気がますます色濃くなり、安徳天皇は誕生しましたが、重盛の死や、後白河法皇の幽閉など、大きなドラマが起きる舞台がじょじょに整っていくような「巻の三」でした。


「巻の一」のあらすじ

「巻の二」のあらすじ

「巻の三」のあらすじ

「巻の四」のあらすじ

「巻の五」のあらすじ

「巻の六」のあらすじ

「巻の七」のあらすじ

「巻の八」のあらすじ

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