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世界から猫が消えたなら/川村元気のあらすじと読書感想文

2015年1月8日 竹内みちまろ 参照回数:

世界から猫が消えたならのあらすじ(ネタバレ)


 郵便配達員をしている30歳の僕は、7日前、病院で、グレード4の脳腫瘍と診断され、余命は長くて半年、最悪、1週間すら怪しいと告げられた。2週間前から微熱が続き、頭がジリジリと痛んでいたが、市販の薬でごまかしていた末、ようやく医者へ行ったのだった。放射線治療ほか様々な選択肢を提示する医師の声は耳に入らず、僕は、死んだ母親のことを思い出した。

 随分と時間をかけてアパートの部屋に辿り着いた僕は、玄関で倒れた。僕は、4年間いっしょに2人暮らしをしている飼い猫の「キャベツ」に起こされた。部屋の中には、黄色のアロハシャツにショートパンツを着た悪魔がいた。悪魔は、僕の姿形をしており、「実は……明日あなたは死にます」と告げた。悪魔は、世界からひとつだけ何かを消す代わりに寿命を一日延ばすことができるという取引を、僕に持ちかけた。僕は取引に応じた。

 職場の郵便局の局長が僕の携帯に電話に掛けてきた。出勤時間を過ぎていたが、局長は前日体調不良で早退した僕を心配していた。僕は、郵便局に1週間の休みを取ったが、悪魔は「それ、いらなそう」と携帯電話を指さした。

 僕は携帯電話を世界から消す代わりに一日の命を得ることにした。悪魔から、消す前に1回だけ消すものを使ってもよいというオプションを知らされると、僕は、3年半付き合い、7年前に別れた恋人に電話をすることに決めた。携帯電話には登録されていない番号を空で押し、現在は映画館に勤めているという彼女に繋がった。

 電話の次に、僕は、映画と時計を消す決断をした。次に何を消すかとなり、悪魔はにやりと僕に笑いかけ、猫を決してもらうことに決めたと告げた。

世界から猫が消えたならの読書感想文(ネタバレ)


 『世界から猫が消えたなら』は、読み終えて、死と生に向き合い始めた僕が、両親とキャベツと僕で海辺で写した写真を見たときに、母親は思い出が欲しかったわけではなく、僕と父親(=母親にとっては夫)に仲直りをしてほしかったのだと気が付いた場面が心に残りました。

 僕は父親とは口をきかず、いうなれば絶交状態にあるのですが、難病と闘っていた母親は最後まで、そんな僕と夫を気遣い、そして、僕は、母親の死後になってようやく、母親の思いに気が付いたのでした。

 人は失ってみてはじめて気が付くことがある、とは映画のセリフなどでも見かけますが、『世界から猫が消えたなら』は、気が付いてみてからどうする?というところが描かれていて、僕の行動が心に残りました。

 また、現代は本当に便利な世の中になりましたが、余命1日と宣告されてからの僕がかえって、時間の流れの速さといいますか、ゆったりとした時間の中で過ごしたように感じたことも印象に残りました。


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