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ナラタージュ/島本理生のあらすじと読書感想文

2016年11月10日 竹内みちまろ 参照回数:

ナラタージュのあらすじ


 まだ少し風の冷たい春の夜、工藤泉は、もうじき結婚する男性と一緒に新居を見に行った。帰り道で「ずっと、川のそばに住みたかったの」と告げた。男性は「君は今でも俺と一緒にいるときに、あの人のことを思い出しているのか」と尋ねた。

 ***

 泉は、大学2年生の春、高校の時の演劇部の顧問だった32歳の葉山貴司から電話を受けた。演劇部の部員がわずか3人になってしまったため、夏休み明けの始業式の日に行う演劇部の公演の練習を見に来てほしいと頼まれた。同級生だった黒川博文と山田志緒のカップルも参加するという。「本当に考えてみてくれないかな」と告げた葉山に、泉は「本当にそれだけの理由ですか」と尋ねた。

 葉山は泉が高校3年生の時に赴任してきた世界史の教師だった。3年生の新学期が始まる前日の日曜日、朝から雨が降っており、部活の練習で学校に来ていた泉は、廊下で葉山とすれ違った。泉が歩調を緩めて軽く会釈をすると、葉山は一瞬だけ泉を見て会釈を返した。

 葉山は泉が所属していた演劇部に顧問になった。泉が財布を失くしたときは、夜の校内を1時間以上も一緒に探してくれた。泉が体育の授業でペアになる人が誰もおらず、体育教師も泉の姿をあざ笑っていた際に、飛び出して来て、泉をかばった。泉の担任ではなかったが、泉が新しいクラスの人間関係で悩んでいるときも担任よりも親身になって相談に乗った。泉はしだいに体育の授業の時間に保健室に行くことが多くなった。葉山は泉を心配して声を掛けた。葉山も昼休みに泉が社会科準備室に顔を出すことを楽しみにするようになった。2人は、映画のビデオを貸し借りするなどして交流を重ねた。

 高校3年生の時、泉は、朝を迎えるのがうっとうしくて、それだけの理由で夜中に眠れなくなり、ふいに死んでしまえばいいのだと思った。高校に行く駅を通り越して遠い駅でホームから飛び降りるつもりだった。乗り換えでホームに降りた時、階段から葉山が降りて来て、泉に声を掛けた。泉はここでホームに飛び込もうかと思ったが、葉山の前ではできないと思った。泉は葉山に促されて電車に並んで座り、葉山と他愛のない話をした。泉は、葉山のことが好きなのだと気付いた。そして、もしも葉山が今の自分と同じように疲れて何もかも投げ出そうとしたときは、嫌がらせになってしまってもよいから、何としても自分が引き留めて、引き上げようと思った。

 泉は教壇に立つ葉山の細かな仕草のひとつ、ひとつまで見落とすまいと必死になっていた。それでいて視線が合うことが恥ずかしくて、葉山と目が合いそうになると黒板を見た。高校では葉山と泉の関係が噂になったこともあったが、噂話に嬉々とするようなことのない泉は自分が噂になっていることに気付かなかった。別のクラスだった志緒も、泉に噂のことを告げなった。

 泉は、今でも手帳に葉山への手紙を挟んでいる。卒業式の少し前、告白するつもりで社会科準備室へ行き、「葉山先生には恋人がいますか」と尋ねた。葉山は、泉が不安になるくらい黙った末、「僕は誰よりも君を信用している」、「だから本当のことを言う。その代わりにこのことは誰にも言わないでほしい」と告げた。葉山と泉は、高校を出て、近くの川沿いの道を歩いた。

 葉山は「僕の家がずっと母子家庭だった話は前にもしたと思うけど」と口を開いた。葉山の父親が子どもの頃に出て行ったこと、葉山の母親がお金のことで苦労していたこと、母親を助けたいと思った葉山は高校生になるとバイトを3つほどかけ持ちをして毎日のように働き、結局、高校を辞めてしまったこと、大学卒業後に教師として働き始め、同じく教師だった恋人と結婚することになったが、葉山が無理に母親との同居を勧めたこと、母親と妻の仲が険悪になっていったこと、葉山はバランスを取ろうとして生活していたこと

 母親が思ったよりも強く、そして、妻が思ったよりも弱かったことに気付かなかったこと、結婚して1年ほどたったときに警察から電話がかかって来て、妻が母親が一人で留守番をしていた自宅に火をつけようとしたところを逮捕されたことを知ったこと、葉山が裁判で妻が精神不安定だったことや葉山がなんの助けもしなかったことなどを証言して妻に2年の執行猶予がついたこと、すべてが終わると妻は両親に引き取られて北海道の実家に帰って行ったこと、義母から「あなたがしっかりしていればこんなことにはならなかったのでは」と泣かれたことなどを話した。母親も一時はショックが強くて1人で家にいられなくなったが、そのときに親身になって世話をしてくれた職場の男性と再婚して今は仙台の方に住んでいることも告げた。

 葉山の話を聞いた高校生の泉は「私ではあなたの力にはなれませんか」と尋ねた。葉山はきっぱりと首を横に振った。

 卒業式の日、泉と葉山は2人で校舎の3階の一番奥の教室へ行き、キスをした。葉山は「ごめん」と口にして教室を出て行った。泉は、志緒が探しに来るまで、その場に立ち尽くしていた。

 演出と舞台監督を担当する葉山が選んだ脚本の登場人物は男4人で女が3人。在校生の3人に泉、志緒、黒川を足しても男が一人足りないため、黒川が大学の知人・小野玲二を連れてきた。小野は大学の劇団に入っていたが、先輩の彼女から告白されてしまい、劇団を辞めていた。

 泉、志緒、黒川、小野の4人の大学生は、練習の帰りにファミレスでしゃべるようになった。アパートが近い小野が「寄って行く?」と誘い、4人で小野の部屋に行った。実家の話になったときに、小野が長野の実家に誘い、高校生たちは用事があったため、大学生4人で松本駅からローカル線で行く場所にある小野の実家に出掛けた。

 夏休みが近づいている頃、泉は小野から、小野の大学の友人の舞台に誘われ、特に用事もなかっため行く約束をした。帰りに小野のアパートの部屋に行った泉は、小野から「俺さ、工藤さんのこと好きだよ」と告白された。

 夏休みに、泉は、両親の転勤先のドイツに行った。両親が住むアパートの最上階の部屋は驚くほど大きく、泉は奥の部屋の出窓から町の風景を見渡した。母親と軽く散歩をしたり、父親とひとこと、ふたこと、ぎこちない言葉を交わしたりして過ごした。誰とも恋愛をするつもりはないという葉山の気持ちは変わらないだろうが、日本に帰ったら、葉山に、1年前に言いそびれた言葉を今度こそ伝えようと思った。

 帰国後、泉が演劇部の練習日になっていた土曜日に高校に行くと誰もいなかった。志緒に電話をすると、葉山が体調不良のため練習が休みになったと知らされた。泉はすぐに、「体調不良なんて嘘だ」と思った。泉はスリッパを鳴らして廊下を走り、葉山の家に向かった。インターホンを鳴らしたが葉山は不在で、仕方なく家に帰った。

 翌朝、目覚めるとすぐに、泉はテレビを付けて30代男性の身元不明死体のニュースがないことを確認した。葉山のマンションの周辺のファミリーレストランや喫茶店などをくまなく捜し、学校も1時間おきに覗いてみた。葉山は見つからなかった。夜になると高校の方まで戻り川沿いの道をたどった。夜の11時を過ぎて今日だけで何度も見た駅の方へ戻ってきたときに、最終バスの終わったターミナルの方を見ると、月明かりの下で葉山が一人でベンチに腰かけていた。

 だいぶ酔っていた葉山は、義父と会ったこと話した。「君だけを一方的に責めて申し訳なかった」と言われたときにショックを受けたことを告げた。妻に会いたいと思ったものの、妻に殺されかけた母親からは妻とやり直すなら親子の縁を切ると言われていることを口にした。3年間、事件のことだけを考えていたが、時間が確実に流れていたことを知ったとも。

 泉は「私になにかできることはありますか。なんでもします」と告げた。葉山が「僕が一緒に死んでくれと言ったら」と口にすると、泉は「一緒に死にます」と答えた。

 泉は葉山のマンションに行った。考えるよりも先に、泉は自分の唇を葉山に重ねた。しかし、「葉山先生、正直に答えてください。この部屋、なんだか女の人の趣味で選んだような物が多くありませんか」などと詰め寄った。葉山は、妻とは本当は籍を抜いておらず、別れることもやり直すこともできないでいることを告白した。

 泉は「私が今まで信じていたものは一体なんだったのか」と憤った。泉は、「ずるいです。そんなのずるいですよ」と葉山を責めた。葉山は、「だって君はさっき、一緒に死んでもいいって言ったじゃないか」と口にした。その瞬間、泉に怒りが込み上げた。泉は「嘘をつかれているなんて微塵も思わずに、それどころかあなたの苦しみを少しでも共有しているとさえ思っていた。馬鹿みたいじゃないですか。なにも知らずに、分かっているつもりでいたなんて」などと叫んだ。

 泉は「完璧なゼロに戻ろう。新しく始めるために、葉山先生を忘れる必要がないぐらい思い出さなくなるために」などと思いながら眠りについた。

 8月後半になると演劇部の練習が増えた。小野から「最近、葉山先生と目を合せないね。なにかあった?」と尋ねられ、泉は「ふられたんだ。だからもう、追わないことにしたの。あきらめたんだよ」と答えた。小野からバッティングセンターに誘われて、行くことにした。

 演劇部の発表会が終わり、泉は小野と付き合うことにした。デートを重ね、小野の部屋に泊まるようになった。小野が寝ている間に、葉山から携帯に電話があったが、小野と付き合っていると告げるとすぐに話を終えた。しかし、小野は「ちょっと携帯電話を見せてくれる?」、「いきなりあの先生からそんなふうに連絡があって、動揺したのかって訊いているんだよ」などと泉を責め始め、体を求めた。泉は小野が体を求めると、いいやと思って、体中の力を抜いて考えることをやめた。高校に通っていた頃の一番頼りにしていた葉山の姿が思い浮かんだ。

 夜、泉が誰かにあとを付けられることがあり、泉は目に入った電話ボックスに駆け込み、小野に電話を掛けた。小野は「もしも俺が迎えに行くって言ったら、もっと俺のことを好きになってくれる?」と告げた。泉は一瞬、何を言われたのかが理解できなかった。小野は「目の届く場所に、あんなものを置いておくなよ」とも言い、泉は、小野に葉山への手紙と葉山と写した写真を入れている手帳を見られたことを知った。小野は「付き合ってるんだから見たってかまわないだろう」と平然と答えた。

 受話器を置いた泉は、恐怖を感じる気力もなく、残っていたかすかな余力で葉山のアパートへ向かった。泉は、葉山に、「私を苦しめているものがあるとしたら、それはあなたがいつまで経っても同じ場所から出ようとしないことです」などと泣いた。泉は葉山から自転車を借りて家に帰った。小野に読まれた手紙を捨て、写真も破り捨てた。

 夜中に葉山から電話があり、高校の演劇部の塚本柚子が歩道橋から飛び降りて頭から落ちたことを告げられた。病院に向かうと葉山や演劇部の新堂慶、金田伊織、柚子の友達らしい女子たちがいた。

 柚子の様態は絶望的だった。葉山は生徒たちにいったん家に帰るように促し、小野と泉も帰ることにした。泉が病院の廊下で振り向くと、葉山も振り返った。葉山は、身震いするほど寂しげな表情をしていた。

 帰り道、泉は小野に、「私、葉山先生のところに戻る。本当にごめんなさい」と告げた。小野は「本当に悪いと思ってるなら、今すぐこの場に手をついて謝れよ」と詰め寄った。泉は地面にしゃがみこんで、落ち葉に顔をうずめて何度も土下座をして、ごめんなさいと繰り返した。

 泉が戻ると、葉山は病院の駐車場の隅に車を止めて待っていた。泉は「あなたに呼ばれた気がして」と告げた。葉山は、柚子を助けられなかった悔しさに声を出さずに泣いた。泉は、葉山の手を握り続けた。

 事故から3日目の朝に柚子は亡くなった。柚子は新堂に手紙を残していた。柚子は、夜にいきなり襲われ、レイプされていた。

 葉山は、泉に、妻とのことがあってから半年ほどはひどい不眠症で眠れず、たびたび裁判で休むことを不審がられ、疲れ切って、泉のいた高校に異動したことを告げた。そして、泉から頼りにされていることを感じて気力を取り戻したことを話した。当時は泉に対する気持ちが何なのか分からなかったものの、恋と同じか、あるいはそれ以上に泉を必要としていたことを告げた。

 葉山は妻とやり直すことになったことを話した。「君をこれほど大事に思うようになってようやく、もう一度、妻を大切にできるんじゃないかと思ったんだ」という葉山の言葉を聞いて、泉は「良かったなあ」と思い、そう思う自分を不思議がった。泉は、心の底からよかったと思った。

 柚子の葬儀が終わって1週間ほど経ったころ、葉山がストレスで倒れて入院した。葉山から連絡を受けた泉は病院に駆け付けた。葉山は「君以外に思いつかなかったんだ。すまない」といい、部屋から着替えなどを持ってきてくれるように頼んだ。泉は面倒だとは感じず、まっさきに必要とされて喜んだ。

 葉山は「君が来てくれて安心した」と告げた。泉が「いくらでも安心してください。これからは毎日来ます」と答えると、「本当に?」と少年のような無防備な喜び方をした。泉は「この顔だ」と思い、「この人からはなにも欲しくない。ただ与えるだけ、それでおそろしいくらいに満足なのだ」と実感した。

 泉は大学の帰りに病室へ行き、ぎりぎりの時間まで葉山のそばで本を読んだり、レポートをしたりして過ごした。おだやかな時間だった。

 葉山は絞り出すような声で「僕は君が好きだ」と言った。泉は「私も好きです。どうしょうもないほど、あなたが好きです」と答えた。葉山が「本当は、ずっと君のそばにいてあげたかった」と告げると、泉は「それが聞けただけでも十分です」と返した。

 退院した午後、泉は葉山のマンションへ行き、葉山と体を重ねた。夜明けに目覚めると、葉山は、泉に、父親が残して行ったという古いアンティークの懐中時計を差し出した。泉は「もらえません」と言ったが、葉山は「いいんだ。きっとこれから、僕は変わっていく。君のおかげだ。だからもう、これは必要ないから君にあげたいんだ」と告げた。

 葉山に見送られて泉は電車に乗った。泉は、今のうちに目に焼き付けておきたいと思って、次の駅で降りて反対側の電車に乗った。電車を降りると、葉山が反対側のホームに立っていた。泉が大きく手を振ると、葉山も真顔で手を振り返した。やがて、葉山は、手を振ることをやめて、ゆっくり階段に向かって歩き始めた。泉は、心の中で、さようならと唱えながらいつまでもそこにいた。それが、泉が葉山に会った最後だった。

 大学を卒業した泉は、何とか希望の会社に就職することができた。志緒とは連絡を取らなくなっていった。懐中時計がキッカケで職場の男性に、葉山のことを話した。その男性と食事に行くようになり、1年後に結婚を決めた。

 泉は偶然、葉山の友人のカメラマンの男と食事の席を共にすることになった。カメラマンの男から、卒業式に葉山と2人で写真を撮りませんでしたかと尋ねられ、「……撮りました」と答えた。カメラマンの男は「ほうらやっぱりな」と笑い、葉山が泉と2人で写した写真を定期入れに入れて持ち歩いていたことを告げた。

 泉は、これからもずっと同じ痛みを繰り返しながら何度でも葉山に初めて会った「あの薄暗かった雨の廊下に」帰り、葉山に会うのだと思った。周囲の目も気にせず、空中を見つめたまま涙を流し続けた。

ナラタージュの読書感想文


 「ナラタージュ」は長い小説ですが続きが気になって一気に読んでしまいました。例えば小野と2人で長野の小野の実家に行った時に小野の母親に好意的な親密さを感じて「これが付き合うということなんだ」と感じる泉の感性の流れのようなものが丁寧に描かれていて、読み終わってしばらく経っても、余韻が残っています。

 色々なことが思い浮かんだのですが、今回は、「父性の不在」ということを書いてみたいと思います。

 「ナラタージュ」には、父親を失くした人たちが多く登場すると思いました。葉山と柚子は、母子家庭で育っています。小野は、泉に、祖父が戦争から戻らずに祖母は女手一つで5人の子どもを守ったという話をします。泉の家庭は、母親が夫である父親を心から愛している一方、娘である泉はどこか父親を覚めた目で見つめています。泉は父親と2人でどこかに出掛けたり、遊んだりした記憶がほとんどなく、「尊敬はできても娘の視点として見たときに遠く感じる」存在で、「妻にとっては魅力的な男性かもしれないが、私にとってはどこかよそよそしい人」。ドイツではそんな父親との交流をかすかに期待する場面もありましたが、父親は泉に興味を示しませんでした。そして、泉は、「ふと、だから葉山先生なのだろうか」と思い、葉山が父親とは全く違うタイプであることに気付くと、「我ながら単純だなあ」と苦笑いをします。志緒からは、「前から思ってたけど、泉は年齢の離れた男女の恋愛の話が好きね」と言われていました。

 そんな泉ですが、付き合うようになった小野の強さに触れ、「ああ、この考え方がきっと小野君の一番根本的な核となっている部分なのだ」と感じます。泉が胸をときめかす場面もありましたが、葉山への嫉妬により小野は泉に、志緒から「別れたほうがいいんじゃないの」と言われるほどのひどいことをするようになりました。

 小野とはうまくゆかず、どうしても葉山に引かれてしまう泉ですが、葉山が「仕方ないんだ。僕は君の求めるものをなに一つ与えることが」と口にしたとき、頭に血がのぼり、葉山に感情をぶつける場面がありました。

 泉は「あなたはいつもそうやって自分が関われば相手が傷つくとか幸せにできないとか、そんなことばかり言って、結局、自分が一番可愛いだけじゃないですか」といい始め、「私を苦しめているものがあるとしたら、それはあなたがいつまで経っても同じ場所からでようとしないことです」と言います。

 この場面を読んで、川端康成の「山の音」が思い浮かんできました。というのも、泉が今いる場所から一歩も前に進もうとしない葉山の背中を押そう、押そうとする姿が、「山の音」に登場する修一と菊子の姿に似ているような気がしたからです。修一は戦争から帰ってきて人間が変わってしまいましたが、それでも、修一なりの方法で、菊子の背中を押そう、押そうとしているように感じました。それでも菊子は今いる場所から前に進もうとしないのですが、この場面を読んで、泉と修一が重なって見えました。

 「ナラタージュ」では、「山の音」を読んだときに感じたような、ある時代を生きる日本人の姿や美しさのようなものは感じませんでしたが、一方では、「ナラタージュ」を読んで、もしかしたら、日本の文学というものは、紫式部や清少納言の時代からずっと、変わらず女流文学の中にあり、そんな日本の文学においては、「父親の不在」というものが大きなテーマなのかもしれないと思いました。


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