2017年9月6日 1時40分 参照回数:
SPL∞ASH (写真:竹内みちまろ、2017年9月2日、Tokyo Dome City Hall)
今年で3年目を迎えた、全国のアイドルが国民的アニメソングをカバーするコンテスト「愛踊祭(あいどるまつり)2017 決勝大会」(2017年9月2日(土)会場:Tokyo
Dome City Hall)を見に行ってきた。
「愛踊祭」とは、老若男女を問わず馴染みのある国民的アニメソングを課題曲とし、各地のアイドルたちが自分たちでオリジナルの振付を行い、楽曲・パフォーマンスを通してアイドルの魅力を全国規模で広め、競い合うイベントだ。各地の予選を勝ち抜いた11組が東京ドームシティホールに集まった。
1曲目はそれぞれのチームのオリジナル曲を歌い、そのあとに課題曲2曲を歌う。今年の課題曲は「キューティーハニー」と「魔女っ子メグちゃん」。どちらも聞きなれた懐かしい曲だが、アレンジは現代風になっているのがにくい!
「愛踊祭」と銘打つだけあって、出演者たちはみな生き生きと歌い踊る! さすが予選を勝ち抜いてきた精鋭たちだけあって、その迫力に圧倒される。きっと毎日すごい勢いでレッスンしてきたんだろうなと感じて……。
パッと見の印象は、みんなとにかく若い!! アイドルだから当たり前なんだけど。
関東代表の「渡良瀬橋43」のメンバー、原島ルカちゃんは見るからに背が小さくて、え、小学生なの!? と驚く。でもこれがまた、大人顔負けのパフォーマンスを見せる。
自分が小学生のときなんて、こんなにお客様に向かってアピールしながら歌えなかった。というか、そんな機会もなかったし。強いて言えば合唱コンクールで歌ったな、ってくらいで。それも、ただただ間違えないようにみんなに合わせて歌っただけだ。
そう考えるとこの完成度は立派なもの。声量もあって、笑顔も忘れず、さらにファンのひとたちへの声掛けも一線で活躍するアイドルさながらだ。
パフォーマンス後にはそれぞれ応援団の人たちがインタビューを受けるが、メンバーのお母さんが自分の年齢と変わらないか、いやむしろ若いのでは? ということにはそっと目を伏せた……。
参加者みな、全国各地でアイドル活動をしている。それはもう、ちょっと趣味でやっています、というレベルではなく、それぞれのコンセプトやビジョンが明確で立派なプロだった。
特に「BANAI JAPAN(バンザイジャパン)」は、他グループと大きく差別化されていた。エンタメパフォーマンスとして完成されていた。「天下統一アイドル」と銘打って、紅白の、和をモチーフにした衣装と小道具(扇子)が印象的。扇子を生かした振り付けも新鮮でよかった。さらに「世界の夜明けは近いぜよ!」と叫んだりする。もはやその突き抜け感は清々しい! ちなみに姉妹グループは「ASHIGARU JAPAN(アシガルジャパン)」というらしく。ぜひこのまま世界感を極めてほしい!
とはいえ、今回はアニソンカバーコンテスト。個性だけでは勝てないようだ。オリジナル曲だけでなく、課題曲にも説得力がないといけない。どのチームも工夫を凝らした表現を見せていた。
審査員の人も、かなり細かく、プロ視点で講評をしているのもすごかった。
こんな小さいときに大人にこれだけ真剣なこと言われたら、私だったら完全にビビッてどうしようもないな、と思うほど。きっとアイドルを目指すにはこんなことにへこたれてたら、だめなんだろうな。
優勝は、中国・四国代表の「SPL∞ASH」だった。
3年連続決勝大会に出場しているグループだ。普段は広島県で活躍しており、あのPerfume(パフューム )を輩出しているアクターズスクール広島の在校生で結成されている。きっとたくさんいるレッスン生の中から選ばれたメンバーなのだろう。歌も踊りも安心して見られたグループだった。
特に「魔女っ子メグちゃん」は、まさに小悪魔みたいな雰囲気のメンバー、由良朱合ちゃんを中心に(歌う前にそう説明あり)、その歌詞のストーリーをうまく表現しているのが上手かった。
コンテストなのでどうしても順位はつくけれど、どのグループもがんばっている姿が純粋によかった。夢に向かって貪欲で。若いうちはとにかくわき目もふらず、何かに打ち込むことは大切だと思う。そこで感じる葛藤はきっと大人になっても役立つから。(勉強も負けずにしてほしいけど)
ぜひ、「魔女っ子メグちゃん」の歌詞のように、みんなをイチコロにするようなアイドルになっていってほしいなあと心から思った。 (スギ タクミ)
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愛踊祭(あいどるまつり)2017 決勝大会 (写真:竹内みちまろ、2017年9月2日、Tokyo Dome City Hall)
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