【女子コラム】女性が女性に憧れる、これは理にかなったことじゃないかと思う。
子供のころ、可愛いお人形さんを大事にするということが、まずは美しいものへの憧れの第一歩だろう。もう少し成長すれば、「あーいう風になりたい」とカワイイ人やキレイな人をお手本に、メイクやファッションを真似ていく。そういう憧れの女性たちが目の前にたくさん出てきたら……、それは間違いなく興奮するはずだ!
そんな女子の夢がいっぱい詰まった「GirlsAward 2015 AUTUMN/WINTER」に行ってきた。まあ美しいモデルやタレントたちが、ブランドの新作衣装をまとい、ランウェイを颯爽と歩いていく。「別世界にいる人たち」と思いながらも、がんばれば自分もいつかあーいう風になれるのではないか、と思えてくるのが不思議である。
そんな華やかなファッションショーの間に行われた「乃木坂46」のライブを体験した。
私の中の、乃木坂46へのイメージは、清楚なお嬢さん。しかも綺麗な顔立ちをした子が多いという印象であったが、そのイメージ通り、派手すぎず、地味すぎず、白をベースにピンクとブルーが入ったふんわりとしたワンピースを身にまとったメンバーたち、まるで天使のように見えた!
彼女たちが登場すると、3万人の観客の興奮はすぐに最高潮に達した。男性ファンの姿もちらほらあったが、ここはガルアワですから! 観客の8割以上は女子たちだろう。振り返れば女子も立ちあがって熱い声援を送っている。女子からの支持も十分あるグループなんだなと感心! たしかにメンバーの中には女性誌の専属モデルをやっている子も多い。他のアイドルグループと少し違う雰囲気を醸し出しているのは、そういうところなのかもしれない。
みな、可愛らしく、華奢そうに見えるのに迫力あるパフォーマンスはとても惹きつけた。
「命は美しい」のサビでは、白石麻衣がステージからランウェイをひとり走り出した。しかし誰も彼女のあとには続かず、なんとなく他のメンバーは苦笑いをしているように見えた。その瞬間、何かおかしい!? と白石が後ろを振り返る。
「!」
慌ててステージに戻り、メンバーと一緒に踊る白石。どうやら次のサビで前に出る段取りだったようだ。生のステージだもの、そういうこともあるよね、とむしろ可愛らしく感じた。
曲終わりのMCで、「思いっきり間違っちゃった〜」と恥ずかしがる白石に、生駒里奈がナイスのフォローをいれる。「こんなこと珍しいでしょ? まいやん(白石)来てくれてうれしかったよね〜」と。
完璧すぎるより、どこか人間味あふれた瞬間が垣間見えたとき、人は共感を持つものだし、特別なものが見られたとうれしくなるものだ。そんなキュートなハプニングに会場がさらに盛り上がり、その後、新曲の「今、話したい誰かがいる」と「太陽ノック」とシングル曲が続き、歓声はさらに大きくなっていった。
ステージ上で印象に残ったメンバーは、やはり白石麻衣と生駒里奈だ。白石はとにかく美人! 完璧だ。あんな子がそばにいたら、きっと放っておかないだろう。一日だけでいいから入れ替わってみたいと思った(笑)。
生駒ちゃんは髪が伸びて、少し大人っぽくなった印象。女性の色気も感じた。もともと元気なイメージが強いから、すごくギャップを感じてよかった。あとは生田絵梨花が可愛いらしかった。ふんわりとした優しい雰囲気がステージ上から伝わってきた。次生まれ変わったら、あんな感じの女の子になりたい! 橋本奈々未もきりっとしてかっこよかった。美人は遠くから見てもちゃんと美人とわかるんだと実感した。それから一番しっかりしていそうに見えたのが桜井玲香。初めと終わりの挨拶をきちんとこなしていて、あとで調べてキャプテンと知った。ちゃんと責任感が伝わってきて好印象だった。
乃木坂46の魅力は、可愛らしさと美しさの間をゆらゆらとうごめく女性たちである、ということだろう。まさにこれから、大人の女性へと脱皮していく貴重な瞬間がいくつも訪れるに違いない。やはり美しいもの、綺麗なものは、性別問わずにずっと見ていたいもの。彼女たちがこれからどんな女性へと変化していくのか、そっと見届けたいと思った。(スギ タクミ)
【セットリスト】
「命は美しい」
「制服のマネキン」
「今、話したい誰かがいる」
「太陽ノック」