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「ガールズ演劇を世界へ」2020年東京五輪を見据えパイオニア・アリスインプロジェクトが会社化!

2017年7月11日 1時00分 参照回数:

アリスイン株式会社設立発表会

アリスイン株式会社設立発表会(写真:竹内みちまろ、2017年7月10日、シアターKASSAIにて)


 2010年に個人事業としてスタートしたガールズ演劇カンパニー「アリスインプロジェクト」が2017年7月1日に「アリスイン株式会社」として法人化し、7月10日に、池袋・シアターKASSAIにて「アリスイン株式会社設立発表会」を開催。法人化した目的と今後の抱負が語られた。

 アリスインプロジェクトの旗揚げ公演は、ガールズ演劇というジャンルがまだ確立されていなかった2010年に行われた。当時は、アイドルが舞台に出演する際はヒロイン役が中心で、それ以外での舞台出演機会は少なかったという。

 ガールズ演劇の特徴のひとつは、出演者が女性のみという点。ファンは、自分の推しの女の子たちが舞台で輝く姿を観ることができ、熱い支持を得た。2011年以降は、アリスインプロジェクトは年間に約10本の演目を公演しており、現在までの8年間で、合計62公演を行ってきた。1,100人の女性キャストが出演し、68,000人の観客が劇場に足を運んだ。現在は、東京だけではなく、札幌と名古屋での年1回と、大阪での年2回の定期公演も定着している。昨年には香港で、今年には台湾でも公演も行った。現座、福岡公演を準備中で、2018年夏にはシアターKASSAIでの1か月公演を計画中という。

 発表会では、アリスイン株式会社の鈴木正博社長から、公演の製作だけではなく、ガールズ演劇をよりよい形でより長く続けていくための取り組みも必要だと考えたため、アリスイン株式会社を設立したことが語られた。併せて、強化した経営基盤を元に、質にこだわったより大きな劇場での公演の製作をはじめ、舞台を補完する実写映画の製作、舞台作品のアニメ化、舞台と実写映画とアニメ化作品の連動などに取り組む方針が発表された。会社化後の新体制で役割を担う担当者や、クリエーター、スタッフ、アーティスト、キャストとして関わる関係者たちから意気込みが語られた。

 さらに、2つの新演劇ブランド「アリスインスターズ」「アリスインPROGRESS」を立ち上げることが発表された。

 「アリスインスターズ」では、原点であるガールズ演劇の登竜門というスタンスを崩さず、新しい作品や新しいキャストの可能性を追求する。「アリスインPROGRESS」では、蓄積されている演目のアーカイブの中から再演やリニューアル公演を行い、舞台と並行して映画やアニメ作品を連続公開するなどマルチメディア連動も行う。現在の年間約10本の公演本数は変わらず、当面は、「アリスインスターズ」の公演が年間で8〜10本、「アリスインPROGRESS」の公演が年間で1〜2本になる見通し。

 発表会後の囲み取材では、鈴木社長がガールズ演劇の魅力や、今後の展望を語った。

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−ガールズ演劇は、ファンにとっても、キャストにとっても、魅力的ですね。

鈴木社長:ファンの方にとってという側面ですが、演劇は、作家主導であったり、演目主導であったり、俳優主導であったりすることが多いのですが、自分の大好きな推しのキャストがセンターに立って、その子が輝くために作られている演劇は実は少ないのではないかと思います。推しの子が一番輝ける舞台を作りたいというところから、ファンへ向けてのガールズ演劇の製作を始めました。

鈴木社長:演者にとってという面で言えば、登竜門として活用してほしいです。演技経験を積んできた女優を集めるというスタートをしておらず、「アリスインプロジェクトと一緒に演技を始めてみませんか」というところからスタートしています。演技というとハードルが高かったのですが、「スタートさせてみれば自分のためになるし、お客さんも喜んでくれるし、芸能活動を続ける糧にもなりますよ、だから一緒に一歩を踏み出してみませんか」というメッセージが含まれています。ステージに立って、そこで成長して、そして、業界の人の目に留まれば次の仕事を掴むことにも繋がります。

−ガールズ演劇がここまで支持されている理由は?

鈴木社長:お客さんの好きなものだけを集めているからです。演劇では、「戦争とは」や「人生とは」など、重いテーマを扱ったり、難しいテーマを扱ったりすることもあります。もちろんそれが悪いわけではありませんし、そちらの方が一般の人にとっての演劇のニーズを外していないと言えるのかもしれません。ですが、ゲームや、アニメや、アイドルが好きな我々のお客さんは、そういった本格的なテーマよりも、例えば、ラノベっぽかったり、ゾンビが出て来たり、ロケットを打ち上げたり、タイムスリップして仲間を助けたり、という方が好きだと思います。そういう、お客さんの好きなものだけを作るという姿勢が共感を呼んでいるのだと思います。

−劇団形式にしないのはなぜですか?

鈴木社長:もちろんお客さんを増やしていくという側面はあるのですが、同じお客さんに対して同じスタッフで作品を作り続けるというのは、ひとつのスタンスだと思います。実は、20年くらい前に劇団の製作をやっていまして、長くそういう現場を見続けてきました。ただ、演者のファンの方が観に来るアイスインの公演では、演者が変われば、基本、お客さんも変わります。だったら、そのときの演目やお客さんに合わせて、最適なスタッフを集めるのは当然ではないかと思いました。衣装も、美術のセットも、音楽も毎回違うわけですから、スタッフが同じでなければいけない理由はありません。誰を喜ばせたいかということがはっきりしていれば、劇団スタイルにこだわる必要はないと思います。

−2017年7月というタイミングで法人化したのは、2020年の東京オリンピックを意識してのことですか?

鈴木社長:東京オリンピックのために会社化したわけではないのですが、東京オリンピックは会社化したことのひとつの目的になっています。“海外のお客さんがたくさん来る2020年のオリンピック月間に何を上演しているのか”ということは、この業界で演劇を作っている人たちの共通のテーマだと思います。ひとつ言えば、我々には「戦国降臨ガール・インターナショナル」という演目があり、そこには「ノンバーバル(=言葉に頼らない)パフォーマンス」と「プロジェクションマッピング」という、言葉に頼らない2つの表現方法があります。さらに、日本のアニメ、ゲーム、漫画のコンセプトを引き継いだ可愛い女の子たちによるガールズライブエンターテイメントをミックスさせることができますので、オリンピック月間に、既に我々の席はひとつ、あるのではないかと思っています。我々は、海外の方に「日本に行って、これを観てよかった」と言ってもらえるものを提供します。そこへ向けての準備が、今回の会社化のひとつの大きなテーマになっています。

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 「ガールズ演劇を世界へ広げていくことは我々の役割」と語る鈴木社長とアリスイン株式会社のメンバーたちのさらなる活躍に期待したい。(竹内みちまろ)



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