現役アイドル・田中由姫、「AKB49〜恋愛禁止条例〜」を観て一生アイドルを決心した理由とは?


2014年9月16日 22時00分 著者:田中由姫 参照回数:


【地下アイドル】田中由姫が「AKB49〜恋愛禁止条例〜」を観て一生アイドルを決心した理由とは?

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (撮影:竹内みちまろ 2014年9月10日 アイア シアタートーキョー.にて)


 ミュージカル「AKB49〜恋愛禁止条例〜」が2014年9月11日から16日まで、アイア シアタートーキョー(東京・渋谷区)にて上演された。人気コミックを原作とし、実在のAKB48メンバーたちが、舞台上で、AKB48メンバーを演じるという注目の作品。宮澤佐江が男女2役の主演を務め、ヒロインは小嶋真子と大和田南那のダブルキャスト。須田亜香里が、宮澤のライバルを演じた。「AKB49〜恋愛禁止条例〜」を観劇した現役アイドル・田中由姫からコラムが届いたので、お届けしたい。(編集部)

 *ご注意、このページには、ネタバレが含まれます。



 今回、私、田中由姫が見に行ったのはミュージカル「AKB49〜恋愛禁止条例〜」。講談社「週刊少年マガジン」にて4年にも渡り連載している漫画を、普段歌って踊っているアイドル達が、歌って踊るアイドルを”演じ”、それをミュージカルにして表現するというのだから期待大である。もちろん出演メンバーは今でも現役で48グループに所属している子たちで、主演は宮澤佐江。宮澤は浦川みのりという女の子を演じるのだが、実はみのりは男であり、浦山実(みのる)という普通の男子高校生の役も演じている。

 ここからは現役アイドルとしての考えを交えつつ、舞台の内容を書いていきたいと思う。

 始まった瞬間のスポットライトに照らされた宮澤の顔は、女の子ではなくまさに男の子だった。歩き方、踊り方に加え、声までもが男の子のようで、宝塚のような雰囲気さえも感じられた。そして、ヒロイン役として二人のAKBメンバー、小嶋真子と大和田南那が浦山実に片想いする、吉永寛子を演じる。今回私が見に行った公演は、大和田が吉永寛子を演じている回だった。

 吉永寛子が実の前で「AKBに入りたい」という夢を語る際、非常に印象に残ったセリフがある。

「自分の夢だけには素直になりたい」

 私はアイドルとして今でもステージに立っているが、過去に挫折を経験しており、本当にこれが自分のやりたい事なのかと夢を諦めそうになったことがある。それでも自分に嘘はつきたくない。やりたいことをとりあえず最後までやりきろうという思いにより、立ち直り、今の私がある。そんな私にとって、このセリフは心に響き、親近感のようなものも感じられた。

 前向きに夢に向かう吉永を私は昔の自分に少し重ねてしまった。

 もう一人、主要キャラになるのが須田亜香里演じる岡部愛だ。須田は普段は明るくて努力を惜しまない子だけど、決して完璧とは言えない。そんな須田が今回演じるのはスーパー研究生。歌もダンスも完璧で可愛い女の子。自分とは少し違った役柄を須田は完璧に演じきり、会見でコンプレックスと語っていた歌唱力に関して、微塵も感じさせない堂々とした演技でスーパー研究生を演じきっていた。

須田亜香里

須田亜香里 (撮影:竹内みちまろ 2014年9月10日 アイア シアタートーキョー.にて)


 ミュージカルということでもちろん歌もあり、楽曲はAKBの名曲達。中でも宮澤が男の子として歌う「大声ダイヤモンド」はアイドルとしての可愛さはなく、純粋に男の子が女の子に大好きと伝える、素直な感情を表現しており、いつもとは違う「大声ダイヤモンド」が聴けたように感じる。

 歌以外でもスクリーンを使った演出があった。研究生たちの噂がスクリーンに某巨大掲示板のように映し出されていた。あれは今のアイドル事情をリアルに表現していたと思う。実際、掲示板には傷つくことやありもしない事が書いてあったりするのだが、中には的確なことも書いてあったりして、私は参考にしている部分もある。

 ここからはサブタイトルにもなっている恋愛禁止条例に注目して話を進めていきたいと思う。

 大事な公演日に実が片想いする吉永が倒れたことを知り、公演一時間前に仲間の説得も聞かず、会場を抜け出して病院へ行ってしまう。仕事よりも恋愛を優先してしまうのだ。病院のベッドで眠る吉永に語りかけていると、吉永はそれに応えるように「私の夢はみのりと一緒に選抜メンバーになること」と言いまた眠りについてしまう。みのりは仕事よりも恋愛を優先していた自分に後悔し、そしてまだアイドルを続けたいと思い、みのりは恋愛よりアイドルとして生きていくと決めたのだった。

 ここの一連の中で歌われた曲が「君はペガサス」だ。その中に「愛を思い続けた罰さ」という歌詞がある。大事な公演をすっぽかして今まで頑張ってきた仲間を捨て恋愛を優先してしまった。そして「私の夢はみのりと一緒に選抜メンバーになること」と言った吉永の夢までをも壊してしまったのだ。それが愛を思い続けた罰であるのだろうと思った。

宮澤佐江と大和田南那

宮澤佐江と大和田南那 (撮影:竹内みちまろ 2014年9月10日 アイア シアタートーキョー.にて)


 私達地下アイドルはAKBのように公にしてないものの暗黙の了解で恋愛は禁止となっているが、アイドルとはいえ年頃の女の子。出会いもあり中には応援して下さる人と繋がり関係をもってしまう人もいる。だが、私が知っている限りでは結局バレて解雇となり、夢を自ら壊してしまう子たちばかり。気を付けようとしていても恋は盲目。周りが見えなくなってしまうのだ。

 このミュージカルを見て、ダンス、歌、表情などアイドルとしてとても勉強になったが、他にもアイドルとしての使命を学び、私も一生アイドルとして生きていく決心がついた。(文=田中由姫

【著者紹介:田中由姫】

田中由姫:1991年9月1日生、神奈川県出身、身長156cm。横浜・関内の一緒に飲めるご当地アイドル「かんない少女隊」に絵里澤えゆとして参加。さらに「パチンコ攻略マガジン」にてライターとしての一面も見せるマルチタレント。今までのアイドル像を覆す新世代アイドルとして注目を集めている。(田中由姫ブログ「あまずっぱい女の子始めました。」



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