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女子大生の“ラストユニドル”にかける想いとは「ももキュン☆は、永久に不滅です!」


2016年10月1日 22時10分 参照回数:



ももキュン☆
ももキュン☆  (写真:竹内みちまろ、2016年8月30日、新木場Studio Coastにて)


 「UNIDOL」(ユニドル)さんは、ご縁があって2014年7月開催の第4回大会から取材させて頂いている。ユニドルとは、2012年に始まった女子大生によるアイドルコピーダンスグループの日本一を決定するコンテストで、近年は夏と冬に全国大会が開催される形で定着している。

 ユニドルは、取材記事を配信する度に、様々な問い合わせが来ることが特徴だ。第8回大会となる「UNIDOL2016 Summer supported by スマートライフ」(2016年8月30日)の結果を兼ねたインタビュー記事を配信したときは、あるチームの出場者の保護者の方から、「今回が娘にとっての“ラストユニドル”でしたが……」という問い合わせを頂いた。内容は、当日、応援に行くことができなかったため、娘さんの踊っている姿の写真があったら見せてほしいというもの。

 保護者の方が、例えば甲子園を目指す高校球児の両親が「今回が息子にとっての“最後の夏”でしたが……」と言う時とまったく同じ感覚で、“ラストユニドル”という言葉を使っていたことが印象に残った。

 ユニドルは大学生を対象とした大会であるため、出場者は、大学を卒業すると同時に大会への出場資格を失う。もちろん、すべての大学が4年制というわけではなく、大学や専攻によって特性はあるものの、出場者たちの多くは、就職など卒業後の進路への準備のために、3年生の夏で、大会への出場からは引退する。

 3年生の夏の大会が、高校球児にとっては“最後の夏”となり、女子大生にとっては“ラストユニドル”になるというわけだ。

 2014年4月に早稲田大学に入学した1年生たちによって結成されたアイドルコピーダンスサークル「ももキュン☆」(早稲田大学・所沢キャンパス)にとって、結成2年後の夏の大会となった2016年8月の第8回大会が、チームとして初めて迎えた“ラストユニドル”となった。「ももキュン☆」が第8回大会をもって解散したというわけではなく、3年生のメンバーが“最後の夏”を迎えたという意味だ。

 そんな「ももキュン☆」は、第8回大会にどんな想いで出場したのか。メールインタビュー形式で、話を聞いた。

 「ももキュン☆」は、ユニドルの本大会には、2015年2月に開催された「UNIDOL2014-15 Winter」から出場している。予選を突破できるか否かのボーダーライン上にいる中堅チームという印象を持っていたが、この夏の「UNIDOL2016 Summer supported by スマートライフ」では、激戦と言われた関東予選を圧巻のパフォーマンスで2位通過し決勝戦に駒を進めた。

 私見だが、よい悪いはさておき、現在のユニドルでは、自分たちが盛り上がることではなく、会場を盛り上げることが高い評価を得るパフォーマンスを生み出すように思える。大学の友人らをはじめ、普段、アイドルのライブに足を運ばないような人も多く駆け付けることが予想される会場では、曲ごとに何を見てもらいたいのかを明確化し、曲の解釈を深め、自分たちの想いを分かりやすく伝え、その中で、“アイドルへの愛”や“楽曲への愛”を自分たちなりの方法で表現することが総合的な評価に結びつくようにも思える。

 この夏の関東予選での「ももキュン☆」のパフォーマンスを見たユニドルファンの中には、「ももキュン☆」のチームとしての成長に目を見張った人も多かったかもしれない。「ももキュン☆」は今年2月に開催された「UNIDOL2015-16 Winter」では予選落ちを経験したが、それで、ひと皮むけたのか。

 「ももキュン☆」のリーダー「ももか」(3年生・2期生)によると、今大会の「ももキュン☆」の目標は、特別賞を含む入賞だったそうだ。

 そのために、7月には週に2、3回、8月には深夜の練習を含めてほぼ毎日、練習をした。歌い方や表情は各自が自宅などで自主練をして磨きをかけた。

 新メンバーにはダンス初心者が多かったものの、ダンスリーダーの「みほりん」を中心に筋トレやアイソレーション(=体の各部分を単独で動かすトレーニング)などを基礎から行い、大会が近づくにつれて、お互いに見合ったり、ビデオに撮って何度も見たりして、「とにかく揃える」ということを意識して練習を重ねた。

 決勝戦では、「ももキュン☆」は4曲の楽曲を用いてステージを構成した。「ももか」は「とにかく観客席を圧倒したかったです!」といい、曲ごとに、「フォーメーションをきれいに」(1曲目)、「煽り! 盛り上げ!」(2曲目)、「かわいく! レスを送る!」(3曲目)、「エモく! 感動的に!」(4曲目)というテーマを決めた。4曲目は、「歌詞が自分たちと重なり合ってとっても良く満場一致で決まった曲で思い入れが強く、『みんなを泣かせよう!』と意気込んでいました」とのこと。

 「ももキュン☆」のステージでは、マイクの音量が入らなかったというトラブルがあり、2曲目の「ステルス部会25:00」(夢みるアドレセンス)では、メンバーの声がまったく観客席に届かなかった。

 「ステルス部会25:00」では、一気に勢いを付けるため、「みーにゃん」が「いっくぞおーー」と叫んだ(メンバーの中で誰が一番かっこよく言えるかを何度もテストして決定した)。しかし、トラブルのため、その声は会場には届かなかった。

 「ももキュン☆」のメンバーたちは、「(ステージは)いままでで一番楽しかった! でもやはりその分、マイクの不具合が悔やまれる! いつか同じメンバー、セトリでリベンジしたい!」と感想を語っていた。

 「ももか」は、「いつもそうなのですが、『このメンバーで踊るのはラストだ! ももキュン☆史上最高にする!』という覚悟で挑みました」と話してくれた。

 大学生である出場者たちにとって、一番大切なのはもちろん勉強で、大学生であるがゆえに、ユニドルの大会と、テストや実習などの日程が重なってしまったら、どうすることもできない。多くの出場者は、アイドルコピーダンスの活動だけをやっているわけではなく、留学したり、アルバイトをしたり、他にやりたいことがあったりもするのだろう。3年生が引退する“ラストユニドル”ということもあるが、チームにとっては、“このメンバーで踊ることができるのはラストかもしれない”という意味で、どの大会も、“ラストユニドル”になるのかもしれない。

 大学生は限られた時間の中でコンテストに挑まなければならない。が、引退後にはじめて、戦い方を筆頭に多くのことが見えてくるのかもしれない。「あの時、こうしていれば、もっと違った結果になっていたのかもしれない」と悔やんだ経験がある人は多いと思う。

 「ももキュン☆」を結成してアイドルコピーダンスに打ち込んできた3年生の中には、この夏の大会で引退したメンバーもいるのだろう。先輩がいない中、ユニドルに出場するために自分たちでチームをゼロから立ち上げて、苦しい中で、ここまでの結果を残してきたメンバーたちだ。「あの時、こうしていれば、もっと違った結果になっていたのかもしれない」という想いは誰よりも強いのかもしれない。

 ただ、そんなメンバーにとっても、この夏ですべてが終わったわけではなく、自分たちは大会からは引退しても、自分たちが作り上げてきたチームと、育ててきた後輩たちが残る。後輩たちに自分たちが経験した悔しさを味わってもらわないためには、できることはたくさんあるし、チームにとっては、引退した3年生の存在は、指導者や精神的支柱として、大きな力になる。勝手な想像だが、チーム作りという意味では、案外、「ももキュン☆」の3年生たちは、引退してからも、出場者とは別の意味で忙しくなるのかもしれない。

 2年生で4.5期生の「りな」は、「ももキュン☆は、永久に不滅です! もしかしたら何らかの理由で今度活動を休止したりする時が来るかも知れません。でもメンバーや応援してくださった皆さんの心の中にいつまでも残るものだと信じています!」と話してくれた。

 「ももキュン☆」の3年生たちはこの夏で“ラストユニドル”を迎えたのかもしれないが、「ももキュン☆」の歴史は、今ようやく始まったようにも思える。そして、3年生たちの想いを受け継ぐ後輩たちがいる限り、「ももキュン☆」はいつか、快進撃を始める。(竹内みちまろ)

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