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日本のアイドルは海外に出るべきか? JAPAN EXPO出演のオレンジポートに聞く

2015年2月17日 0時12分 参照回数:

オレンジポート

オレンジポート/左から、りの、ゆゆ、ゆうな (写真:竹内みちまろ、2015年2月15日、J-SQUARE SHINAGAWAにて)


 今、アイドルファンの間で、静岡県沼津市のご当地アイドル「ORANGE PORT」(オレンジポート)が熱い注目を浴びている。2012年8月結成されたユニットで、「地方から世界へ」をテーマに活動している。

 オレンジポートは、2014年7月2日から6日まで、仏・パリで開催された日本文化を紹介する祭典「JAPAN EXPO」でステージ出演を果たした。ヨーロッパのポップカルチャーファンを熱狂させ、特に約3000人を動員した3日と5日のメインステージではアンコールを沸き起こす人気ぶり。期間中、日本、海外を合わせて20を超える雑誌やテレビからインタビューを受け、茶娘姿でPR活動を行った静岡県沼津市ブースには連日、長蛇の列ができた。帰国後も、海外からCDの注文が入るなど、注目度が衰えることはない。

 オレンジポートは一流のプロデューサーやクリエイターたちがサポートし、質の高いステージパフォーマンスを魅せることも特徴。地元沼津での活動に重点を置くため、都心でライブを見る機会は限られているが、2015年2月15日には、アイドル専用の劇場ライブイベント「東京アイドル劇場」が東京・港区の「J-SQUARE SHINAGAWA」で初日を迎え、オレンジポートが出演した。会場には、オレンジポートをひと目見ようと、多くのアイドルファンが詰め掛け、オレンジポートのパフォーマンスに釘付けとなった。

 オレンジポートのメンバーにとって、注目を浴びるキッカケとなった「JAPAN EXPO」はどんな意味があったのか。「東京アイドル劇場」のステージを終えたメンバーの正岡紫野(りの)、石田結々(ゆゆ)、渡辺結菜(ゆうな)に話を聞いた。

 チャームポイントは「ぱっちりお目々!」という「ゆゆ」は、「JAPAN EXPO」のステージに立つ前の様子を、「フランス語は全然分かりませんし、『JAPAN EXPO』にはフランス人の方だけではなく、ヨーロッパの色々な場所からたくさんの人が来て下さっていましたので、言葉はぜんぜん通じませんでした。私たちには外国語の持ち歌もありませんでした」と振り返った。ただ、実際にステージに立ってみると、「前もって、ネットで調べて歌詞を覚えていてくれたお客さんがたくさんいて、凄く盛り上がってくれました。私たちも、言葉が通じなくてもこんなに人と人って繋がることができるんだと思いました。コールは、へたをすると日本よりも凄いんじゃないかというくらいでした(笑)」とにっこり。

 メンバーの中で1人だけショートカットで、ボーイッシュ担当という「りの」は、「JAPAN EXPO」に出演してみて、「ステージの上で表現するだけではなく、ステージを降りた後にみなさんと接する機会も大切なんだなと思いました。実際、話してみないと分からないことがたくさんあり、自分のことをどう思っているのか、自分がオレンジポートの中でどうあるべきなのか、自分の個性についてなど、よく分かるようになりました」と、「JAPAN EXPO」での経験が自分を見直す機会になったことを紹介。「フランスに行ってから、twitterで、フランスだけではなく、イギリスやスペインなど、ヨーロッパのたくさんの方々からフォローされるようになりました。本当に知ってもらえたんだなと思いました」と海外からの反応も語った。

 片方のほほにだけエクボができる「キャハハスマイル」がチャーミングな「ゆうな」は、「フランスには1週間の滞在で、たくさんのステージをやりました。それでチームワークが凄く深まりました。1週間、みんなで同じ部屋で寝泊まりをして、あそこをこうしようなどと言い合っていました」と滞在期間中の様子を語った。「『JAPAN EXPO』ではステージで対応力を問われたこともあり、フランスに行ってみんなのチームワークが上がったと思います。日本に帰って来た後も、普段のステージでも、前よりも色々なことに対応できるチームになったと思います」と、「JAPAN EXPO」での経験がオレンジポートを成長させたことを紹介した。「また、JAPAN EXPOに出た後は、色んな方から『フランスに行ったんだって、見てみたい!』と言われるようになりました。友達も『凄いね。今度、見たい!』と言ってくれました。フランスから帰ってきた後は、定期公演ライブにもたくさんの方が来て下さるようなりました」と帰国後にも多くの反応が待っていたことを話した。

 そんな3人に、日本のアイドルは積極的に海外に出るべきだと思うかと尋ねたところ、3人は声を揃え、「はい!」と笑顔を見せた。(インタビュー・文・写真=竹内みちまろ)

【コメント】

−東京アイドル劇場でステージを終えた感想は?

りの:私たちは沼津から来たのですが、みなさん初見でも温かく見守ってくれて、楽しいステージができて本当に嬉しかったです。ステージからお客さんの顔がよく見えて、全身で楽しんでくれていました。「よかったよ」と言ってもらえて嬉しかったです。

ゆゆ:初めての方も一緒に踊りなどで盛り上がってくれて嬉しかったです。今日、初めてオレンジポートを見てくれた方が、「凄いよかった。沼津に行ってみたい」と言ってくれました。沼津は沼津港という港が有名なのですが、「沼津港にも行ってみたいな」と言って頂けました。それが私たちの活動の根源なので凄く嬉しかったです。

ゆうな:みなさん初めてなのにオレンジ色のサイリウムを持って踊って下さって、私たちも楽しかったですし、お客さんが楽しんでくれているのがステージから分かったので、また、東京アイドル劇場に出演したいなと思いました。みなさんが「沼津にも行くよ」と言ってくれて、とても嬉しかったです。

−JAPAN EXPOの様子は?

りの:会場入りしたとき、まず、来て下さっているお客さんの数が凄く多くて緊張してしまったのですが、いざ、ステージに立つと、みなさん、ちゃんとサイリウムを持って、コールもしてくれて、ウェルカムが感じがしました。凄く楽しかったです。(あのくらいの広い会場は)初めてでした。

ゆうな:お茶など沼津市を紹介するブースもやらせていただいたのですが、そこにもたくさんの方が来てくださって、お茶を飲んで「おいしい」と言って下さり、大盛況でした。また、沼津のパンフレットを見て、「今度、行きます!」と言ってくれる方がたくさんいました。JAPAN EXPOが終わってフランスから帰ってきた後も、たくさんの方が実際に沼津に遊びに来て下さっています。本当に、行って良かったなと思いました。

−JAPAN EXPOに出演して、どんな反応や変化があった?

ゆゆ:毎月、沼津で行っている定期公演ライブに、フランス人の方が何人が見に来てくれています。もちろん、ライブだけではなく、沼津を観光して下さったりするのですが、私たちのテーマである「地方から世界へ」が実践できていると思いました。フランスをはじめ海外から日本に来ていただき、日本のことをたくさん知っていただき、日本人のファンの方とフランス人の方も言葉は通じないのですが一生懸命コミュニケーションを取ろうとして下さっています。そういうことが凄く嬉しいなと思います。

 JAPAN EXPOのステージはとにかくお客さんの数が多かったです。言葉も通じなくて、人種も違ったのですが、一緒にステージを楽しむことができました。日本でも、私たちにしかできない色々なことがもっとたくさんあるのではないかと思いました。フランスから帰って来てから、色んなことに挑戦するようになりました。新しい楽曲を精一杯こなすだけじゃなく、もっと、ここを揃えようとか、ここをこうしようなど、みんなの意識が変わり、高くなりました。

ゆうな:YouTubeに、海外の方が私たちの歌で踊ってくれる「踊ってみた」の動画がたくさんあがっています。しかも、日本語で歌ってくれている人もいて、それを家で発見して再生してみると、凄く嬉しくて、感動します。それを見るたびに、がんばらなきゃなと思います。

−ひとこと

りの:私たちのことを知らない方も私たちのことを知ってほしいですし、どんな興味の持ち方でも構わないので、ぜひ一度、会いにて来ほしいなと思います。

ゆゆ:私たちのライブは楽しいです! アイドルファンの方はもちろん、アイドルファンではないという方も絶対楽しめますので、遊びに来てほしいと思います。

ゆうな:オレンジポートのステージをもっといいものにできるように、これからも、みんなでチームワークを大切にがんばっていこうと思いますので、ぜひ、沼津に遊びに来てほしいです。沼津は本当にいい所でおいしい物もたくさんありますし、綺麗な場所もたくさんあります。オレンジポートを見て、沼津を観光して帰っていただけたらと思います。



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