ミニシアター通信


桜庭一樹、「私の男」の原作と映画の違いを語る「両方楽しんでもらいたい」


2014年3月18日 1時09分 参照回数:



熊切和嘉監督、桜庭一樹氏

左から、熊切和嘉監督、桜庭一樹氏


 父と娘の禁断の愛を描き、直木賞を受賞した桜庭一樹氏の傑作小説「私の男」(2007)が映画化され2014年6月14日に東京・新宿ピカデリーほかで全国公開される。公開に先立つ3月4日、完成披露試写会が都内で開催され、桜庭氏と熊切和嘉監督があいさつを行った。

 2013年から丸1年かけて完成された同作。『海炭市叙景』、『夏の終り』などで国内外で評価される熊切監督は、「映画で人間を描く上で避けて通れない気がして、次に撮るならこれだと思った」と、「私の男」に挑んだ背景を明かした。

 撮影は、物語の重要な背景となる流氷を待って2013年1月20日に、北海道・紋別にて始まった。熊切監督が、いつ流氷がくるかが分からないため、「毎日、流氷の情報を確認していました。奇跡的なタイミングで撮影ができました」と振り返ると、桜庭氏は、紋別の撮影現場を訪れた際に目の当たりにしたエピソードを、「流氷からカメラマンが落ちたんです。ベテランのスタッフさんが『カメラが先だ!』とおっしゃられて、その後に『カメラを先に上げた方がおまえを助けやすいんだ』と説明されていた」と笑い交えて紹介した。

 また、原作ファンも注目のキャスティングは、浅野忠信が主人公・淳悟を演じ、ヒロインの花は二階堂ふみ。桜庭氏は、「原作が発売された時も、淳悟のイメージとして浅野さんの名前があがっていた。特徴のないのが花。普通に見えて、どこか計り知れない難しい役を二階堂さんは演じてくれました」と映像化された作品への思い入れも深い様子。

 桜庭氏は、「原作は主人公たちに感情移入できるように書きましたが、映画は俯瞰で二人を見ています。テーマが同じ中でアプローチの違いがあるのが面白い。原作も映画も両方楽しんでもらいたい」とメッセージを送り、「映画をきっかけに原作を読んでくれる方もいるのでとても嬉しく思います」と笑みを浮かべた。


→ 桜庭一樹、映画『赤×ピンク』のラストシーンに感動「込み上げてくるものがありました」

ミニシアター通信


PR