ミニシアター通信


桜庭一樹、映画『赤×ピンク』のラストシーンに感動「込み上げてくるものがありました」

2014年2月23日 1時15分 参照回数:



桜庭一樹氏

桜庭一樹氏 (撮影:竹内みちまろ)



 映画『赤×ピンク』が2014年2月22日に公開日を迎え、原作者の直木賞作家・桜庭一樹氏が、東京・角川シネマ新宿で行われた初日舞台あいさつに、坂本浩一監督、主演の芳賀優里亜、出演の榊英雄らと共に登壇し、トークショーを行った。

 『赤×ピンク』は桜庭氏の初期傑作小説で、女同士が檻の中に入って闘う「ガールファイト(格闘イベント)」が舞台。そこに集まる女ファイターたちが、何者かになるべく自ら一歩前に進み始める様子を描く。同日に公開した同名映画は、原作のストーリーを発展させ、空手家ファイター・皐月(芳賀優里亜)を軸に、4人の女たちの成長を鮮明に描く。

 マイクを持った桜庭氏は、「原作を書いた時期、自分自身が格闘技が大好きで、週に5回くらい空手道場に通っていました。そのころの自分と仲間たちを投影したのが女の子4人の登場人物です」と原作を振り返った。「その4人を実感を持って演じていただけたことが嬉しかったです。あと、榊さんが演じている乱丸は原作では少し出てきて、映画の中では大暴れをしています。こういう華のある悪役はいいなあと思いました」と感想を紹介した。

 小説が映画化されたことについては、「小説をそのまま映画にすると違ってしまうと思いましたので、このテーマを生かすために映画のやり方で撮っていただいたのだと思いました」とコメント。「映画はラストシーンが原作と同じ皐月のシーンの終わるのですが、それを見たときには、込み上げてくるものがありました」と感動を隠せない様子だった。

 桜庭氏のトークを受け、坂本監督から、4人のキャラクターは脚本化の段階で原作に忠実に再現することを心掛け、原作と脚本の両方を読んだ出演者たちとディスカッションを重ねることにより、キャラクターの人格や関係性を固めていったという。出演者たちの考えをくみ取ったうえで、「どうやって最後までもっていくかというところが、一番のチャレンジでした」と明かした。

 トークショーでは、『赤×ピンク』の内容にちなんで、自分が大人になったと実感した瞬間が話題となる一幕があった。桜庭氏は、親元を離れて一人暮らしを始めた人が所属することになる、友人や同じ悩みを抱える仲間たちとのサークルのような共同体生活を例に挙げ、学校なり、趣味の集まりなりのそういった共同体から一人、また一人と卒業していく瞬間が、「そのときは実感しませんでしたが、今、思うと大人になったのだなと思いました」と振り返った。

 桜庭氏の作品が映画化されるのは『赤×ピンク』が初で、2014年6月には、直木賞受賞作『私の男』の映画化作品が公開予定。


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