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映画評「ワンダーウーマン」|あらすじ&解説、ガル・ガドット&クリス・パインの演技が素晴らしい!

2017年10月1日 22時50分 参照回数:

映画「ワンダーウーマン」
監督:パティ・ジェンキンス
製作:2017年=アメリカ

 1941年、世界で初めて女性のヒーローが誕生した。ワンダーウーマンである。アメリカン・コミックの老舗DCコミックスが1941年に発表した「ワンダーウーマン」は、それまでの男ばかりが世界を守る風潮に一石を投じ、アメコミ界に革命をもたらした一作だ。

 そんな世界初の女性ヒーローを実写化しようという動きは、これまで何度も試みられ、TVドラマなどで実写作品が製作されてきた。

 しかし、アメリカ人の心に残るパイオニア的な作品であるがゆえに、その実写化には大きなリスクを伴うことは否めない。そのため、これまでいわゆる大スクリーンにワンダーウーマンが登場するということは皆無に等しく、劇場で彼女の活躍を見る機会というのは、ほとんどなかったのである。

 その最中の2013年、アメコミ映画界に新風が吹く。MARVELが世界観を広げ続けるMARVEL Cinematic Universeに対抗する形で、米ワーナー・ブラザーズとDCコミックスがタッグを組み、DC Extended Universeという作品群を製作し、その第一弾として、世界で最も有名なヒーロー スーパーマンを「マン・オブ・スティール」というタイトルの元、新たに公開したのだ。これによりDCコミックスを代表するスーパーヒーローである「ワンダーウーマン」を映画化する手はずが整ったのである。

 2016年に公開された「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でスクリーンに初めて姿を現した超人的能力を秘めた最強女子に映画ファンならびにアメコミファンたちは熱狂した。イスラエル出身の美人女優ガル・ガドット扮するそのスーパーヒロインは、スクリーン狭しと堂々と活躍して魅せ、主役であるはずのバットマンやスーパーマンを食ってしまうほどの圧倒的存在感を示した。まさに現代らしく女性が世界をリードするといった点でも、最大限の力を見せつけ、この2017年についに単独映画が公開されることとなったのだ。

「ワンダーウーマン」のあらすじ

 女性だけが暮らす島で育った王女ダイアナは、幼き日から戦士に憧れ、隠れて特訓を繰り返す日々を送っていた。

 偉大な母ヒッポリタは娘を戦士にするのを嫌い、叔母にあたるアンティオペはダイアナの素質を見抜き、立派な戦士へと育て上げようとしていた。

 数年後、一人前の戦士へと成長したダイアナは、誰よりも強い戦士になっていた。そんな折、島に飛行船が墜落し、ダイアナは謎の男スティーブ・トレバーを助け出す。

 彼はナチス・ドイツに潜入しているアメリカのスパイであり、ある物をロンドンにある司令部に届ける任務を帯びているという。

 生まれて初めて男性を目にしたダイアナは戸惑いを見せるも、世界で巻き起こっている戦争が、彼女たちアマゾン族の宿敵である軍神アレスの手によるものだと確信したダイアナは、スティーブと共に第二次大戦真っ只中のロンドンへ向かうことを決意する・・・。

女性監督が描き出す、全く新しいアメコミ映画

 本作の監督を務めるのは、アメコミ映画としては異例の女性監督 パティ・ジェンキンスだ。界初の女性ヒーローを女性監督が映像化するというフェミニズム精神を体現している印象が強く、打ってつけの人選だったと言えるだろう。

 またヒーロー映画を女性が監督することで、戦闘シーンでの大胆なスロー描写など、随所に新鮮な印象も受け、美しい映画だったというのが、率直な感想だ。

 物語的なものでも、第二次大戦を舞台にすることで史実とフィクションを巧みに織り交ぜ、大きな説得力とリアリティを醸し出す。

 これまでのDC Extended Universe作品には、正直なところ尺の長さなども含めて、あまり好みの作風ではない印象を大いに受けていたが、本作を機に印象がガラリと変わり、これからのシリーズがとても楽しみになったことは確か。

 ただ一つ、難点を挙げるとすれば、本シリーズは敵役となるキャラクターが、何かしらの神であることが多く、これも原作が持つ特有なのかもしれないが、その辺りに若干の懐疑心を抱いてしまう。

 それでもダイアナが初めて外界へと旅立ち、そこで体感するカルチャーショックや考え方の相違などをコメディ色たっぷりに描いている部分やロマンティックなシーンの数々も存在し、140分強ほどの上映時間が、あっという間に感じてしまうほどの面白さがある。初の単独映画としては上々の出来栄えであったと言えるだろう。

ガル・ガドット&クリス・パインの演技が素晴らしい!

 主人公のダイアナ=ワンダーウーマンを演じるのは、イスラエル出身の美女 ガル・ガドット。序盤にも触れたが、その圧倒的な存在感で、世の女性たちにエールを送る存在である彼女は、実は過去にイスラエル国防軍に2年間所属していた経歴を有している。

 そんな過去も相まってか、強き女性像を体現したまさに"カッコイイ"演技を終始披露しており、抜群のアクションスキルも見せつける。

 それと同時に今回の「ワンダーウーマン」は主にダイアナの過去を描いているため、まだまだ未熟なヒーローであることを浮き彫りにしたストーリーでもあるのだが、何が正義か?何を守るべきか?といったような葛藤を表情豊かに演じきっていたのも印象深い。

 そんなガル演じるダイアナの相手役スティーブ・トレバーを演じるのは、クリス・パイン。ご存じ「スター・トレック」のカーク船長でもある彼が今回挑むのは、超人的な力を備えたスーパーヒーローのいわば相棒的な役割だ。

 カーク船長として堂々たる存在感を示している彼がヒーローではなく、その相棒的な立場であることに、正直、どうなるものかと心配していたのだが、ただの相棒やロマンスの相手役では収まりきらない魅力のあるキャラクターで圧倒された次第だ。

 ダイアナの横でしっかりとスティーブというキャラクターが確立されており、正義感が強く、ワンダーウーマンに引けを取らないキャラクターで、好印象を受ける。その活躍ぶりは観客の涙を誘い、大きな魅力があるのだ。とにかく"カッコイイ"の一言に尽きる。

 その他にも「ハリー・ポッター」シリーズのルーピン先生としても有名なイギリスの名優デイビッド・シューリスがイメージと違う表情を魅せ、名女優ロビン・ライトなどもしっかりと自身の役割を果たしていたりと、キャストもまた秀逸だ。

 今後のDC Extended Universeにおいても最重要といっても過言ではない「ワンダーウーマン」は、絶対に見逃せない! 老若男女とわず楽しめる、最高の超大作映画だ。

【この記事の著者紹介】

Sunset Boulevard(書評&映画評ライター):映画を観ることと本を読むことが大好きな、しがないライター。オススメ小説の書評や読書感想文を通じて、本を読む楽しさを伝えられたら嬉しいです。また幼き日よりハリウッド映画に親しんできたため、知識に関しては確固たる自信があり、誰よりも詳しく深い評論が書けるように日々努力を重ねています。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。Twitter:https://twitter.com/sunsetblvdmovie


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