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映画評「キングコング:髑髏島の巨神」ド迫力の映像と核心を突くストーリー

2017年9月28日 14時50分 参照回数:

映画「キングコング:髑髏島の巨神」
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
製作:2017年=アメリカ

 怪獣と聞いて思い浮かべるのは何だろうか? ゴジラやモスラ、はたまたウルトラ怪獣たちだろうか? アメリカ人が怪獣もしくは巨大モンスターと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、キングコングである。

 1933年に初めてスクリーンに登場して以来、アメリカを代表する怪獣となったキングコングは、漫画やゲームに登場するようになり、テーマパークのショーやアトラクションにも数多く登場するようになる。

 映画に関しては後に「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンなどの手によりリメイクもされ、正規のライセンス契約を経て、日本の特撮映画「ゴジラ」にも登場したことがある。

 そんな特撮というジャンルにおいて、歴史に名を刻んできた怪獣界の"王"が再びスクリーンに姿を現したのが、この「キングコング:髑髏島の巨神」である。

「キングコング:髑髏島の巨神」のあらすじ

 1973年、アメリカの歴史の転換期とも言えるこの時代に、特別研究機関モナークは、地図にも載らない謎の島・髑髏島に地質調査へ向かうため、メンバーを招集する。アメリカ兵を護衛として連れ立って、髑髏島へと向かう一行だったが、その島は人間が足を踏み入れてはならない驚異の島だったのだ。

 そして、その島で神として崇められる巨大怪獣コングを目の当たりにした彼らは、たちまち島からの脱出を試みようとするも・・・そこは弱肉強食の世界。人間は虫ケラのように扱われる・・・。

いずれは「ゴジラ」と合流!モンスター・バース

 本作は2014年に公開されたギャレス・エドワーズ監督作品「GODZILLA/ゴジラ」と世界観を共有する’’モンスター・バース’’というシリーズの一作品として製作されている。したがって「GODZILLA/ゴジラ」に登場する怪獣や用語といった内容にも触れられている部分があり、100%楽しみたいのであれば、そちらを先に鑑賞することをおすすめしたい。無論、日本の「ゴジラ」とは全く違う作品になっているが、決して楽しくないわけではないので、ぜひ敬遠せずに鑑賞してもらいたい。

ド迫力の映像と核心を突くストーリー

 さてこの「キングコング:髑髏島の巨神」についてだが、本作が公開された時は軒並み好評ばかりが耳に入ってきて、かなりの傑作怪獣映画だと聞いていた所存である。

 怪獣映画や特撮のメッカと言っても過言ではないここ日本において、それほどまでにハリウッドの怪獣映画が評価を受けるのは、何故なのだろうか?

 まず最初に挙げられるのは、その登場する怪獣たちの存在であろう。キングコングのみが登場し、人間を襲うといった類の作品ではなく、本作の主役はあくまでもキングコングを初めとした怪獣たち。

 髑髏島に生存する多種多様な巨大生物を守る立場にあるキングコングが、突如侵略してきた人間と相対しながらも、敵となるトカゲ風の怪獣との死闘を繰り広げるド迫力の映像が繰り広げられる。

 これには幼き日から特撮とりわけ「ゴジラ」などの怪獣映画を観て育ってきたファンたちは、思わず手に汗握り、胸アツだったことだろう。思わず前のめりにスクリーンに釘付けになってしまうほどだ。

 続いて挙げられるのは、 コメディ要素。

 この髑髏島では人間は食物連鎖の最下層で、怪獣たちから見れば虫ケラのような存在である。

 それを逆手にとり、人間たちなど気にも留めず、馬鹿げた存在であるかのように、ひたすら滑稽に描写されているのが、なんとも小気味いい。

 こういったSFだと、どうしても人間主観で作品を作ってしまい怪獣vs人間という様相が繰り広げられてしまうものだが、本作の監督を務めたジョーダン・ヴォート=ロバーツは、絶妙なバランスをとり、怪獣が主役ということを印象付ける演出を終始取り入れている。なので、鑑賞後も人間の印象というのはほとんど皆無で、怪獣ばかりが脳裏に焼きついている次第だ。

 最後にもう一つ触れておきたいのが、本作の舞台が1973年でアメリカがベトナムから撤退した年というところ。

 このベトナム戦争というのは、しばしアメリカの侵略戦争だったのではという疑念が持ち上がる戦争だが、本作ではそういった時代背景を浮き彫りにし、あたかも人間が髑髏島を侵略しにやってきて、元々いた怪獣たちを攻撃しているかのような描写が際立っている。

 これはまさに当時のベトナム戦争と酷似していて、そういった比喩的なストーリーも秀逸であると同時に自然破壊や動物愛護への警笛も含んでいるところも素晴らしく、映像だけでなく、しっかりとした根幹を持った脚本力も高く評価したい。

旬なキャストたちが本作の支柱となっている

 キャストに関しても今をときめく実力派で固められており、主演は人気英国俳優のトム・ヒドルストン。両性具有な魅力のある俳優だが、本作では逞しい表情を随所に魅せてくれる。

 「キングコング」と言えば美女の存在も忘れてはいけないが、本作でその役割を果たすのが、オスカー女優のブリー・ラーソン。70年代当時の女性をリードするかのような強き女性像を体現し、凛とした演技で本作をも引っ張った印象である。

 また、名脇役として名高いサミュエル・L・ジャクソンとジョン・C・ライリーの存在も良いスパイスになっていて、目が離せない。サミュエルはヒール的な役割を果たし、ライリーは箸休め的な役割を果たすというお互い対照的な役柄だが、2人とも欠かせないキャストであったことは確かだ。

 これからますます広がりを見せることになる、モンスター・バース。ゆくゆくはゴジラとキングコングが対峙することも予定されており、怪獣ファンにとっては胸が踊らないわけがない! どこか「ジュラシック・パーク」を連想させるシーンも幾つかあり、懐かしさを感じる人も中にはいるかもしれない。大迫力の怪獣バトルを絶対に見逃すな!

 髑髏島へ足を踏み入れる際には、決して怪獣たちを威嚇したり、怖がらせたりしないように、お気をつけ下さい。



【この記事の著者紹介】

Sunset Boulevard(書評&映画評ライター):映画を観ることと本を読むことが大好きな、しがないライター。オススメ小説の書評や読書感想文を通じて、本を読む楽しさを伝えられたら嬉しいです。また幼き日よりハリウッド映画に親しんできたため、知識に関しては確固たる自信があり、誰よりも詳しく深い評論が書けるように日々努力を重ねています。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。Twitter:https://twitter.com/sunsetblvdmovie


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